第十四話
神主は破れた手紙を見て何を思ったのか、焚き火を炊いて、そのなかに手紙をほうり込んだ。
手紙は熱く燃える炎の中で焼かれた。
場面は切り替わり、そこは神主が強い雨に打たれながらも一人立ちつくしている。
すると周りをあの時の女性たちが取り囲み、神主に罵声を浴びせた。
いつしか女性たちの姿は神主への憎しみの執念へと変わったようで、その執念が、神主のことを覆い尽くした。
また場面は変わり、今度は神主は暗く、黒い百合だけが咲いている謎の空間に一人で、下を向いて立っている。
まるでここは神主のことを閉じ込めている檻のようだった。
雨は場面が変わっても降り続けており、今も神主の体を強く打ち付けている。
そこまでの光景を見た私の視界はぐにゃぐにゃとうねり始め、目を覚ますとそこは自分の家の一室った。
私がこれまで見ていたものは全て夢だったのだろうか。
しかし、見ていた夢の内容を思い出すことが出来ない。
まあ、よくある事なのだが。
時計を見ると夜中のニ時。
まだ夜が明けていないなんて驚きだ。
私の中ではとても長い時間を過ごしていた感覚だったのに。
しかし、目をぱっちりとさめてしまって、今からでは眠れそうにない。
私は気分転換にと、家を出て近くの森を散策をしてみることにした。
家を出る時、私の服のポケットから何かが落ちた。
しかし、私がそれに気づくことは無かった。




