少女ルーナと魔術
まだあれは7歳頃の話だっただろうか。 行ってきますと言ってそのまま帰ることの出来なくなってしまった両親。 失った辛さよりも、怒りの方が大きかったのを今でも覚えている。 魔族と呼ばれるその存在が憎くて仕方がなかった。 それ以来宮廷魔道士と呼ばれる王宮最強の魔道士であるおじいちゃんに魔術の使い方を学び、もう数年が経とうとしていた。
「お前にもう教えることはもうない、あとは自分で見つけなさい 」
「え、でもこれじゃまだまだだよ 」
おじいちゃんは苦い顔をうかべる。
「お前は強さというものが何かをわかっていない。 力の大きさだけが強さではないんだ 」
そう言うとおじいちゃんは私に背を向け、どこかへ行ってしまった。
「……意味わかんない 」
誰よりも強ければ何もかも守れるんじゃないの? 強さだけじゃないってどういうこと? 私はモヤモヤとした気持ちを抱えていつもの河原に向かった。
川の水が爆発によって吹き上がる。 イメージ通りの魔術が出来ている。 けれど、まだこんなものでは魔族を殺すことなど不可能だ。 そんな時、ふと川の向こうに怯えたシカが立っているのが見えた。辺りを見回すと何匹ものシカがこちらを見つめていた。 あぁ、そうか。 ここはシカたちの水飲み場だったのか。
「ごめんね、驚かせちゃったね 」
力をひけらかすのが強さじゃない、そうおじいちゃんに言われている気がした。
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