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1 早速ですが、介護士になりました
「いや、暑いわ今日も。まじ……辛い」
今日は昨日と違い、ニュースでも話題になるほどの猛暑日。
何が悲しくて、こんな日に出勤なのか。
いや、シフトで決まってるし、そういう決まりだからね。うん。
「あー、職場が遠い……死ぬ」
職場の駐車場から、職場の建物までは、徒歩で3分かからない程だが、その道は山登りですか?といわんばかりの坂道。
修行であれば、こんな猛暑日でも喜んで!となるところだろうけれど、生憎私は修行僧でも、登山家でもない。
やっとの思いで職員玄関の入り口につく頃には汗だくだった。
まー、体型的に行っても最近やっと、3LからLLになったとはいえ、まだまだフクヨカですから。
職場の入り口から入ると、元気な声が聞こえてくる。
『おはよう。今日も、かわいいなー』
『おはよう!! 暑かったやろー』
職員だけでなく、利用者の声が、沢山聞こえてくる。
ここは、養護老人ホーム。
つまりは介護施設だ。
私はここで働くパートである。
私の仕事は介護士。
ただし、駆け出しで、働き始めてまだ一年。
それでも、既に独り立ちしているから、現場では見習いですからは、通用しない。