第78話 たたたたたた
ヒナタ「月曜日は憂鬱だよね。学校を休みたくなるもん」
ソウジ「うだうだ言っても仕方ねえだろ。どうせ行くしかねえんだから」
ヒナタ「愚痴くらい言わせてよ。あんまり休めてないんだから」
コウタロウ「休みって何さ。僕らは無限に暇なんだよ?」
ヒナタ「また新人さんね。よろしく」
ソウジ「狭いじゃねえか。早く出てってくれ」
コウタロウ「そういう君がいなくなればいいよ」
ソウジ「なんだとてめえ」
ヒナタ「喧嘩はやめてってば!」
ヒナタ「ねえ、誰もいないの?」
ヒナタ「暇だってば」
ヒナタ「お願い、誰か出てきて」
トム「やあ、お嬢さん」
ジェリー「泣いてる女の子だー」
ヒナタ「ありがとう! いきなり一人になって寂しかったの!」
ヒナタ「しりとりしましょ。まず私からね」
トム「しりとりは好きじゃないな。鬼ごっこがいい」
ジェリー「どうやって鬼ごっこするんだよ。トムは馬鹿だねー」
トム「おい。調子に乗るなよ。お前なんてこうしてやるっ」
ジェリー「ぶぎゃっ」
ヒナタ「ちょっとやめてよ! せっかく三人いるんだから仲良くしないと
水に落ちた。
水だ水だ。待って、本当に水だ。
架空人格のお喋りなんてどうでもいい。
あいつらはもう消した。
勝手に喋りやがって、クソッタレ。
ひゃひゃひゃ、水が温かい。
温かさを感じるなんて一体いつぶりだろう。
肉体がある。
なぜだ。
いきなり再生したのか。
どうやって?
前触れもなくこんなことになって、あたしはとても焦っている。
まさかいきなり虚無が終わるとは思わなかったのだ。
ずっと願っていたのに、驚きが大きすぎて素直に喜べない。
よし。
冷静に、落ち着いて状況を、確認しよう。
あたしは今、温かい水の中にいる。
全身が沈んでいるようだ。
手足が上手く動かせず、目もあまり開けられない。
ぼやけた視界では現在地が分からなかった。
不安はあるが、それよりも自由になれるのが楽しみだ。
やったー、やったー。
はて。
あたしは誰だ。
思い出せない。
ずっと虚無にいたことは憶えている。
僕は何か、悪いことをしてしまったのかもしれません。
あれはきっと罰なのでしょう。
私はとても悲しいです。
まあ、いいのです。
もう救われるのですから。
ねがわくば、へいおんなじんせいとなりますように。