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お泊り
放課後、何故か甘野さんと帰ることになった私、重田 愛は甘野さんの影に隠れながら歩いていた。
「どうしてそんなに後ろを歩こうとしているんですか?」
「....私、クラスメイトと話したことがなくて」
「確か、重田さんの両親って」
「墜落事故で....」
「一人は大変じゃないですか?」
甘野さんは心配そうな顔でこちらを見る。
「どう、でしょう?生前の親も冷たく何かしてもらった記憶なんてないので....」
「そうなんですね」
少し歩いてから甘野さんは「そうだ!」とこちらに体ごと振り向かせる。
「私の家に来ませんか?」
「へ?」
「私の親、今日は仕事でいないですし泊まってもらっても構いませんよ?」
満面の笑みで私を見つめる。
「お邪魔じゃなければ....」
突如決まった甘野さんの家へのお泊り。
そして私は知ることになる。
彼女の本当の姿を....