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理解出来ない
今週より毎週日曜日の20時に更新いたします!
「おはようございます。重田 愛さん」と私の名前を呼ぶ女子が目の前に居た。
私はゆっくりと顔を上げる。
そこには容姿が整った女子が居た。確か、彼女は
「甘野さん??」
【甘野 雪】、私が通う高校の生徒会長である。
「甘野さん、どうしたの?」
私は甘野さんに質問をする。
すると、甘野さんは微笑んで
「何か悩んでそうだったから話しかけました」
「え....」
悩んでた?私が?
「何かあったんですか?私で良ければ聞きますよ?」
「っ....」
言葉が詰まる。
本当にそれだけなの?私が悩んでいたから?それだけ?ホントに?
「ん?」
甘野さんの目からは「どうしたんですか?」という訴えしか伝わって来ない。
「いえ、人前で話せるようなものではないので....」
「じゃあ、放課後!一緒に帰りませんか?」
体が固まる。え?何故?
いきなり話しかけられた上、一緒に帰る?ますます彼女のことが分からない。
「もっと、教えて下さい。重田さんのこと」
甘野さんは微笑んで自分の席に戻る。
「分からない」