表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
魔王様の万能メイド、実は正体は〇〇でした!  作者: 犬前 狼花
1章 魔城オリアスの日々
7/46

6 ,いざ、戦いの場へ

戦闘シーンまで長くてすみません(T_T)

食堂に引きずり込まれ、美味な昼餐を魔王から振る舞われて2時間後。

突然魔王が立ち上がった。


「さてさて勇者諸君、腹は満たされたか?

 そろそろお前らの望みを叶えてやろうと思ってな。」


「俺達の望みだと?」


「ああ。なんだ、お前ら俺を倒しに来たんだろ?

だから、お前らとやりあってやろう(戦ってやろう)ってんだ。丁度いい腹ごなし程度にはなってくれるんだろうからな。」


とんでもなく上から目線で魔王が煽ってくるため、ヴラカスと()()()は憤慨した。


「やりあってやろう?腹ごなし?随分と私達を舐め腐ってるようだけどな自称魔王さんよ!」


ものすんごい剣幕と粗野な口調で捲し立てるフォルにナルが慌てつつフォローを入れる。


「ちょっとフォル?!本性出ちゃってるから!落ち着いて!

アンタ一応品行方正でお淑やかな法術士(ソーサラー)で通ってるんだから!

 でも…フォルの言うとおり、アタシらのことを大分下に見てくれるじゃん。そういうヤツの鼻っ柱をへし折るのは気分がいいわ。」


「おいナル、それじゃフォローになってないしお前も普段隠してるドSが出てるぞ!?

 まあ俺もお前ら二人には賛成だ。ここまで俺達をバカにされたんじゃ、引き下がれないな。」


「確かにぃ、こんなにも煽られてぇノコノコ聖都に逃げ帰るなんてぇ、できませんよねぇ。

 せっかくなんでぇ、セフェレアちゃんも保護してぇ、しっかり任務を」


「なんでセフェレアが出てくる?」


ヴラカス達の言葉を今まで満足げに聞いていた魔王がアンベシルが“セフェレア”と言った瞬間、雰囲気を一変させて言葉を被せてきた。



 ―――――――――――――――――――――――――



カタカタと地面が震え、レナトゥスの足下から真っ黒な霧が吹き出す。

また、城の廊下を竜巻と見紛う程の暴風が吹き荒れてその霧を巻き上げていた。


「なぁ、なんでそこでセフェレアが出てくるんだ?」


相当怒っているようで、魔力が暴走しかけて溢れ出している。

それなのにも関わらず、勇者達が死なないように彼らに保護陣を敷いている。

相変わらず器用なことだと、セフェレアは素直に感心していた。


(流石、何千年の時をかけてやっと()()()()()()逸材ですね。これなら……。)


セフェレアは何事かを思案しつつ、レナトゥスに声をかける。


「レナトゥス様落ち着いてください。地震起きてますからね?オリアスが壊れても私直しませんよ?

 聖女アンベシル様、先程も申し上げた通り私は心よりレナトゥス様にお仕えしておりますので、保護されるというのなら、それは誘拐になるかと存じます。」


これ以上何も言わないでくれ…と願いながらセフェレアはアンベシルの言葉を否定する。

このままではオリアスだけでなく周辺の地形までもが変わってしまうところだったのだ。

それを直すのもセフェレアの仕事になってしまう。

そんな面倒は背負いたくなかった。

そしてセフェレアは内心、勇者達に毒づいていた。


(コイツらは馬鹿なんですかね?鶏以下の記憶力しかないんでしょうか?

 人の話を聞かないのは勇者達の性なんでしょうね。どの勇者も私の話をまったく信じずに「もうそんなこと言わなくていいんだ」とか言いながら、無理矢理聖都に連れて行こうとしてましたし)


そんなときだった。

レナトゥスの激怒に触れてガタガタと震える勇者たちを見て、彼も少しは溜飲が下がったのだろう。

呆れたような口調でセフェレアに命じた。


「はぁ…もういい。

 セフェレア、コイツらを謁見の間に案内しとけ。城に再生と保護の陣を敷いたらすぐ行く。」


レナトゥスにそう命令されたことでセフェレアの頭が切り替わる。


「畏まりました。では、勇者様方こちらへ。」


未だにレナトゥスの魔力にあてられて震えている勇者たちに声をかけて、彼らを案内するために歩き出した。



 ―――――――――――――――――――――――――



オリアスに到着して、会ってからずっとにこやかに対応してくれていた魔王が怒りを顕にした。

まだ子供と大人の間にいるような見た目からは想像もできないほど濃密で、禍々しい魔力にあてられてなのか少しの間、恐怖で息が止まっていた。

セフェレアが声をかけなかったらあのまま死んでいただろう。


(まだ15歳位にしか見えないのに……

 しかし、あの魔力を感じてしまえば彼が魔王であるということを信じざるを得ないだろう。)


ヴラカスは今更ながらにそんなことを考えていた。

そもそも魔力の鎖で勇者を縛ることができるというのがどれだけ異常かという事にまったく気づいていなかったからだ。


そんなときにセフェレアから案内の声がかかる。


「では、勇者様方こちらへ。」


いよいよ魔王と戦闘になるらしい。

ヴラカスは仲間たちに念話を飛ばす。


『オリアスに到着する前に話した通りの作戦でいこう。

 もう一度いうが、俺とトァブで時間を稼ぐからナルは幻獣の召喚、フォルは召喚式の保護と俺達の身体強化、アンベシルはナルとフォルに防御式を張る。

 召喚でき次第、最高出力の光の魔法を打ち込んで終わりだ。』


『了解しました、ヴラカス様。』


『アタシも過去1速く召喚できるよう、頑張るわ!』


『分かりましたぁ。フォルさんとぉナルさんの防御はぁ、私にぃ任せてくださぁい。

 ついでにぃ、フォルさんの身体強化式のぉ補強もしときまぁす。』


『……………。』


フォルやナル、アンベシルから口々に返答があるのに、作戦の要を担う一人であるトァブからなんの返答もないのがヴラカスには不審に思えた。


(トァブは寡黙な質だがここまで何も言わないのはおかしい。そこまで長くない付き合いだが、大事なときには必ずなにか言ってくれたのに……。)



 




次話で戦闘にいけると思います!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ