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魔王様の万能メイド、実は正体は〇〇でした!  作者: 犬前 狼花
1章 魔城オリアスの日々
5/46

4,勇者、魔城に到着する。そしてメイドに振られる。(2)

昨日、間違って書き途中のものを投稿してしまったので、削除させていただきました。

これが投稿する予定だったものです。

ホントに申し訳ありませんm(_ _;)m

フクロウの彫刻が示した道を辿っていくと、何時の間にか道が暗黒色の煉瓦で整備されていた。

周りの草むらから小さな魔獣が時折出てきて、案内をするように前を歩いてはまた戻っていく。


そうしているうちに開けた場所に出た。

そこは大きな噴水が輝き、色とりどりの花が狂い咲いていてとてもうつくしい場所だったが、目の前にそびえ立つ城が雰囲気をぶち壊しにしている。

その城こそヴラカス達が目指していた魔城オリアスであった。


「こんなにきれいな庭が………。魔王を倒したらサクレ様に謙譲してもいいくらいですね。」


真剣にフォルがつぶやくとその声をを拾ったナルが、


「いや、アタシ達が貰えば良くない?拠点にするには大きすぎるけど、隣国に遠征するときとか楽になるじゃん。外観はちょっとアレだけど、そんなのどうにかなるんだからさ!」


と興奮気味に返す。

ヴラカスもナルの言葉を聞いて思案する。


(確かに外観はアレだけどこの庭は素晴らしい。

 季節でもない花も、辺境でしか咲かない花も咲いている。たぶん魔力で維持されているんだろう。

 ナルの言うとおり、俺達の別荘みたいな感じにしてもいいかもな)


そんなことを心のなかで思いながらも、ヴラカスは言い争いを始めたフォルとナルを宥める。


「まだ魔王討伐は済んでないし、会ってもいないんだから取らぬ狸の皮算用はやめておけよ?」


「そうですよぉ。もしぃ魔王様に負けでもしてぇ国に逃げ帰るようなことになったらぁ、私達ぃ、国中の笑いものになっちゃうじゃないですかぁ」


とアンベシルも同意を示した。

そんなふうに話しながら庭を抜け、重厚な黒樫の扉の前にたどり着く。

ドアノブに手をかけようとしたその時、扉が開いて小柄なメイドが顔を出した。


「ようこそ魔城オリアスヘ。我が主がお待ちですのでどうぞ」


と中を示すと、歩き出した。


「あ、ああ。ありがとう」


メイドの歩調は小柄な割に速く、突然のメイドの登場に驚いていたヴラカスたちは急いでその後を追った。


ふとヴラカスは違和感を覚えた。


(この子、なんだか変だ。魔種特有のオーラや魔力は感じられないのに、聖種の雰囲気でもない?一体この子は?)



「なぁ、君は…聖種か?魔種ではないようだが…。」


ヴラカスが問いかけると


「私は聖種ではございません。」


と、質問に対して必要最低限だけの答えが返ってきた。

それにさっきの言い争いでの興奮が冷めないナルが食って掛かる。


「ねぇアンタ、勇者に対して失礼じゃない?」


「お気分を害されたのなら申し訳ございません」


必要最低限の答えだけで返されてナルの興奮が怒りに変わる。


「アンタ、誰に向かっ……」


ナルが声を荒げた瞬間、


「ナル!姉がごめんなさい。あ、えっと…貴女は?」


フォルが小さいながらもはっきりした声で窘め、ついでというふうにメイドに名前を尋ねた。


「セフェレアにございます」


これまた、必要最低限の答えだけで返ってきた。

そこに今まで黙っていたトァブとアンベシルが口を挟む。


「セフェレア、か。お前聖種じゃないなら何なんだ?魔種の雰囲気じゃねぇ。」


「確かにぃ。私もヴラカスさんやぁ、トァブさんとぉ同意見ですぅ。」


アンベシルの発言を聞いてまたヴラカスは思案する。


(聖女のアンベシルがそう言うんだ。彼女は魔種ではないのだろう。ならトァブの言うとおり本当に何者なんだ?

 待った。そんなことより、魔種でもないならなんで魔王に仕えてる?まさか、無理矢理?!そうに違いない!なら、彼女を救わなくては!)


 ―――――――――――――――――――――――――


セフェレアは考えていた。この大きな図体をしたいかにもな武闘家(モンク)風の男と淡いピンクの髪を白いベールに隠している雰囲気から聖女だと思われる女からの鋭い質問に対してどう答えるかを。


(面倒ですねぇ。私は真実しか口に出せないので嘘はつけないんですが、誤魔化してもバレそうです。

 はぁ。本当に勇者に連なる者たちは変なとこに鋭くて、ホントに厄介極まりない。)


考え抜いた末、セフェレアは最も簡潔でかつ、これ以上聞くなと言う雰囲気を出せる答えを返そうとした。


「それについてはお答えできかねます。」


と。

そんなときだった。


「セフェレア。君はここで無理矢理働かされているんじゃないのか?君は魔種ではないだろ?なら魔王につかえているのはおかしい。俺たちは魔王を絶対に倒す。だから一緒に聖都ヘ帰ろう」


確固たる様子で勇者が言ってきたのだ。

セフェレアは驚きを隠せず、歩みを止めてキョトンとしてしまった。


(コイツらは一体何を言っているのでしょう?「魔王を倒す」?無理に決まっているじゃないですか。)


その様子に何を勘違いしたのか、ヴラカスたちは更に言い募り始めた。


「な、あたってるだろ?やっぱりな。君はここにいるべきじゃない。俺達と帰るべきなんだよ。」


「アンタ……そうだったの?

 さっきはホントにゴメン!そういうことなら、ヴラカスの言うとおりアタシ達と来るべきよ。」


「そうです。聖都ヘ一緒に帰ってサクレ様のとこに行きましょう?あの方ならきっと貴女を導いてくれます!」


などと勝手にほざいている。

セフェレアは我慢できなくなり、その小さな体を怒りに震わせながら勇者たちの方へ向いた。


 ―――――――――――――――――――――――――


ヴラカスたちは、急にくるりとこちらを向いたメイド、もといセフェレアの体が小刻みに震え、葡萄色(えびいろ)の瞳に激怒を宿しているのを見て、口を閉ざす。


「私は心より魔王レナトゥス様にお仕えしております。

 勇者様方にご心配をおかけするようなことではございませんので、それ以上我が主を侮辱するのはご遠慮願いたく存じます。」


とハッキリと明らかな敵意が込められた声で告げられた。

セフェレアからは骨の髄まで震えだすほどに濃密な怒気が滲み出ている。

ヴラカスたちがあまりにも予想外なセフェレアの様子に戸惑い、怒気に震えていると、不意に声がした。


「どうした、セフェレア。」


その声がした瞬間、セフェレアから溢れ出ていた怒気が少しだけ緩んだ。

声がした方向に目を向けると、そこには15歳程に見える少年が立っていた。





ブクマ、評価ありがとうございます!!

引き続き、よろしくお願いします!

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