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魔王様の万能メイド、実は正体は〇〇でした!  作者: 犬前 狼花
3章 魔王様、聖都にて
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8,聖都より一時帰還(3)

半分くらい説明のようになってしまったかもです…



襲いかかってっくる瘴気塊たちを物ともせず、保管庫にある物に積もった埃を風で巻き上げ燃やしていく。

しかし、広い上に様々なものが雑多に置いてあるせいで全く終わる気配がしない。


セフェレアが思わずため息を吐いた瞬間だった。

一瞬気を抜いた隙に一際大きな瘴気塊に背後に回られ、体に巻き付いてセフェレアの動きを封じてしまった。


「…!」


急いで魔法を使うも、レナトゥスの魔力から生まれているためか魔法の効きが悪い。

そうこうしている間にも瘴気塊はどんどん体に巻き付きセフェレアを取り込んでしまおうとする。

レナトゥスに助けを求めようにも、研究に没頭するか、惰眠を貪っているかの彼に念話は通じないだろう。

とりあえず魔法使い続けるが、やはり、あまり効いているような手応えは感じない。

体を捩っても瘴気塊はその動きに合わせて体を這い回る。


「ああもう!!」


まとわりつく瘴気塊を掴んで引き千切ろうとするが、スライムのような個体のため千切られた部分から分裂して更にひどく動きを封じられてしまう有様だ。

じわじわ体を侵食されつつ、効かない魔法を使ってどうにか押し止める一進一退の攻防を続けるしか無い。

そこでセフェレアはあることを思いついた。

瘴気塊の体を空間魔法で抉り取ってしまえばよいのではないか?

早速実践してみる。


果たして、空間魔法で瘴気塊を抉り取る作戦は普通の魔法を使うよりは効果はあった。

空間魔法はかなりの魔力を消費する。

しかし、セフェレアのそれはレナトゥスの魔力を流用して使っているため彼女自身に影響は殆ど無い。

そして、使っていればそのうちレナトゥスが異常に気づいてくれるだろう。

普通の魔法を使っていたときよりは楽に一進一退の攻防を続けつつ、レナトゥスが早く気づいてくれるのを待った。




 _________________________




時は少し遡り、サクレに返事の手紙を送った後。

自室に戻って鍵を閉めると、念話やらの煩わしい通信手段になりそうなものは全て遮断した。

セフェレアは心得ているから放っておいてくれるだろうが、サクレや他の奴らはそうはいかない。

せっかく趣味に没頭できる時間を確保できたのだ、邪魔されてはたまらない。


(…浄化の式をもう少し改良したい)


トァブの浄化を行った際にも感じていたが、やはり浄化の精度に納得は行かない。

やるなら完璧を目指したいレナトゥスからしてみれば、"苦手”というのは妥協の理由にはならないのだ。


式を改良する算段を立てつつ自室のベッドに横たわり、トァブのから取っておいた浄化前の魔力のサンプルを空間から取り出した。

まずは、魔力の質をしっかり見極めていく。

あの時は時間がなかったためじっくり見ることができず、結構強引に浄化したのだが、今はゆっくり解析することができた。


そしてわかったこと二つ。


まず、トァブの変魔は必然的であったようだ。

変魔は魔力を使うことで発生する澱が魔力を放出する回路を歪めることで発生する。

例えるなら、物を燃やすと発生する煤のようなものだ。

この澱は休息を取ったりするなど、ストレス発散の要領でなくすことができる。

トァブは武闘家(モンク)で、あまり魔法とは関係がないように思えるが、彼自身も無意識のうちに身体強化の魔法を常用していたことと、旅による疲労で澱の消化が間に合わなかったのだろう。


もう一つは、人為的なものであるかもしれない、ということだ。

もちろん、上記の要因も大きいのだがそれにしたって変魔の速度が早い。

普通、変魔というのは一年ほどかけてどんどん進んでいく。

魔力が扱いづらいなど自覚症状が出るのはその初めの段階で、変化が始まってから1、2ヶ月ほどのはずなのだ。

しかし、トァブの変魔はオリアスに着いてから急速に進んだのだ。

何かしらの要因があってもおかしくない。


魔力の解析はできたが、式を改良するための手がかりにはならず、レナトゥスは少しがっかりした。


気を取り直して、今度は自分の術式の解析、改良に移る。

かなり昔のことだがサクレが浄化しているところを見たことがあった。

その時サクレが使っていた式を思い出しながら空中に描いてみた。

式自体はとてもシンプルであり、効率的だがそれはサクレが使う場合の話だ。

レナトゥスは自分が使った式をサクレのもの見比べ、改良していく。


魔力を流す回路の組み方、式に使われる模様。

組み合わせが少し変わるだけで効果が全然違ったものになるがとても面白い。


様々な組み合わせを試しているうちに、レナトゥスは異変に気がついた。

自分の魔力がものすごいスピードで削られているのだ。

自身は式を描いているだけなのでほとんど魔力は消費していないため、セフェレアが空間魔法を使っているのだろうが、それにしても減る速度がおかしい。


『セフェレア?お前、そんなに空間魔法使って何してるんだ?』


とりあえず念話を飛ばしてみるとセフェレアの焦った声が聞こえた。


『あっレナトゥス様!?ちょっと助けてください、保管庫で瘴気塊に捕まってしまいまして!』


『はあ!?』


急いで保管庫に行くと体中に瘴気塊がまとわり付いたセフェレアが苦しそうに身を捩っていた。

セフェレアを通して瘴気塊に自身の魔力を流し、消滅させると、開放されたセフェレアを抱きとめた。







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