第一章 華麗なる自殺計画
二作目です。私が6年生の時に同じような状況下に置かれ、妄想した話です。多少うざいかもしれませんが、何卒よろしくお願いします。
もう死んじゃおっかな。
そう思ったことも少なくない。
6年後期から成績伸び悩んでるし。
取り柄ないし。
中学受験なんてしたくないし。
だいたい生きて塾行くだけの生活なんて意味あんの?
本当に死んじゃおっかな。
栗原薫一なんて、儚くこの世から消えてしまえばいいんだ。
そんな感じで毎日が虚ろだった。
…唯一楽しみなことがある。
塾の人気者、野崎絵那ちゃんに会うことだ。
もちろん、プライベートで会うわけではない。
だが、塾で女の子には優しく接して、男の子には顔を近づけ下の名前で話しかける絵那ちゃんは嫌いじゃない。頭の中に、学習したことと親切と平等しかなさそうに見える。
塾も学校も同じクラスの北村なんて、学校では
「好きな奴なんていないし。」とか言ってるくせに、塾では、絵那ちゃんに話しかけられるだけでデレデレになっている。
そんな姿を見て、思わず吹き出してしまった程だ。
俺の絵那ちゃんへの気持ちは、みんなほど強烈ではない。
ただ、横に居てもらえるだけで、何となく幸せになれるだけだ。
絵那ちゃんのおかげで仲がよすぎる塾のクラスは、なんとXmas前にスキーに行くことになった。
出費は各家庭からだが、親も気前がよく、簡単に出してくれた。
もともと塾に行かせるくらいだから、お金もあるのだ。
俺はそこで自殺する計画をたてた。といっても、そこまでおおっぴらにはやらない。
「トイレ行ってくる」と言って、そのまま雪に埋もれていればいい。
いつしか身体は冷たくなって、帰る場所は違うところになるだろう。
でも、さすがに死体が捜されないのは俺でも寂しい。、と思うたびに、絶対に心配してくれる絵那ちゃんを有難く思うのだ。
これも一種の恋心なのかな。