第2話SS モンスター・パニック〜冒険者サイド〜①
第2話のサイドストーリーです。
こちらはタイトル通り、冒険者サイドから見たモンスター・パニックです。
どうして、主人公の元へライルが駆け込んできたのか等描いていきます。
ダンジョンとは、ダンジョンコアから発生した異空間。
そのコアから放たられ魔素を養分とし、モンスターや資源が生成される。
だからこそ、学者は『ダンジョンは生き物である』と明言するのである。
そう、ダンジョンは確かに生き物なのだ。
ダンジョンにはダンジョンマスターが存在しており、ダンジョンを日々成長させているのである。しかし、その事実は魔人族以外知ることはなかった。なぜならば、ダンジョンコアまでたどり着いたものはほんの一握りの英雄のみだからである。
話は戻るが、ダンジョンにはたくさんの資源や素材がある。地形からは資源が。モンスターからは素材が。
今日も又、たくさんの冒険者がいろいろなダンジョンに潜り冒険を繰り広げているのであった。
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ダンジョンにはランク分けがあり、初級・中級・上級。そして奈落。それぞれのランクに挑むためには、それに伴った冒険者ランクにならなくてはならない。
ここにもそんなダンジョンに挑む者たちがいた。
「ねぇ、今日のダンジョンさぁ、なんか重々しくない?」
何やらダンジョンの異変を感じた弓使いで獣人の少女ミリア。周辺を見渡しながら頭の上にピンと立てた耳を動かして気配を探っていた。
「気のせいだろう?特に変わった感じはしなかったけど。」
ミリアの問いかけに人族の剣士カイルが訝しげに答えた。
「お前らぁ、あんまり無駄話してんなよ?あと二階層登れば出口だ。それ前でなにかあるかわからないからな?気ィ抜くんじゃねぇぞ?」
コソコソと話し合う二人に、彼らを引率指導しているライルが気合を入れ直す。
「は〜い」
ミリアは若干納得の行かない表情で答えた。
「すみませんライルさん。ミリアには後でキツく言っておきますので。」
苦笑いをしながらカイルはミリアの腕を引っ張ってライルに頭を下げた。
「お前も気苦労が耐えないな?カイル。」
ライルもなんとなく状況を察したようで、カイルの頭をくしゃくしゃと撫でた。
「カイルだけじゃないですよ。僕も被害者ですからね?」
そんな会話を聞いていた魔法師のジェイクも辟易した表情をしていた。
「ジェイクもか。それよりミリア、なにか気になることでもあったのか?」
やはりミリアの表情が優れないので気になったライルはミリアに訪ねた。
「う〜ん。ライルさん。うまく言えないんだけど、ここにいちゃ駄目だって感じがするんだよね…」
いまいち自信が持てないようで、自信なさげのミリア。ライルはこのまま進むと事故になりかねないと感じ全員に小休止を指示した。
ライルの指示でカイルはジェイクと盗賊のジェイダに休憩場所の確保と準備をお願いし、自分は周辺警戒を行うのだった。
休憩から数分たったころ、ライルは少し考えを巡らせ、気合を入れてパーティーメンバーに告げる。
「そうか…。よし、カイル急いでここを出るぞ!!」
「どうしたんですかライルさん?!」
突然の指示に、カイルは驚きライルに真意を確認した。
「イヤな、獣人族は得てして感覚が鋭くてな。そのミリアが嫌な予感がするって言うからな。念には念を入れておこうって話だ。」
そう答えたライルはミリアを指差し肩をすくめて見せた。
「分かりました。ジェイク!!ジェイダ!!聞こえたとおりだ、今から3分後に出発しよう!!」
カイルはジェイクとジェイダに移動の指示を出した。
「了解。ジェイクそっちのアイテム類しまってくれ。」
「じゃあジェイダ、地面のならしとかお願いね。」
ジェイクとジェイダの双子は息もぴったりに行動を開始した。
全員の行動を確認したライルだが、何かいやな空気を感じ始めていた。
「何事もねぇといいんだけどなぁ。」
そうライルは一人ごちるのだった。
ここまでお読みいただきありがとうございます。
いかがでしたでしょうか?
早々にダンジョンの秘密を明かしてみました。
ダンジョンはこれから先のストーリーにかかわってきます。
小話ですが、ダンジョン攻略をなぜしないのかと疑問があると思います。
それは…攻略すると消えてなくなるからです。
魔人族がなぜダンジョンマスターの存在やダンジョンの成長について知っているか。
これまた後半戦でつながりますので、それまでお待ちください。
(伏線回収できるか不安…)
誤字・脱字等ございましたらご報告いただけると幸いです。
感想・評価・ブクマいただけると作者は頑張れます。
では、次回をお楽しみください。
※ほかにもちょい読みシリーズ他作品掲載中です。頑張って毎日掲載しています。