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セフィロトの書〜賢者は賢者と知らない  作者: 華音 楓
プロローグ
5/103

第2話 賢者は魔法薬を作る④

カランコロン


「レイアスいるか?」


 店舗の入り口にはガタイのいい、厳つい男性がたっていた。


「デリスさんお疲れ様です。現場は良いんですか?」


 男性の名はデリス。この街の冒険者ギルドのギルドマスター。今回の件の依頼者でもある。


「あぁ、ダンジョンは落ち着いたし、けが人の治療も終わった。本当に助かった。お陰さんで死人ゼロ。後遺症者も出なかった。恩に着る。」


 デリスはそういうと頭を下げた。その姿勢からは本当に感謝している事が伝わってきた。


「頭を上げてください!?困りますよ!?」


 レイアスは慌ててデリスに頭を上げてもらった。レイアスとしては当然のことをしたまでで、誰かに感謝されるために行ったことでもなく、後日料金請求をする為あくまでも仕事であると思っていた。


「代金については後日、ギルドと領主館から支払いがある。アルトの奴も感謝してたぞ。」


 デリスはにやりとしながら、料金精算について説明してくれた。


「うえぇ〜。領主様からの感謝は要らないですよ。面倒くさい。」


 レイアスは本当に面倒だと思い顔を顰めていた。

 アルトというのは、この街を統治している領主様である。爵位は子爵で、名を〈アルト・フォン・シャロン〉。

 なお、この地域を統括している〈ロイス・フォン・ガリウス〉辺境伯の実弟でもある。


「そう言ってやんな。今回の件で領主が感謝を贈らないと、色々面倒になるかなら。黙ってもらっとけ。」


 デリスは苦笑いをしながらレイアスに伝えた。


「他人事だと思ってぇ〜」


 レイアスは本当にいやそうな顔でそう答えた。


「じゃあ、伝える要件も伝えたし、俺は戻って書類と格闘だ…。誰か変わってくれんかねぇ。」

「やりませんよ?」


 デリスは冗談交じりにレイアスに視線を向けて笑った。レイアスはいつものことのように、そっけなく答えたのだった。


「じゃあ、またな。」

「お気をつけて。」


 数分お茶を飲みながら今回の顛末を確認し、デリスは帰宅の途に就いた。


「さてさて、今日はとんだ日だったね。日も落ちたし、今日は店仕舞としますかね。」


 デリスのが帰った店舗では、レイアスが作業台や使った道具などを丁寧に片づけをしていく。さすがのレイアスも疲れてはいたが、どこか晴れ晴れとした印象を受ける表情をしていた。


「明日は平和だといいな。」


 この言葉がレイアスの紛れもない本心であった。

ここまでお読みいただきありがとうございます。


第2話終了です。

何故、主人公が雑貨屋を営んでいるのか?

タイトルとどうかかわるのか。

そして、どうして戦闘シーンがないのか。

全ては後半で明らかになります。

それまでだいぶ先になりますがおつきいただけると嬉しいです。


誤字・脱字等ございましたらご報告いただけると幸いです。


感想・評価・ブクマいただけると作者は頑張れます。


では、次回をお楽しみください。


※ほかにもちょい読みシリーズ他作品掲載中です。頑張って毎日掲載しています。

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