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セフィロトの書〜賢者は賢者と知らない  作者: 華音 楓
プロローグ
4/103

第2話 賢者は魔法薬を作る③

 カランコロン

 

 あらかた移し替えが完了した頃、店舗の入口ドアがそっと開けられた。どうやら来客のようだった。


「ごめんください。レイアス雑貨店はこちらでいいんでしょうか?」


 入り口には見ない顔の十代くらいの女性が恐る恐る確認するように訪ねてきた。


「いらっしゃい。レイアス雑貨店はここで間違いないですよ?でもごめんなさい。来てもらって悪いんだけど、緊急な用事で今日は店じまいなんだ。」


 レイアスは申し訳なく思いつつ、彼女に店じまいであることを告げた。そのまま帰るよう促そうとしたが、彼女は慌てながら背負っていた大きな鞄を床に降ろした。


「いえ、ギルマスから薬草類を届けるように言われたのでお持ちしました。」


 ギルドにはちゃんと伝言が伝わったようで、思いの外すぐに集まったようだ。


「それは丁度よかった♪そこの台に置いてくれるかな?」


 レイアスはカウンター脇の台を指差し彼女に鞄の移動をお願いした。


「それじゃあ、検分させてもらうね。」


 台の上に順番に薬草類を出してもらい一つ一つ品質確認と選別を行っていく。


「うん、全て上物だ。これだけの品質のものを集めるの大変だったでしょう?」


 ここに並べられている殆どの薬草が高品質で、必要数が揃っていた。これほどの物を短時間で集めるには、かなりの無理があったはずだ。


「いえ、ギルドの在庫と薬師協会の在庫で何とかなりました。念の為、キルドから緊急要請で薬草類の採取依頼も出てますから。」

「そうか…じゃあ大丈夫そうだね。」


 どうやらギルマスは要請に応えてくれたようだった。


「あ、そうだ。出来上がった分のポーション、運んでもららっていいかな?それと、あと30分後にもう一度残りの引取も頼めるかい?」


 レイアスは台の上に置かれた薬草類を片付けながら女性へ依頼を行った。


「分かりました。現場には私の方で運びます。残りの移送もすぐに手配します。」


 女性はそう言うと耳に手を当て誰かと話をしているようだ。おそらくパーティーメンバーへの連絡の為、念話をしていたのだろう。


「それじゃあ、お願いします。これから残り分の作成に入るから。あ、出来上がったポーションはそこの箱ね。」


 レイアスは女性の念話が終わるのを待って、ポーションのある場所を指差し場所を教える。


「分かりました。それでは私は失礼します。」


 数分後女性のパーティーメンバーが二人やってきて3人でポーションの入った箱を担いでいった。


「それじゃあ、張り切って作りますか。」


 レイアスは誰もいなくなった店内で気合を入れなおし作業を開始した。

 それから30分後すべての作業を終えたころ、先ほどの女性がメンバーとともに残りのポーションを取りにやってきた。


「ふぅ、やっと終わった。これで一段落かな?」


最後までお読みいただきありがとうございます。


誤字脱字等ございましたら教えていただけると幸いです。

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