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セフィロトの書〜賢者は賢者と知らない  作者: 華音 楓
プロローグ
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第1話 賢者は新世界へ

この物語は作者が「物書きを頑張ろう!」と思い、書き始めたものです。

まだまだ拙い点が多いと思いますが、どうぞ生暖かいジト目で応援ください。


そして、気に入っていただけるよう、頑張って書き続けます。


では、新たな物語の開幕です。

心行くまでお楽しみください。

 俺の名は天澤零〈あまざわれい〉

 

 つい最近まで、ごく普通のサラリーマンをやってた。

 今日も、突然課長から深夜に呼び出されて会社に向かった。理由は、納品した製品でトラブルが発生したらしい。しかも、翌日までに対応を完了させなければならなくなった。そして、クレーム処理が終わったのは、対応期限ぎりぎりだった。

 俺は、覚束ない足取りで何とか帰宅のとについた。あまりにも疲れ過ぎて、朝飯を作る気力もなかった。諦めてコンビニにで弁当を買った。

 俺が、交差点の信号に向かって歩き始めた時だった。そうしたらなんと、トラックが信号無視で交差点へ突っ込んできた。

 その時、交差点の横断歩道には一人の小学生がいたんだ。周りからは、叫び声が聞こえてきた。その子は驚きすぎたのか、横断歩道で固まってしまって動こうとはしなかった。俺は子供を助けようと、必死だった。慌てて交差点へ飛び込んで、その子を突き飛ばした。しかし、トラックは俺のすぐそこに迫ってきていた。

 そして俺は、トラックに轢かれた。


-----------------------------------


「いってー!!ってあれ?痛くない?」


 俺は、慌てて周りを見回した。そこは、見たことの無い部屋だった。本棚がたくさん有り、それでも入り切らない本が、その辺に高く積み上がっている。呆けながら周りを見回していると、一人の少年と目があった。少年は俺に気がつくと、読みかけの本をテーブルに伏せこちらへ近づいてきた。


「やあ、いらっしゃい。神界へようこそ。」


 少年は、なんとも言えない気怠げな表情で話しかけてきた。


「あんたは?」


 俺はとっさにその少年を警戒しつつ確かめてみた。


「僕?僕は神様さ。」


 神と名乗る少年は何でもないようにそう答えた。その答えに、俺はなんの疑問も持たずに納得してしまった。


「じゃあ、俺は死んだのか?」


 なぜ納得したかはわからない。でもそうだと思ってしまった。


「そうだよ。 君は死んだんだ。」


 神様は悲しそうに答えてくれた。


「そうか、死んじまったのか。なぁ、俺これからどうなるんだ?」


 これから先どうなるのか。なぜここのいるのか。全くわからなかった俺は神様に確かめてみた。

 

「まずは、『なぜここにいるのか?』の説明だね。この部屋は【世界の狭間】。あまたある世界の理の外にある世界といえばいいのかな?存在しているけどしていない。そんな世界だよ。そして寿命や病気以外の定められていな魂の一定数がこの場所へ引き寄せられるようになってる。」


 神様は指を二本たて説明を始め。


「そして、君には二つの選択肢があるよ。」


 神様は俺に指を一本立てながら説明を続けた。


「一つはこのまま輪廻転生の輪に入ること。これは今までの自分をリセットしてこの地球の新たな生命として生まれ変わるんだ。」


 神様の説明に俺は頷きかえした。

 そして、改めて二本の指を立てて説明を続けた。


「もう一つは異世界転生。これは今までの自分の記憶・経験をそのまま引き継ぐ代わりに、この地球ではない別の世界で生まれ変わる。」


 神様の説明の後、ふと気になった。よく、ラノベの転生モノで異世界転移とかあったと思うけど、あれはないのかと。


「あ、最後に異世界転移ってのもあるけど、これにも条件があるんだ。一方の世界が必要であると判断した時、別の世界でと交渉して生きたまま転移させるという契約を結ぶ。それが、勇者と呼ばれる存在だね。これに関しては君は無関係だから気にしないでいいよ。」


 俺の考えを知ってかどうかわからないが追加で説明をしてくれた。

 そして、神様が教えてくれた選択肢。それは願っても無いチャンスだった。サラリーマンをやって、面白くもない仕事して、趣味という趣味もなく、ただ流される日々。そんな人生が嫌になってきていた。

 だから俺には迷いはなかった。


「そうか…じゃあ、異世界転生にしてくれ。この世界に未練はないけど、まだ生きていたいって願望はあるから。それに聞く限りだと、輪廻転生したら、それは俺と言えるのかわからないからな。」


 そう、地球に未練はなかった。ただ悔やまれるのは【楽しめなかった】事だ。だから俺は俺として生まれ変わり、次の人生を全力で楽しむと決めた。


「わかったよ。それじゃあ、異世界転生の儀式を執り行うね。そこにある魔方陣の真ん中に座ってもらえるかな?あと、儀式中は魔方陣から出ないこと。君の存在を作り変える儀式だから、途中で出ちゃうと存在そのものが消滅しちゃうから。」


 神様は右手人差し指を立てながら儀式の注意点を押しててくれた。というより、消滅したくないから絶対に動かないと心に誓ったのは内緒だ。


「わかった。中央に座ればいいのか?」

「それでいいよ。」


 神様から示された先には、大きな魔方陣があった。だが、さっきまでそこには本棚があったはず。やっぱり神様なんだなと実感してしまった。俺は言われるがまま魔法陣の中心まで進みそこへ腰を下ろした。


「じゃあ、宜しく頼む。」

「OK任された。」


 神様は問題無いと、気軽に答えてくれた。どうやら顔が強張っていたみたいだ。


「じゃあ、始めるね。」


 そう言うと神様はいつの間にか持っていた、青白く輝く杖を両手で掲げ、詠唱を始めた。


《我は願う。彼の者の祝福を。》


 俺の周りには光の渦が巻き起こり始め、そして光の渦に包まれた。光は暖かく、心地よい眠りへと誘う。


《悠久より紡がれし生命の息吹よ。セフィロトの名において、彼の者をその理より解き放つ。生命の息吹よ。彼の者の名をレイアスとし、新たなる輪廻へと紡がん。さあ、生命の息吹よ!!彼の者に大いなる祝福を‼》


 神様の詠唱中に俺の中から何かが出ていき、そして新たな何かが入ってきた。それが何かはわからない。でも、世界に関する何かだったのだとなんとなく思ってしまった。


「よし、これで完了っと。」


 詠唱が終わり、少し疲れたのか、神様は袖で額の汗を拭っていた。そして優し声で俺に話かけてきた。


「君は一回おやすみなさい。起きたときには君は新たな人生のスタートだよ。」


 俺の記憶はここまで。おそらく気を失ってしまったようだ。


ーーーーーーーーーーーーーーーーー


「ごめんね、巻き込んじゃって。君にはこれからたくさんの苦難が巻き起こると思う。だからこそ、折れないでほしい。曲がらないでほしい。君は僕らの希望だから。」


 誰もいなくなった魔法陣に向かって神様は呟いた。

 そして、どこからともなく吹いた一陣の風。その後には神様の姿はなく一冊の本だけが残されていた。

 その本のタイトルは


【セフィロトの書】


 またの名を


【全知全能の書】


 その本を手にした者は世界を手にするとも、神にもなれると言われており、その争奪戦が各地で繰り広げられていた。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 この物語はそんな争奪戦とは無縁な生活を送る賢者の物語である。賢者は己が賢者であることを知らず、ただただ己の趣味に没頭し、面白おかしく生きることをもっとうに日々生活をしていた。そんな賢者のもとには、日々様々な人々が訪れ、相談しては帰っていった。

 そしてまた誰かが訪れたようだ。

 今度はどんな相談なのだろうか。

 それでは物語のはじまりはじまり。

ここまでお読みいただきありがとうございます。


第1話はどうでしたでしょうか。

ありきたりなテンプレ的スタートではありますが、物語後編でなるほどって思っていただける内容にしてあります。

それまでは意味わからないってなるので、ご容赦ください。


誤字・脱字等ございましたらご報告いただけると幸いです。


感想・評価・ブクマいただけると作者は頑張れます。


では、次回をお楽しみください。


※ほかにもちょい読みシリーズ他作品掲載中です。頑張って毎日掲載しています。

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