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空へ堕ちよう、天使のくちづけとともに。  作者: 炊きたてごはん
2.インタステラハイスクール
25/32

夜更けの悪戯

「寝てない?」


当たり前のようにセラブルがやってきたので驚いた。


「いや、寝ようとしてたところなんだけど」


俺は起き上がり、枕元の明かりをつけた。


「良かった」


そういうと当たり前のようにベッドに侵入してきた。

俺を押し出すようにセラの足と腰が俺の体をつつく。


「ちょっ、ちょっと待て、セラ。何も良くない。なんで一緒に寝ようとしてるんだよ」


「前一緒寝た。説明終わり」


「始まってもないし、終わってもないよ。とにかくベッドから一旦出て」


渋々といった調子でセラブルはベッドから出て、ソファに座った。俺は頭を抱えてその横に座る。横並びになるのは間違いだった気もする。なんとも気まずいものだ。


「セラ、俺は頭の中がぐちゃぐちゃなんだ。一人にしてくれ」


「オールのこと、私たちに任せて。明日オールが受けた傷の凶器、魔法の解析結果がわかる。私たちの仕事はそこからが本番」


「そうか。少しでも進展するなら良かった」


「解析も大変。魔力痕の有無、力の強さ。全部炙り出す」


だから、といって俺の肩に寄りかかるセラ。


「お、おい、どうした」


「最近特に疲れてる。オールの件、私たちも他人事じゃない。天使が狙われている可能性、ノア狙われてる可能性。全部考慮して警戒してる」


「セラがオールのために、俺たちのために頑張ってくれてるのは痛いほどわかる。本当にありがとう」


「そう。わかってくれるノア優しい」


セラが少し微笑む。

そして俺の顔を上目遣いで覗き込み、言った。


「疲れてる。だから癒されたい。・・・今だけ」


「セ、セラ・・・?」


その時、セラブルの情報が強烈に流れ込んできた。

体温、匂い、息づかい、美しい相貌に濡れた瞳。

昔から一緒にいた天使。いつの間にか一緒に成長していた。こんなに近くでマジマジと見つめ合うことなんて無かった。こんなに美しかったんだ。セラの魅力に、抑えきれない自分の中の欲望を感じる。

少し早まった息づかいが近づく。

柔らかい桜色の唇。少し濡れている。セラが俺の頬にそっと触れる。俺は抵抗しない。

なすがまま、ゆっくりと応えるように目を瞑る。


「アランくん?起きてます」


ドアがノックされ、俺とセラはギョッと反射的に離れる。


「ッア・・・ミルッ」


俺はつい声を出してしまった。

セラが焦って俺の口を手で押さえる。


「あ、起きてますか?ちょっとだけいいですか?」


まずい。こんな状況見られたら、セラと一緒にいるのがバレたら、殺されるに決まってる。

アミルは基本的に真面目な性格だ。学校をサボったら怒るし、オールとのデートもやたら警戒された。

セラがシーっと指を口に当て、俺の耳元でいくつかの伝言を伝えた。その後ドアの横に背を預け、OKサインを出す。俺は頷いてゆっくりドアを開いた。


「ど、どうした、アミル?」


「ごめんなさい、寝る前でした?なんだか頭の整理が色々つかなくてお話」「よし、少しだけ話そう」


俺はアミルの肩をだき、部屋に引き入れる。

「え?え?え?」

俺が横に立つことでアミルからセラは死角になって見えない。

そのタイミングで、セラは音もなくドアから出ていく。

「ちょ、ちょ、ちょ・・・」

「とりあえずそこのソファに座」らせようとした瞬間に俺は気づく。セラの匂いと温もりがまだ残っているかもしれない。

マズイ。勘繰られてしまっては面倒だ。

この中で俺の匂いが一番するところは案内しなくては。

「アミル!やっぱりこっちだ!」

「え?えええ?」

そうしてアミルをベッドに誘導するが、勢い余って押し倒すような形になってしまった。


「ひゃ、あ、アランくん、ちょっといきなり・・・!」

顔がロゼの翼と同じくらい紅くなっている。

「い、いや、そういうわけじゃ・・・」


「二人とも。何してる?」


ドアの外から声がして、俺とアミルはギョッとした。

セラがすごく冷ややかな目でこちらを見ている。まるでさっきまで何も無かったように。今通りがかりましたよと言わんばかりに。どういう感情でそんな表情をしてるんだ。


「いや、セラ、これは違うんですよ!私はそんなつもりじゃなかったんですが、アランくんが!」


「ちょっと待て!俺も誤解だ!」


セラは少しだけイタズラっぽく舌を出して、そのまま去っていった。

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