古屋の蔵書
昼下がりの街をあてもなく歩いていると、駅に着いた。どことなく選んだ路線に乗り込むと、気づけばオルガンス島に繋がっていたレバーレッジ橋に辿り着いていた。思わず苦笑してしまった。
そう言えばオールは時間があった時、なぜかここにいたと言っていた。
まだ花の香りがするこの場所でいったい何をしていたのだろう。
俺はパロマさんの小屋に向かい、古びた木製の椅子に腰を下ろした。
見上げると、天井がなく、わずかに橙かかった空が見えた。
もうすぐ夕焼けだ。
その時、一迅の風が吹き、何かが頬に優しく当たった。
足元に落ちたそれを見ると紫色の羽だった。
「オールの、羽?」
何故こんなところに羽があるんだ。俺は慌てて辺りを見回したが、誰もいない。
ふと目がいった物がある。古びた本だ。スカイシティについて書いてあるものらしく、ところどころページが雨に打たれたせいかカサカサになっている。
俺は本を取ってパラパラとめくると、思わず目を見張った。ページの真ん中がごっそりと切り抜かれ、中に折り畳まれた厚紙が入っていた。
俺はそれを慎重に開くと、大きな地図になっていた。
「ブルーキャノピーの全体図か?」
一目で分かった。この国の全体図が立体的に描かれている。
そしてスカイシティから広がる島まで余すことなく。
だが、これは珍しい地図だった。この国の全容を捉えた地図など滅多に見たことがない。
「けど、なんでこれ、こんなまどろっこしい保管をしてるんだ?普通に置いておけばいいのに」
そう、わざわざ本を切り取って隠しておく必要などない。
俺はとりあえず地図を折りたたんで本に閉まった。
元に戻して数秒。
俺はふと気づいた。見渡すと本は何十冊もあった。タイトルを見てみると、星とは関係のないものもいくつかある。
そう、昔に比べて明らかに何冊も本が増えている。
そして、手に持った紫色の羽を見てさらに気づく。
「これ、本の栞だったんじゃないか?」
すると、他の本の中にも-----。
それに気づくと俺は急いで他の本も漁った。




