幕間:あるモブ
突然だが自己紹介だ。
僕の名前は惣田菜真。
ソーダサイダー、或いは惣菜と呼ばれる。
僕のクラスには美少女が沢山いる、腐るほどに。いや、腐ってるのは相対的にモブと呼ばれる僕らのことなのだが。
ともあれ、最近だが綾辻真子が活発だ。
磯谷直也と呼ばれる少年へとアタックが激しいのである。彼はかなり迷惑している様子なのだが一顧だにしない。
さて、僕からの見解だ。
結論からいうと、綾辻真子は少年に好意を抱いている。思わせ振りな行動が多くて分かりにくいが、本人は自分の気持ちにかなり無自覚だ。
ゆえに、どうして彼にアタックしているか、どうして話しかけるかも恐らくわかっていない。
他の男子たちからの怨嗟が凄い。
ああ、直也くんだが目付きの悪さを抜けば良い人との評判だ。これはクラスメイト全体の評価であり、彼を無闇に邪険に扱えないのはこれが理由である。
何気なくクラスメイトを手伝ったり、黙って掃除当番を引き受けたり、怪我した人を保健室まで運んだり。
かなりのお人好しだ。
綾辻も、そこに惚れ込んでいるのだろう。
しかし、そんな彼にも害なすヤツはいる。
そろそろ動きもあるだろう。
はてさて、これからどうなるのやら。
茶番でしたね。お付き合いさせてしまったのが申し訳なく感じます。
次回へ続きます。