1-7 合同実習その3:英雄
転移されたナタクは崖の上に立っていた。
「おぉ?」
崖側を見ると、海が広がっていた。
「島の端っこからスタートってことか」
島の内地の方を見ると、遠くに山が見える。地図を広げると、間違いなく見える山が目的地のようだ。
「あそこか。遠いなぁ。めんどくせぇ」
気だるげにポケットに両手を突っ込んで歩き出すナタク。その先は生い茂るジャングルだった。
ジャングルの中は木陰もあり、暑さは酷くない。やや勾配はあるが、そこまで急ではない。ナタクは所々で果物を回収し、食べながら歩き続けていた。
「そろそろ2時間経つか?時計忘れたのデカかったなぁ」
現在ナタクは果物をシャクリと噛みつきながら、大きな樹の枝の上に立っている。現在地を知ろうと登ったのだ。そして一番上まで登る。
「あぁ~……まだ1/3に届くかどうかって感じだな。飛ばされた時間を考えると、今は10時位か」
ナタクは地図を広げる。ありがたいことに自分が最初に飛ばされた位置は判明した。元の場所を考えて距離を目測で測る。まだまだ山までは時間がかかりそうだった。
「どうすっかねぇ。どこまで近づくか」
まだ昼にもなっていない。別に上位を狙ってはいないが、失敗したらそれはそれで面倒になる気がする。
「まぁ、行ける所まで行くか」
地図を仕舞って、また両手をポケットに入れたまま、グッ!と足に力を入れて一気に飛び上がる。10mほど飛んで次の樹に飛び移る。それを数回続ける。そして1時間ほどでジャングルを抜ける。
ナタクはジャングル際の大き目な樹の上側の枝で座って、のんびりと寝転がる。
「これで半分くらいか。流石にすぐにはここまで来る奴は少ないだろ。後は……山だな。入り口はここからじゃあ見えんなぁ。地図にもそこまでは書いてない」
森を抜けて半分まで来た。しかし、山を登る道はまだ確認できない。入り口が反対側の可能性もある。
そしてもう1つ。
「あの英雄様がどこにいるか」
どちらかは分からないが英雄がいるとしたら山の入り口当たりだろう。目に見える範囲では見当たらない。
「出来れば魔法を使わせてから行きたいが。それは全員が考えることか。……ゆっくりと回っていくか」
そしてナタクは樹の上を再び跳ねて回っていく。そうしてまた1時間ほどして山の入り口らしきものが見えたので、枝に寝転んでしばらく寝ることにした。
ナタクがふと目を覚ますと、空はもう暗かった。
「寝過ぎたか。さて、周りはどうかね?」
起き上がって周りを見渡すが、特に動く気配は感じられなかった。
「……まだここまで来ねぇのか?そろそろ来てもいいとは思うが」
ナタクは樹を下りて、出来る限り音を立てずに目の前の草原を歩いて進む。少し進んだ先に大きな樹が見えたので、そこを今日の寝床にすることにした。
その時、進行方向から気配を感じた。
「……英雄様だろうな。そうか。他の奴らはこれに気圧されやがったな?」
英雄はどうやらわざと気配を飛ばして、生徒達を威圧していた。それに生徒達は夜もあり、無理に攻めずにジャングルの中で大人しくすることにしているようだ。
ナタクは気配を小さくして、目標の樹に意識を集中する。それによって英雄に気取られない様にする。30分程すれば特に襲撃もなく到着した。ナタクは脚を止めずに樹を登っていく。
上の方の枝に寝転がり、そのまま眠る。そのまま日が昇ってもしばらく起きることはなかった。
朝、さっそく動き出す者達がいた。
「急ごうぜ!一気に行けば抜けられるはずだ!」
「おう!」
「行ってやるわ!」
5人ほどの男女が一気に草原を走っていく。それを見て、さらに続く者が続出した。
それをフェオラはジャングル際の樹の上から眺める。
「勢い付いてますわね。まぁ、この数で行けば魔法に制限がある英雄様お1人ならば抜けれる可能性はあるでしょうが……」
山に張られている妨害魔法は、なんと山の周囲に結界のように張られており、山肌を魔法で登ることすら出来なかった。なので、どうやってもこの草原を抜ける必要があった。
「英雄様の力を使い切って頂くと嬉しいのですがねぇ」
すると、先頭を走る生徒の前に人影が躍り出る。
そこに立っていたのはゼオフだった。
「!!」
「で、出た!!」
「ど、どうすればいい!?」
「あ、慌てるな!グレリナド様も魔法に制限がある!それに刀も持ってない!」
ゼオフは生徒達を見て、無表情で立っている。しかし妙に威圧感があり、二の足を踏む生徒達。それを見て、ゼオフはため息を吐く。
「はぁ~」
『!!』
ビクン!と肩を跳ね上げる生徒達。
「来ないのか?相手は俺だけだぞ?」
『……』
「……これで英雄を目指すとかよく言えたもんだなぁ」
『……!?』
急にゼオフの纏う雰囲気が冷たいものに変わる。それにゾクリと背筋に悪寒が走る。冷や汗が止まらなくなった。
ゼオフが右手を掲げると、掌から刀が現れる。それを握り締める。するとなんと刀で自分の左腕を少し斬りつける。パキンとゼオフの体からガラス片のような物が弾けて飛び出す。
そして生徒達を見て、ニヤァと嗤う。
「さぁ、始めよう。英雄の選別を」
『ひぃ……!?』
生徒達は背中を向けて逃げようとするが、その前にゼオフが一瞬で生徒達の元に移動する。
目を見開き、魔法をしようとするが、それよりも早く体から血を噴き出す数人の生徒。
「え……?」
「ぎぃ!?」
「う……そ……?」
「ぎゃああああ!!」
ドサドサと倒れる生徒達。刀の刃には血が流れており、それをゼオフは顔の前に掲げてベロォと舐める。
「ひぃ!!」
「うわあああ!!」
「なんで!?」
「た、助けないと!」
「無理だよ!?その前に学園長達が転移で回収してくれるよ!」
「それは無理だぞぉ」
悲鳴を上げながら逃げ始める生徒達。怪我した生徒を助けようとする者もいるが、学園長達が助けてくれるはずだと言って止められる。
しかし、その時ゼオフが歪んだ笑みを浮かべながら話し始める。
「この刀で斬られるとなぁ、体にかかっている魔法の効果を全部打ち消すんだよ」
「……え?」
「つ~ま~り~斬られたこいつらは学園長達が掛けた回数制限や転移の魔法は消えてるってことだ。自分達でどうにかしないとなぁ。英雄候補たちぃ」
ゼオフの言葉に聞いていた全員が顔を真っ青にする。その時、フッ!とゼオフの姿が霞んで消える。それと同時に近くにいた生徒達の体中が斬り刻まれる。
「ああああああ!?」
「ぎぃ!」
「ぎゃあ!?」
「あぁ……う……そ」
「いだいぃ!」
一瞬で草原は惨劇の現場に変わる。血を流し、痛みに悶える生徒達。それを見下ろしてゼオフはため息を吐く。
「はぁ~……全員英雄失格だな。この程度で怖がり、戦いを放棄する。そんな連中がよぉ……アレックス団長に憧れるとか英雄になるとかほざくんじゃねぇよ!!!」
ゼオフは目を血走らせて近くにいた生徒の腹を蹴り飛ばす。
「アレックスさんは最高の英雄だった!!あの人を超える英雄はこの世界には存在しない!!アレックスさん以外の英雄なんて偽物だ!!」
魔力を噴き出して吠えるゼオフ。
ゼオフは上司だったアレックスに心酔していた。アレックスがいれば世界は平和になると本気で思っていた。しかし、あの侵攻でアレックスは死んだ。自分がくだらない敵を相手にしている間に死んでしまった。
その瞬間ゼオフの世界は終わったのだ。アレックスがいない世界にもはや救いは無かった。だからゼオフはすぐに騎士団を止めて、国を彷徨うことにした。
そして見たものは、
「石ころ程度の有象無象がアレックスさんになるだなんてほざいて笑ってやがる!!あの人はそんな連中に語られていい存在じゃないんだよ!!」
「ひぃ……!」
もはや誰に向かって言っているのか分からない。力任せに刀を振るい、近くにいた生徒の目の前を刀が走り、悲鳴が上がる。
「な……んで……?治癒……が出……来ない……」
「あぁ?言っただろう?俺の刀は斬りつけた奴の魔法を打ち消すってよ。この刀が折れるか、俺が解除するか、その傷がある限り、お前らの体は魔法を受け付けないんだよ」
「そ……んな……」
「俺を誰だと思ってるんだよ?アレックス・エーデルヴァルトの副官だぞ!!このくらい出来て当然だろうがぁ!!」
衝撃を受ける女子生徒に怒鳴りながらゼオフは刀を振り上げる。
女子生徒は目を見開いて、涙を流しながら迫る刀を見つめる。
「待てぇ!」
そこに拳大の石が飛んでくる。ゼオフは刀を止めて、石を躱す。
現れたのはスカーミャ、アレンに取り巻きの2人に、3人の男女だった。
ゼオフはそれをつまらなげに見る。
「また死にたがりの英雄紛いが来たか」
「何故……何故このようなことを……!?英雄のあなたが……!」
「英雄?俺が?くっ!くはははは……くははははははははは!!!」
「な……なにが……可笑しいのですか……?」
アレンの言葉にゼオフは左手で顔を覆って大笑いを始める。
それにアレンは戸惑いを隠せなかった。
「この世界で英雄はアレックスさん唯1人だ!!それ以外は有象無象に過ぎない!!俺もお前達もなぁ!!」
「っ!!」
目を血走らせながら叫ぶゼオフに、アレン達は気圧される。
そこにスカーミャが竜巻を生み出してゼオフを囲む。
「今の内に負傷者を」
「わ、わかった!行こう!」
「あぁ」
「分かったわ!」
「僕達も」
「はい」
スカーミャの言葉にアレン達は駆け出して倒れている生徒達を助け出していく。
「大丈夫か!?今、怪我を治して……!」
「だ……め……。今……効かない……」
「え?」
「あの……刀で……斬られると…魔法が……効かなく……なる。魔法…制限も……転移も……消された」
「そんな!?」
助けた生徒の言葉にアレン達は目を見開く。アレンと一緒に居た赤髪ツインテールの女子が回復魔法を使うも、確かに効果は無かった。
「そんな……!?」
「まずいぞ。僕達は魔法制限がある。あの人からかすり傷だけ負うのは難しいなんてレベルじゃない。しかし傷を負うと回復も出来なくなる。攻め切れない……!」
「どうすればいいんですか!?マクロア副会長!」
マクロア・ベンダミン。3年生で生徒会副会長の水色の髪に眼鏡をかけた男だ。同級生と共に飛び出したはいいものの、今の話を聞いて絶望的な状況であると理解する。
「僕達じゃ戦えない……!学園長達が来るのを待つしかない!」
「それは無理だ」
『!?』
マクロアが顔を顰めながら方針を話すと、竜巻の中から声がした。全員が竜巻に目を向けると、ズバン!!と竜巻が縦に斬り裂かれる。
「っ!……そんな簡単に……!」
スカーミャは全力を注いでいたが、簡単に斬り裂かれてしまった。それに顔を顰めて歯軋りをする。
「この島は魔法具で作られている。それを為しているのは学園長とユーロフだ。その2人はこの島に来ることは出来ない。そんなことをすればこの島は崩壊して、ここにいる奴らは異次元に飛ばされる」
「……そんな……!?」
「だから助けなんて期待するなよぉ。英雄だったら自分で活路を開かないとなぁ」
ゼオフの言葉に全員が息を飲む。
「……そうだ。確かあなたにも魔法制限がかかっているはず!それを狙えば!」
「馬鹿だな。そんなの最初に解除したに決まってるだろ」
「くっ……!」
「俺はもう魔法制限はない。どうするんだ?英雄候補」
アレンは歯軋りをしてゼオフを睨みながら刃を潰した剣を抜く。アレンとよく一緒に居る茶髪坊主の長身の男も拳を構えて、ゼオフを睨む。
「……時間を稼ぎます。その間にもっと離れてください」
「アレン……!?」
「早く!!行くぞ!バン!」
「おう!」
マクロアに生徒達を頼むと声を掛け、駆け出すアレン。それに仲間の男、バンも続く。
「【光剣】!」
アレンの剣身に赤く光り輝く剣が形作られる。
それをゼオフは目を細めて見つめる。
「【光魔法】か?」
「そうだ!!この剣ならば魔力が切れない限り、回数を重ねることは無い!」
「なるほどなぁ。ただ、それには致命的な欠点がたくさんあるぞ?」
「なに!?」
ゼオフの言葉にアレンは目を見開くが、構わず斬りかかる。それをゼオフは刀で弾く。
すると、アレンの光剣が弾けて消える。
「ば、馬鹿な!?」
「1つ目。いつ俺がこの刀の効果は生き物だけなんて言った?」
「!?」
「はああああ!」
目を見開くアレン。ゼオフが斬りかかろうとするが、そこに横からバンが叫びながら殴りかかる。
「2つ目」
ゼオフの姿がブレる。次の瞬間、バンの目の前からゼオフが消えて、さらにバンの全身が斬り刻まれて血が噴き出す。
「ご……ぉ……!?」
「バン!!」
「お前達の体術じゃあ俺には届かん。アレックスさんの左腕だぞ?ガキのチャンバラが届くと思うのか?」
「っ!!」
バンを受け止めながら、ゼオフを睨むアレン。そこにゼオフの後ろにスカーミャが現れて、両腕から竜巻を放つ。
「3つ目だ」
スカーミャの竜巻を斬り、霧散させながらスカーミャに左腕を伸ばすゼオフ。スカーミャは逃げようとするが、
「俺はまだ魔法を使ってない」
ドオオォン!!
スカーミャがいた場所が突如爆発した。
「スカーミャ!!」
アレンが叫ぶと、爆煙の中からスカーミャが勢いよく飛び出してきた。所々ボロボロだが、重傷までは至っていない様だった。
ズザザザザザザ!!と滑りながらアレン達の近くまで離れてくるスカーミャ。
「はー!……はー!……はー!……はー!」
スカーミャは片膝を着き荒く息をして、大汗を流してゼオフから目を離さない。
「ほ~。風で【爆発】を防いだか?」
ゼオフの魔法は【爆発魔法】。指定した空間を爆発させる魔法だ。
スカーミャはギリギリで風で体を覆い、爆発のダメージを弱めたのだ。
「でも、これでお前は魔法を3回使ったな?」
「……くぅ……!」
「はっ。どうする?俺に斬られて回数制限無くすか?」
スカーミャはゼオフの言葉に歯軋りをする。ゼオフは刀をブラブラしながらスカーミャを鼻で笑う。
「魔法制限が無ければ……!」
「舐めてるのか?お前ら程度、本気ならとっくに殺してる。魔法なんか使わせる隙も与えずにな」
「……!じゃあ、なんで?」
「追い込んだ方が面白いだろ?どうだ?今のお前達は英雄になれそうか?」
「……」
「なれないよなぁ。この程度で絶望を感じて、何も出来ないんだからよぉ」
ゼオフの言葉に何も言い返せないアレン達。
「戦争はこれ以上の絶望ばかりだぞ?地獄だぞ?それでも奮い立たせるのが【英雄】だ。お前達はそれになれるか?なれないだろ?」
ゆっくりアレン達に近づくゼオフ。ジリジリと下がるアレン達。
「……やっぱりアレックスさんを超える英雄なんて現れないかぁ。もういい。殺すぞ?」
『!!』
バンを後ろにいたマクロア達に渡して、剣を構えるアレン。
その時、
ズドオォン!!
アレン達とゼオフの間に何かが落ちてきて、土煙を巻き上げる。
「あぁ?」
「な、なんだ!?」
「待たせた!!」
ボッ!と魔力の嵐が巻き起こり土煙が晴れる。そこにいたのは仁王立ちしたブレアだった。
「ブレア会長!」
「すまない!ベンダミン!他の遭難した生徒の救助で遅くなってしまった!」
マクロアの呼びかけに振り返らずにゼオフを見つめたまま、マクロア達に声を掛ける。
「倒れた生徒達はどうした!治療や転移は出来ないのか!?」
「あの刀で斬られると魔法の効果が掻き消されるようです!そのせいで回復魔法や学園長が設定した魔法制限が効きません!」
「……そういうことか」
「彼もすでに魔法制限を解除しています!」
「……なるほど。それは難しい」
マクロアの説明にブレアは顔を顰める。
「お前は誰だ?」
「……うむ。我が名はブレア・フォーマルハウル!! ブレスベッド学園現生徒会長にして!!エーデルヴァルト殿の遺志を継ぐ者だ!!」
ブレアの宣言にゼオフはピタッと足を止める。しかし、次の瞬間ブレア以上の魔力がゼオフの体から噴き出す。
「貴様如きがぁ!!その名を口にするなぁ!!クソガキぃ!!」
ゼオフは目を見開いて、完全に怒りで理性を飛ばす。口から唾を大量に吐いて、大声で叫ぶ。
「あなたが何と言おうと!!私は【英雄】になる!!」
ブレアはそれを恐れることなく、高々に叫ぶ。両腕を広げると両手から白く輝く炎が噴き出す。
それを見てゼオフはさらに目を見開く。
「そう!!見覚えがあるだろう!!この炎は、アレックス・エーデルヴァルト殿と同じ!!」
グッ!と両手を握るとさらに炎が強く大きくなる。
「【光炎魔法】!!この炎は、英雄を目指す全ての者の道標となる【象徴】である!!」
自身も憧れる失った大英雄と同じ魔法。
それを持つ者として自分は絶対に屈してはいけないのだと心に誓った。
「この炎が燈っている限り!!私は決して屈しない!!」
ゼオフは柄を強く握り、ブレアを睨む。
その言葉はゼオフが唯1人認めた英雄が発した言葉だった。
「さぁ、行くぞ!!英雄!!ゼオフ・グレリナド!!」
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〇ゼオフ・グレリナド
身長187cmの英雄と呼ばれる猛者。
灰色の髪をややほつれたオールバックにし、無精髭を生やしている。目の下には少し隈があり、草臥れているように見える。
黒い服の上に茶色のマントを羽織っており、腰に刀を差している。
元騎士団副団長で大英雄の左腕と呼ばれた男。現在は傭兵になって国中を回っている。
アレックスに心酔しており、彼だけが英雄であると思っていた。それ故に彼が死んだことでの絶望と喪失感に耐えられなかった。傭兵になった理由は『アレックスに変わって悪を倒すため』と『有象無象の英雄を騙る偽物を選定し、駄目なら粛正するため』だった。
今回、学園に来たのもその一環。
信条は『英雄は後にも先にも唯1人。有象無象は悪である』