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英雄ってそんなに憧れるものかねぇ?  作者: 岡の夢
2章 英雄を嫌う理由
14/14

2‐4 勝者は?

 ブレアは苛立っていた。


「おのれ……!」

「早く私達を倒さなければ、ナタクと戦う魔力が残りませんわよ?」

「それに生徒会長としての意地も見せてほしいものだな」


 ブレアはフェオラとクエンタの2人に完全に翻弄されていた。

 魔法を放とうにも、魔力を練った瞬間に2人の姿が消えて、他の場所に現れる。ならばと全方位に放てば、フェオラが地面を操って壁を生み出す。

 拡散されているので、岩の壁を破るだけの威力もなかった。

 

 更には接近戦でも苦しめられる。

 フェオラは地面から作りだした細剣、クエンタは格闘戦で容赦なく攻めかかってくる。

 クエンタの【幻影魔法】で幻か本物か分からず、判断が遅れて何発かまともに浴びてしまった。


「くそ……!どうにかして【幻影魔法】を破らねば……!」

「魔力はまだいけますの?」

「まだ大丈夫だな。そっちは?」

「クエンタさんのおかげで楽をさせて頂いてますわ」

「それは重畳」


 フェオラとクエンタは笑みを浮かべて余裕をもって会話をする。

 それにブレアは歯軋りをするが、現実は変わらない。もはや魔力は限界に近く、体力的にも厳しくなってきている。

 そして、それ以上に湧き上がる思い。


「何故……何故そこまでの力がありながら、自分のためだけに使う!?お前達がいれば、多くの人を救けられるのに!!」

「まだ、それを言うのか」


 クエンタはブレアの言葉に呆れるしかなかった。以前話したことは全く届いていなかったようだ。

 フェオラもその横でため息を吐くしか出来なかった。

 

「ブレア生徒会長はそんなに私達に戦ってほしいのですねぇ」

「そんなわけがないだろう!!」

「多くの人を救うというのは、そういうことでしょう?私達が望まぬ戦いであっても、力があれば出なければならない。ブレア生徒会長は私達にそう強制しようとしていることになりますわ」

「っ!!だが、事実だろう!?力がある者が前に出なければ、多くの者が悲しむことになる!!」


 ブレアの言葉は間違ってはいない。しかし、重要なことを忘れているのだ。

 クエンタは腕を組んで、目を細めてブレアを見据える。


「力がある者……つまり農民や商人であっても、力があれば戦場に出なければならないのだな?」

「な!?」

「そういうことですわね。力があることが条件であるならば、そうなりますわ。まぁ、戦争時に農民が徴兵されるのは仕方がないかもしれませんが。それで果たして、多くの人を救えるのでしょうか?」

「違う!!」

「何が違うのですか?言っていたではないですか。力がある者はその力を弱き者のために使うべきだと」

「それは貴族だからだ!」

「おや、ナタクは貴族ではないが?」

「あいつはエーデルヴァルト家の者だ!!」

「それはまだ事実かどうか分かっておりませんし、ナタクも否定していますわ。ナタクだけ例外であるならば、ブレア生徒会長の言葉は上っ面のみ。違うのであれば、まずはナタクがエーデルヴァルト家の者かどうかを証明しなければなりませんわ。それからナタクを勧誘するのが筋でしょう」


 フェオラとクエンタの言葉に、ブレアは完全に反論を封じられる。

 しかし、これは貴族のことを出したブレアのミスでしかない。ナタクの出自が未だに不明な状態で、決めつけで意見を主張し続けたのは、貴族であればやってはいけないミスである。

 

 ナタクが【英雄科】に進むと言っていたのであれば、まだこの理論は成立する可能性はあるが、それをナタクは堂々と否定している。それどころか退学を示唆している。

 なので、ブレアの理論は絶対に成立しないのである。


「人を守るために戦うのは、まず何より本人がそう思っていなければ駄目だと思うがな」

「そうですわね。命を懸ける以上、絶対に強制ではいけません。貴族であれば、確かに強制でも仕方がないでしょう。それが特権を得ることに対して請け負う義務なのですから。しかし、この学園では貴族も平民もない。つまり生徒会に入るのも、誰かの為に動くのも本人の意志にのみ委ねられるべきですわ」


 ブレアはもはや言葉を発することが出来なかった。

 フェオラとクエンタの反論が正しいと理解してしまったからだ。それはつまりブレアが戦う理由を失ったということである。

 

 英雄とは強制されてなるものではない。

 己が意志を貫き通したからこそ、偉業を成し遂げることが出来た。それが英雄と呼ばれる者の所以である。

 

 しかし、それでもブレアは納得は出来なかった。


「私が間違っていたのは理解出来た。確かに勇み足が過ぎたようだ……」

 

 ブレアは下唇を噛んで俯き、己が失態を認める。しかし、それと同時に両手から白い炎が噴き出す。

 それにフェオラとクエンタは構え直す。


「もはやお前達には望むまい。しかし!!だからと言って勝負を捨て、負けるのは別問題だ!!私は生徒会長として、この【光炎魔法】を持つ者として、この程度で敗けるわけにはいかん!!」


 更に炎が勢いを増す。

 そしてブレアは力強い目で2人を見据える。


「行くぞ!!【シャイニング・フレア】!!」


 ブレアは両腕を突き出して、巨大な白く輝く炎を放つ。

 クエンタはそれに顔を顰める。


「くっ!流石の魔力だな!」

「残った魔力を全て振り絞ったようですわね。それならば仕方がないでしょう。クエンタさん。動かないでくださいまし」


 クエンタの【幻影魔法】は膨大な魔力の前には無力化される。

 さらに【光炎魔法】は浄化作用があり、呪いや幻覚などを消し去る力がある。【幻影魔法】が今まで効いていた理由は、ブレアとクエンタの魔法に使う魔力量がほぼ同じだったからである。ブレアが魔力切れを恐れて小出ししていたのが最大の原因であり、本気を出されれば流石に生徒会長には敵わない。

 

 しかし、フェオラは涼しい顔で迫り来る白く輝く炎を見つめていた。

 そしてフェオラは腰から透明の小さな板を取り出す。それをクエンタは目を細めて見つめる。

 フェオラはその透明な板を炎に向かって投げる。


「【消失する透明(バニシング・クリア)】」

 

 フェオラが呟いた直後、バァン!!と音を立ててブレアの炎が消滅する。

 

『!!?』

 

 その光景にナタク以外の全員が目を見開いて固まる。

 スカーミャは先日のバトルロワイアルで見た光景を思い出す。


「なんだ…と……?」

「ふぅ。流石は生徒会長様ですわね。中々の魔力を消費しましたわ」

「何を……何をした!!」


 ブレアは魔力を使い切ってフラつきながらも、フェオラを睨んで怒鳴る。

 フェオラは特に顔色を変えずに、腰から先ほどと同じ透明の小さな板を出す。


「別に難しい事ではありませんわ。【色彩魔法】は色を操る魔法。つまり『色がない』ことも魔法として扱えますの」

「……な!?」

「……それは恐ろしい」

「【バニシング・クリア】は触れたモノを消し去ります。もちろん私の魔力も大きく消費しますが……クエンタさんのおかげで節約出来ましたから、助かりましたわ」


 フェオラの説明にブレアは唖然とするしか出来なかった。


「くそ……!」

「ここまでだな」

「っ!?が!?」


 ブレアは歯軋りをするが、突如背後から声が聞こえる。振り返ろうとするが、その前に首の後ろに衝撃が走り、意識が遠のいて前に倒れていく。

 ブレアの後ろにはクエンタが右肘を構えて立っていた。

 フェオラが魔法を消して、説明を始めた時に【幻影魔法】を発動して、ブレアの背後に回っていたのだ。

 ブレアの姿が消えて、観客席に転送される。

 

「これで後はあの方だけですわね」

「どうする?」

「もういいでしょう。これで5人敗北しましたので、ナタクが勝っても私とクエンタさんは問題ありませんし、あの方はナタクと戦えれば満足のようでしたわ。少なくとも私はこれ以上戦う必要はないですわ」

「私もだな。では、我々は棄権するとしよう」

「ですわね」

 

 フェオラとクエンタは学園長に声を掛けて、リタイヤを宣言する。

 それにスカーミャやアレンは顔を顰めるが、学園長は棄権を認めて2人を観客席に転送する。

 学園長は席に座るフェオラとクエンタを見ながら髭を撫でる。


「あそこまでの実力者だったとはのぅ。シェオーバ君もかなり手を抜いておったようじゃな。まぁ、彼女の家を考えると仕方がないことかの」


 クエンタは妾腹、フェオラも養子になったことで家での立場は微妙なものである。

 いくら学園にいる間は家とは無縁であると表向き的にはなっているが、卒業した時を考えると無縁とはいかない。

 間違いなく2人が活躍すると、お家騒動になるだろう。それ故に2人は【英雄科】に行くわけにはいかなくなった。


「なんとも歯がゆいのぅ。しかし、卒業後のことまで口は出せん」


 ここで口を出せば、今までの卒業生達に手を伸ばさなかったことが問題になる。

 エーデルヴァルト夫妻が倒した狂科学者の者も、ブレアに話した通り、ただ祖国のために死に物狂いで研究した結果にすぎない。それにその研究を悪用したのは別の者だ。その者も殺されたが、何故か元の理論を考えた者の方が注目を浴びてしまった。

 恐らくクエベラ王国の仕業であろうが、それが敗戦国の宿命でもある。学園長も口を出せない。

 しかし、どうにも被害者の扱いが雑ではないかとも感じている。


 ちなみに敗戦国は研究成果を全て没収され、今は飢饉に悩まされている。

 スタンピードを起こしてしまったせいで、他国からの援助が受けられなくなり、研究成果を取り上げられたので食物が育たない土地で育てられるように改良した農作物も没収されたのだ。

 そのせいでエーデルヴァルト夫妻は、その国では『悪魔』と呼ばれている。


「まぁ、それはここで答えが出るわけではないの。さて、残った2人も目を離せんのぅ」


 学園長はマサツネとナタクに意識を戻す。

 

 マサツネはゆっくりとナタクに近づいていく。


「では、スマヌが我の望みに付き合ってもらおう」

「まぁ、それがこの決闘の理由だからな。しゃあねぇか。だりぃけどな」


 ナタクは肩を竦めて、マサツネに体を向ける。

 マサツネは腰を落として、刀の柄を握る。ナタクは変わらず両手をポケットに入れたままである。


「……法練流 マサツネ・カミキ。推して参る」


 マサツネは勢いよく飛び出し、ナタクに迫る。

 そしてマサツネの右腕が何度もブレて、ナタクも連続で体を傾けたり、後ろに下がる。

 

 アレンやスカーミャは何が起こっているのかよく分からなかった。

 

「あの高速の居合を見切っているのか!?」

「……っ!」


 バラムとエルトリンデも眉間に皺を寄せて唸る。


「あれを易々と躱せるのか……」

「わたくし達の攻撃も躱されて当然ですわね……」


 マサツネは一度飛び下がり、息を整える。

 

「ふぅ。恐れ入った。居合だけは自信があったのだが……」

「嘘つけよ。まだ本気で来てねぇじゃねぇか。まぁ、殺し合いじゃねぇから仕方がねぇかもしれねぇがな」

「……そこまで気づくか」

「それに魔法も使ってねぇじゃねぇか。俺の魔法を警戒してんのか?それじゃあ、俺は消耗しねぇぞ」

「それもそうだな。我の方が格下なのだ……出し惜しみしてる場合ではないか!!」

   

 マサツネは殺気を噴き出して、斬りかかる。

 ナタクが構えた瞬間、周囲に氷の槍が出現して飛び迫る。ナタクはポケットに両手を入れたまま、蹴りで氷の槍を砕いて行く。

 まるで踊るように片足で見事にバランスを取りながら、流れるように蹴りを繰り出す。


 マサツネは地面を這うように氷を放ち、ナタクの片足を狙いながら本気で居合を放つ。

 ナタクは後ろに大きく下がりながら、体を捻って居合を躱す。足元の氷は一瞬魔力を放出して、塞き止める。

 マサツネはそれを悔しがることもなく、ナタクの周囲に氷の柱を出現させて逃げ道を塞ぐ。

 ナタクが氷柱の1本を蹴り砕くと、マサツネは素早く回り込むが、ナタクは蹴り砕いた勢いで反対側に飛び、タックルの要領で氷柱を砕いてマサツネから離れる。


「くっ!!【氷鮫波濤(ひょうこうはとう)】!!」


 マサツネは顔を顰めて、巨大な氷の刃をサメの背びれのように数枚飛ばす。ナタクは跳ねるように下がりながら、蹴りで刃を砕いていく。

 そこにマサツネが波乗りのように氷刃の1枚に乗って、ナタクに迫る。

 ナタクは僅かに目を見開く。


「ふぅ!!」


 マサツネは渾身の居合を放つ。

 その気迫に学園長やフェオラも流石に焦り、アレン達はナタクの首が斬り飛ぶイメージが浮かんでしまう。

 

キイィン!!


 甲高い音が闘技場に響く。

 

 目に映る光景に、観客席の全員が目を見開いて固まる。

 

「……ここまでとは……」


 マサツネも目を見開いて呻く。


 その視界には、ナタクが左手指3本で刀を摘まんで受け止めていた。

 刀を摘まんでいる指にはかなりの魔力が集中しており、指先が紫色に光っていた。


「今のは少し焦ったぜ。二の腕の動きが見切れなかったら、やられてたな」


 ナタクはニィっと口歪めて、マサツネを見る。マサツネは悪寒がして、刀から手を放して後ろに跳び下がる。

 直後、ナタクの体から闇が噴き出して、闇に呑まれて刀が消滅する。

 

「二の腕の動きで見抜かれるとはな……」

「もちろん視力も魔力で強化したからだぜ?素だったら全く見えてねぇよ」

「……それは僅かな救いだな」

「それに刀にもう少し魔力を込められてたら、腕が斬り落とされる覚悟もしてたな」

「……」


 マサツネは僅かに顔を顰めて、両手に氷の刀を生み出す。

 

「この方法は好きではないのだがな……」

「二刀流か。俺の闇にはあまり意味がねぇぞ?」

「そうであろうな。されど……おめおめと降参するのも名折れなのでな!!」


 マサツネは氷の槍や柱を乱射しながら、ナタクに迫る。

 ナタクは球体上に闇を纏う。マサツネの攻撃は全て闇に阻まれてしまう。


「くっ!」

「俺の魔力切れを狙うつもりなら諦めとけ。後10時間はこのまま維持出来る」

「!!?」


 マサツネは周囲に氷を生み出すも、ナタクの言葉に目を見開く。

 ナタクの表情から、それが嘘ではないことが読み取れたマサツネは目を瞑って笑みを浮かべ、そして体から力を抜く。

 周囲の氷も砕けて消滅し、それを確認したナタクは魔法を解除する。


「どうやら我の研鑽は、お主には遠く及んでいない様だ」

「それは人に寄るだろ。それにお前だって今回本気ってわけじゃなさそうだしな。刀もなまくらだったみてぇだしよ」

「……そこまでわかるか」


 マサツネは苦笑する。

 ナタクは肩を竦めると、学園長に顔を向ける。


「学園長」

「うむ。この決闘は……」

「俺は降参すんぜ」

『はぁ!?』 


 学園長がナタクの勝利を宣言しようとすると、ナタクが何故か降参宣言する。

 それに学園長は目を見開いて固まり、マサツネやフェオラ達は驚きに声を上げる。


「な、なにを考えている!?」

「そうですわ!!どう見てもナタクの勝利でしょう!!」

「……どういうつもりだ?」


 クエンタ、フェオラ、マサツネの順にナタクに声を掛ける。

 ブレアやアレンは未だに衝撃から戻れていない。

 ナタクは肩を竦める。


「お前はまだ降参って言ってなかったしな。それに俺が勝ったら、退学する連中が出るしなぁ。そうなるとまたしつこく絡んできそうだしよ」

「……それで我が納得出来ると思うか?」

「けど、お前は何も勝った時の要望を言わなかったからな。だから再戦だって、そう簡単に受けるつもりはねぇ。恨むなら要望を言わなかった自分を責めてくれ」


 ナタクの言葉にフェオラとクエンタは呆れ、マサツネは眉間に皺を寄せて腕を組む。

 間違ってはいないが納得も出来ないのだろう。

 ブレアやアレン達も情けをかけられたように感じて、悔し気に顔を歪める。

 マサツネはしばらく唸ると、ため息を吐いて肩を落とす。


「納得は出来んが、負けた我がどうこう言うのはお門違いでもあるか……。再戦しようにも、まだまだ我は修行不足であるしな」


 マサツネは学園長に顔を向けて頷く。

 学園長は少し同情するようにマサツネを見て、ため息を吐いて声を上げる。


「ユーバッハ君降参により、この決闘の勝者はカミキ君じゃ」

「あ~……やっと終わったぁ」


 学園長の宣言を聞いて、ナタクは大きく伸びをする。そこにフェオラとクエンタが呆れながら近づいてくる。


「絶対に禍根を残すぞ。この終わらせ方は」

「ですわねぇ」

「かもしれねぇが、それで義理を果たさねぇといけねぇのはマサツネだけだな。他の連中は正々堂々負けたんだからよ」

「まぁ、そうですわね」

「納得出来るかどうかはともかくな」

 

 確かに間違ってはいないが、それで納得するメンバーとは思えない。事実、今もアレンやスカーミャが睨みつけているのが気配で分かる。

 あの2人は絶対に諦めないだろうとフェオラとクエンタは考える。


 そこに学園長が歩み寄ってくる。


「ユーバッハ君や。あのようなやり方はあまり褒められたものではないのぅ」

「もとはと言えば、あんたがあんな殺人鬼呼びつけたり、連中を焚きつけたからだろうが。それとこの学園の方針を勘違いしている連中を野放しにしてるのもな」

「アキュトロン先生には何度も言っておるんじゃがのぉ」

「とりあえず、そっちの要望は叶えてやったんだ。また変なこと言って来たら、今度は本気で退学させて、退学するからな」


 ナタクは学園長を脅して、闘技場を去っていく。その後ろをフェオラとクエンタが呆れながら付いて行く。

 マサツネも闘技場を去り、ブレア達も顔を顰めながら闘技場を後にする。

 学園長はそれを見つめながら、顎髭を撫でる。


「困ったものじゃのぉ。確かに今回のは強引ではあったが、これからもないとは言えん。とりあえず、アキュトロン先生には釘を刺しておかねばならんか。それとユーバッハ君を監視して、勧誘しようとする者達も目を配らねばならんか」


 学園長はやらねばならないことに、ややうんざりとしながら学園長室に戻っていく。

 

 こうして決闘は煮え切らない形で終えるのであった。

 


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