プロローグ
ープロローグー
今となって昔のことだか、今でも鮮明に覚えていることがある。
赤い装備を身につけた勇者を中心に四人位の年端も行かない男女がすべての黒幕である魔王に立ち向かう光景だ。
その戦いは、まだ幼い我には衝撃的で敵味方関係なく興奮を覚えるものであった。魔王の左腕を落とした勇者側が優勢かと思えば、魔王は自分にはさらに強い第2形態があるといいまるでセミのように体の殻を破り失った手も元通りになり、ならばと勇者側も友情パワーだと謎の言葉を発しながら合体技を仕掛けたりしていた。第2形態や合体技とかあるなら最初からやれと疑問を持つのは野暮だろう。ただ、彼らは世界平和どうこうではなく戦いを楽しんでいたのだから。
そして長い戦いもついに決着がついた。勝者側はボロボロになりながらも喜びにち溢れ歓喜し、敗者側は横に血まみれになりながら倒れており、その周りにはその者の仲間が集まっていた。その中には我もいた。周りが悲しみで明け暮れているなか敗者は弱々しく我の手をとり
「次はお前の番だ。俺みたいに負けるなよ」
とそういい残し静かに息を引き取った。
すると隣にいる背の高くだいぶお歳を召したご老人が
「今なすべきことは逃げることだ。悲しみ明け暮れいるのは後でも出来る。さあ行くぞ」
と叫び涙を流しながらだんだんと敗者を囲む円の形が崩れていった。我は周りが逃げているのにも気づかず、自分の父の手を握っていた。その様子を見た一人の大柄男が我に言った。
「お気持ちはお察ししますが、このままいればあなたの父上どもどもあなたも殺されてしまいます。さあ、行きましょう第二魔王様」
ー第一魔王死去から2000年後ー
あの戦いから2000年がたち我は第二魔王の役割を果たすべく今日も勇者がくるのを待つため骸骨が周りに飾られている椅子に座る。ふとそこに小さいコウモリが近づいてきた。
「魔王様、忙しいと思いますが今日も血を吸わせていただきます」
そうコウモリはロボットのように言うと我は重い装備をずらしうなじを見せた。そのうなじをコウモリが噛みつき血を吸った。やがてコウモリはうなじから口を離した。
「健康状態は良好、魔力、魔力体制もS値を維持しています」
「そうか」
と我はさも当たり前のように返事をした。このコウモリとは何千年との付き合いだがいつもこんな風に希薄な関係がずっと続いてる。さすがに、このままではまずいと我も思うのだが、何分何千年も一緒にいたので今更感が満載である。しかし、このコウモリと良好な関係を築きたい以外にも聞きたいことがある。我は勇気を出しコウモリにこう言った。
「少し尋ねたいことがあるのだが」
「ハイ、何でしょうか」
コウモリは口調は棒読みのままで答えた。
このコウモリと良好な関係を築ける築けないはともかく、我は今までずっと思ってことをようやく口にする事ができた。
「二千年位この椅子座っているんだけど、いつになったら勇者こここまでたどり着くん?」