「常識」と「非常識」=「正義」と「悪」
※内容が非常に暗いです。人によっては、不快感等を催す可能性があります。
閲覧は自己責任とさせて頂き、読了後の不快感等について、作者は責任を負いません。
ガタガタと震えて窓の外を見る。
気持ちのいい青空も、眩しい太陽も、ただただ怖い。
ふと聞こえる人の声。
慌てて窓から離れて、体を縮める。
必死の、必死のいないふり。
「逃げるな」
そんな声が聞こえる。
「立ち向かえ」
そんな声が聞こえる。
それが出来ていたら、こんな風になってない!
叫びたい言葉は、喉の奥で絡んでいる。
怖くて、怖くて、羨ましい光景は目の前に。
最初の一歩が、あと一歩が踏み出せない。
地団駄にもならないそれが、くるりと体の向きを変えさせた。
心臓の音が煩くて
口の中が異様に乾く
「そんな人、何処にでも居るんだから」
「いいから外に出なさい」
どうして怖いと思うのかは聞いて貰えない。
自分達の当たり前が「常識」で
それを行えない私は「異常者」で
「若いのに」
「子供もいないのに」
「働けるくせに、怠け者ね」
綺麗な言葉で包装された「本音」が刺さる。
見えない血がドロドロ流れて
見える涙が静かに落ちてく
でも……誰の目にも「涙」は見えない
怖さと引き換えに苦しさが広がる。
どうしてこうなったのか……なんて、誰も気にはしない。
自分達の「常識」という「正義」を振り回して
自分達の「常識」にはまらないモノを「非常識」だと叫んで
切り刻んで、殺していく
其処から産まれる「 」なんて、見向きもしない。
そして、私は今日も自己嫌悪と「当たり前」に混ざれない苦しさを抱えたまま
窓の外の景色から逃げるのだ。