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旅立ち...いや、逃げ出し


「はぁはぁはぁはぁ」


リリカがスライムもどきを倒しきるまでの間逃げ回っていた俺は息が切れていた。


「大丈夫ですか?類さん?」


「…あぁ、大丈夫だ」


ほぼお前の攻撃が原因だ、という言葉は飲み込んで俺は返事をした。


「もう、スライムもどきはいないようなので先を急ぎましょうか」


「ちょっと待て。」


「はい?」


「いや、お前魔法を使えるんだよな。」


「はい、そうですけど」


「みんな使えるのか?」


「いえ、みんなではありませんよ。先天的なものなので使えない人は一生使えません」


「訓練してもダメなのか?」


「はい」


「ってことは魔法ってのは生まれたときに全部決まるのか」


そうだとすると俺達勇者組は皆魔法が使えないと思うんだが…


「いえ、訓練しだいで上達しますよ」


「?」


「あぁ、あれです。0に何掛けても0ってことです。ですから1でもあればいくらでも強くなれますよ。向き不向きはありますけど」


「世知辛いな」


「まぁ、才能の1つですから」


「ところで、リリカはなんの魔法が使えるんだ?やっぱ火水土木光闇みたいな?」


「いえ、火水土の3つですね。ただ、火水土をそのまま操るのではなく要素を抽出して組み合わせるのが魔法と呼ばれます」


「例えばどんなものがあるんだ?」


「えーと、ですね。基本的なものはさっきのファイヤーストームみたいなものですね。土要素の石礫に火要素の炎を纏わせて放つ技です。あとは、水要素の浄化を抽出してヒールを行ったりと色々あります。ここの創意工夫が魔法使いの強さに繋がりますね。」


おっ?これは日本生まれの俺が日本の技術を魔法で代用して大金持ちになるというまさかの技術チートルート入りましたかぁ?


「とっ、ところで、くる」


「あぁ、知ってますよ。車ですね。」


ん?


「この世界にくる勇者様たちが魔法を知ると必ず作ろうとするんです。ただ、魔法というのは要素を抽出するものと言いましたよね?」


「あっ、あぁ」


「また、魔法は自分の掌握下にある分には物理法則よりも魔力を優先するので問題ないのですが、例えばファイヤーストームを放つと普通に重力の影響や空気抵抗などを受けます」


「まぁ、そうだろうな。そうじゃなきゃ防御が出来ないもんな」


「魔法を放つためにはその要素の完全掌握が重要となってくるのです。そのため、手から離れて要素が変わった魔法は仮にもう一度操ろうとしても手の内にあったものとは違う魔法となっているので操れないのです。」


「つまりあれか?分からないものは操れないってことか?」


「そうです、その通りです。以前車を作ろうとした勇者様は車の形は土魔法で作り、水魔法と土魔法を組み合わせることによって燃料?のようなものを作り動かそうとしましたが、燃料を車の中に注いだ瞬間燃料は見えなくなるのでどういう変化が起こってるのか把握出来なくなります。すると、もうその燃料は操れません。また、車の内部に技巧を凝らしていたようですが見えないようにしていたのでそれも操れません。どうにか透明にしても時間経過によって燃料の要素は変化していきますし、車も消耗します。そこまで、手間をかけてほとんど動かないんだったら馬車のほうがまだ速いし便利なのですよ。」


……この世界、チート耐性強すぎじゃねっ!?

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