プロローグ
「これは…」
婆さんは真っ青になるとそこらにいた大臣(?)とかを呼び集めてなにやら相談しだした。すると、姫様が心配になったのか俺のところに寄ってきた。
「どうしたのでしょうか?」
「ん?いや知らねぇけど…」
すると、婆さん達は話し合いが済んだようでなにやら神妙な顔をして結果を告げに来た。
「えーと、じゃな。まず、能力についてだが“超幸運”じゃな。この能力はまぁその名のとおり超幸運になるものじゃ。倒したモンスターからは確実にドロップアイテムが取れるうえに、全体攻撃といったお前自身への攻撃以外の攻撃はまず当たらないなどなどのスキルじゃ」
「凄いじゃないですかっ!しかも、超幸運っていったら前回魔王を討伐した勇者も持っていた能力ですよ!」
おっ?すごいのこれ?えっ本気?姫様の騒ぎようにほかのクラスメイトも釣られてやって来たみたいでなんだか人が多くなってきた。
「…しかしじゃな。」
婆さんは言いづらそうに
「その、元の世界にいる段階で付いていたスキルもあるようなのじゃよ」
んん?なんだか、雲行きが怪しくなってきたよ?
「デュアルスキルってことですか?」
姫様はこの空気に気づかないようだ。
「まぁ、デュアルスキルといえばデュアルスキルじゃが」
「凄いっ!2つ前の勇者様もデュアルスキルだったんですよ?」
この人勇者大好きすぎるだろっ!なんで全勇者の能力覚えてんだよっ!
「スキル名じゃが“試練”じゃ」
それを聞いたときその場にいた全員が、ん?という表情をした。
「内容は神からの試練を乗り越える度に魂のランクが上がるというものじゃ」
全くわからない
「恐らくお前は元の世界で信じられないぐらい運が悪かったじゃろ。それは神からの試練というものじゃ。それらの試練をクリアしていくことによってお主は常人の何倍もの成果を得られるのじゃ。」
ん?悪くないんじゃねそれ。むしろ、最高にチートな部類に入るだろ。やっべぇここから俺TUEEEEが始まるのか?
「ただ、そのスキル元の世界のものなんじゃ。つまり、元の世界ではちょうど良かったのかもしれん。恐らくそちらの世界ではそこまで危ない目に遭うことも無かったじゃろう。しかし、こちらの世界ははっきり言ってそちらの世界の10倍いや、100倍は危険じゃ」
段々と意味が分かってきたのか周りのクラスメイトがじりじりと後ずさっている。姫様はまだ分からないようだ。
「つまり、与えられる試練のレベルが尋常じゃない厳しさになるということじゃよ。しかも、この能力周りにも被害が及ぶ可能性が高い高いのじゃ」
「つまり?」
「追放」
「えぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ!!」
何故か叫んだのは姫様だった。