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第1の街ヨルド~幸福なひと時~

ヨルドという街は周囲を高い壁に囲まれた城塞都市のようだ。

まぁ、この形状の都市は別に珍しくはないらしい。確かに魔物とかがうようよしてるんだ、このぐらいは必要だろう。

まぁ、魔物もこの街には冒険者が沢山いることが分かっているからなのかあまり近づかないらしいが。


魔獣馬車から降りて街を歩いていると、様々な種族が入り交じっていた。リリカに聞いたら


「この世界には人族、獣人族、エルフ族の三種族がいますね。

特に数が多いのは獣人族です。獣人族というのは、人族よりの獣人と獣人族よりの獣人の2パターンが主です。

また、エルフ族ですが、基本的に森から出てきませんが冒険者となったエルフは膨大な魔力量を活かした魔法使いとして有名になりますね。

また、自然をある程度操れるらしいのですが私は詳しくは知らないのでこれは嘘かもしれませんね。」と語ってくれた。


種族間で戦争にはならないのか?と聞いたら


「種族間ではなくても戦争は起きます。

まぁ、差別主義の国もありますし、それはしょうがないのではないでしょうか?戦争とは結局のところただのコミュニケーションですから、言葉によるコミュニケーションが取れないのなら暴力によるコミュニケーションに自然となるでしょうしね。」


とまぁ、グダグダと道を歩いているといつの間にかギルドに着いたようだ。ギルドの扉を開ける。すると、男達の熱気と怒号が溢れ出てきた。


「こっ、これは凄いな。入りたくなくなってきたぞ。」


「えっ?そうですか?凄く面白そう何ですけど!」


「……」


俺とリリカは分かり合えないようだ。

ルドルフ(俺達を馬車に載せて連れてきてくれた男)がギルドに入っていき受付で何やらしている。

手持ち無沙汰な俺達は他の冒険者からの遠慮ない視線に晒されて少し戸惑っていた。ルドルフが戻ってきた。


「少し時間がかかりそうだ。ギルドカードでも作って待っていてくれないか?」


「あっ、はい分かりました」


俺は受付の方に行った。

受付には、こう、ボンキュッボンなお姉さんと筋肉の塊のような男の2人がいた、おそらく実利と見栄えの両方を取ったのだろう。

当然お姉さんの方に向かった俺はリリカのジト目に耐えながらギルドカード申請をした。


「いらっしゃいませ。ギルドの利用は初めてですよね?」


「はい、そうです」


「では、ギルドカードの作成からですね。手数料の方はルドルフさんから貰っているので結構です。」


カッコつけすぎだぞルドルフゥ!


「あっ、女性のほうだけでした。あなたは、手数料1000サラスを払ってください」


本能に従いすぎだぞルドルフゥ!


「はい1000サラスですね」


ここで、通貨について話しておこう。

この世界も、以前は硬貨が流通していたらしい。しかし、いつしか問題が発生した。そう、魔法だ。

錬金術なるものもあるらしく偽造硬貨が蔓延り市場が混乱したらしい。

そんな時、時の大魔術師エヴァン・ド・ミリスというのが紙幣という考え方を提唱した。そして、エヴァンが作った造幣局いや、造紙幣局が発行してる紙幣が現在の通貨になっている。この紙幣には偽造禁止の工夫が数多く凝らされており、紙幣を取り扱う店舗にはその内の数種類を教えて偽札防止に努めている。

単位は“サラス”であり1サラス紙幣、100サラス紙幣、1000サラス紙幣、10000サラス紙幣となっている。

日本円とは大体同じ価値らしい。

で、俺はある程度の金を持たされているので1000サラスぐらいなら払える。


「はい」


「はい、ちょうど頂きました。では、血を1滴こちらの小皿に垂らしてください」


受付にある金色の小皿に血を垂らす。


「こちらの水晶に手を載せてください。」


「はい」


「ありがとうございます」


あっ、俺が勇者だってばれちゃうかな?ちょっとやばいかも知れないけど驚かれるのも面白いかもドキドキ。


「はい、ありがとうございました。今後のご活躍をお祈りします」


あっるぇぇ、こんなにも個人情報保護が進んでいるとは...

名前も自分で書くみたいだし


「これって、どういう風に使うんですかね?」


「はい、魔物を倒すとカードに内蔵してありますあなたの血液に呪いが溜まります。それが一定量達することによってレベルの上昇や魔力の増加が起こります」


呪い?まぁ、分からないが勝手にレベルアップするってことだな。


「体力って分からないんですか?」


「以前は分かったんですが、体力がどんなに残っていても死ぬときは死にますし、なまじ体力が表示されると油断しやすくなる冒険者がいるので分からないようにしました。」


「ありがとうございました」


「いえいえ、そのような質問をされることも少なくなってきたので久しぶりにお答えできて嬉しかったです」


お姉さんはにっこりと微笑んでくれた。やばいな、惚れそうだ。

リリカもギルドカードを作り終えたらしい。

ギルドカードをお互い見せあおうとすると、


「おいっ!2人ともこっちの準備が出来たから来てくれっ!」


ルドルフの声が聞こえた。

まぁ、後でもギルドカードは見せあえるか。


「じゃあ、行こうかリリカ」


「はい、そうですね」

次回は用語の解説です

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