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新しい我が家、新しい家族

久しぶりです。ではどうぞ

「お待たせしました~。コーヒーのブラックです」


「・・・俺です」


「「「「「「・・・」」」」」」


あの数十分、俺達は無言のまま、向かいあっていた。なぜかと言うと







__________回想・夏奏_________


「そんじゃあ行くか、煉華」


「はい、相樂さん」


そう言い、席から立つ親父と煉華さん。取り残された俺たちは何事かと目を向ける。


「親父たち、どっか行くの?」


「ああ、世界旅行行ってくる」


「「「「「「「は?」」」」」」」


突然アホなことを言い出した親父。それを聞いて固まる俺ら兄弟と5姉妹。


「そうねぇ。帰って来るのは5年後くらいかな?」


「と言うことは何?今日から私たちだけで暮らせと!?」


「ああ。じゃ、宜しく~」


香緒莉の言葉に即答して、ポカーンとしている俺たちを尻目に、親父たちは出ていった。


「何か、うちの親父がゴメン」


「ま、まあうちの母さんも結構呑気だしね。お互い様よ」


祐羽と優梨の会話からして思った。

・・・ああ、似た者同士か、と。











☆★☆夏奏・回想終了★☆★









そして今に至る。


「・・・まあ、あれだ。こうして時間を潰すのももったいないし、新しい家に行くか」


花楓さんの声が、空気を断ち切る。家の住所は親父が俺に渡してきた。スッゲェ学校に通うのが嫌なくらい遠かった。








少年少女移動中












「・・・でかくね?」


ついた家は結構大きかった。多分一戸建ての家が2つぐらいの。家に入ってみても変わらず広かった。

前に住んでた家もデカかったが、この家はそのふたまわりくらい広くてでかい。

取り敢えず、皆で家の中を確認した。まず、この家は二階建て。一回はトイレと風呂、そしてキッチン付きのリビングが大半を占めていた。

二階はトイレと俺たちのそれぞれの部屋(祐羽たち中学生ズは同じ部屋)があり、俺の両隣が花楓さんと香緒莉、向かいが緋菜香さん、緋菜香さんの隣が中学生ズだった。


「・・・祐羽、俺は寝る。夕飯の時に起こしてくれ」


「ん、了解」


祐羽に一言告げて自分の部屋に行き、ベッドにダイブする。睡魔は直ぐに俺を夢の世界に誘った。











Side佑羽











「あれ、夏奏は?」


一通り見て終わった後、オレたちはリビングでくつろいでいた。その時、兄貴がいないことに気づいた香緒莉姉(話し合い(夏奏除く)で姉弟だからとそう呼ぶ様になった)が聞いてきた。


「あ~、兄貴なら、眠いって寝に行ったよ?」


夕魅と憂梨との三人でテレビを見ながら答える。

まあ、そろそろ起きて欲しいかな~?オトコってオレだけだし~?


「みんな~。ご飯できたよ~」


「すまないが皿を並べてくれ。香緒莉、夏奏くんを起こしてきてくれ」


二人で晩ご飯を作っていた花楓姉と緋菜香姉の声が飛ぶ。

いつぶりかな~?女性がつくったご飯って。オレが生まれてすぐに母さんは死んじゃったし。・・・あれ?もしかするとこれが初めてかも。


「分かった!」


「は、はい」


「うぃ~っす」


「もう、しょうがないわね」


しょうがないとか言いながらも笑みをこぼして兄貴のところに向かう香緒莉姉。まあ、一番歳が近い(というか同い年だけど)からかわからないけどすごい気にかけてたからな~。


「ほら、佑羽ちゃんも手伝って」


「はいはい」


緋菜香姉に言われ、皿を並べていく。


・・・兄貴、マジで早く起きてくれ。










佑羽Side out



Side夏奏


「・・・奏・・・さい」


誰かの声が聞こえる。


「・・・奏・・・きなさい」


その声はだんだんと大きくなって、


「・・・夏奏、起きなさい!!!」


「・・・爛条・・・?」


重い瞼を上げると爛条がいた。

そういえば俺寝てたんだっけと思いながら一つの疑問が浮かぶ。


「・・・夏奏・・・?」


「あー、そこらへんはちゃんと説明するから。もう晩ご飯が出来たから来なさい。私先に行ってるから」


「・・・ああ」


そう言い爛条は部屋から出ていった。

・・・俺も行くか。









・・・fromリビング・・・










「おはよう、兄貴」


リビングに入ると俺以外の全員が豪華な料理の前に座っていた。

佑羽の隣の席が空いていたのでそこに座る。


「結構寝てたね。昨日夜更しでもしたの?」


「・・・ベッドが前より質が良くなっていた」


「なるほど」


座ろうとしたら佑羽が問うてきたので答える。


「・・・これは?」


「わたしたちが作ったんだよ~」


「上手くはできたな」


どうやら花楓さんと緋菜香さんが作ったらしい。

テーブルの中央でグツグツと煮えている水炊きの鍋にツナの乗ったサラダ。

ほかほかと湯気の上がる白米。

こんな食事が遠い夢だと思っていた男だらけの生活も終わったんだなと痛感する。


「それじゃあ皆、手をあわせて」


「「「「「「いただきます」」」」」」


「・・・いただきます」


手を合わせてみんなで言い食べ始める。

目の前にあるシチューを一口頬張る。

あっさりとしたクリーミーな食感が口内を駆け巡る。


「美味い!女性が作った料理は美味しいね兄貴!」


目をキラキラさせながら口にしていく佑羽。

ふと見ると花楓さんと緋菜香さんが心配?(感情についてはよくわからない)そうな目で見ていた。


「ど、どうかな?」


「美味しいかい?」


・・・どうする?美味しいとか分からないんだが。

感情がなくなった俺からすれば食事は生きるための作業としか意識してないし。


「多分美味しいと思ってるよ」


「そうか?なら良かった」


「ホッ」


佑羽のフォローで安心する二人。

するとそこで香緒莉が


「じゃあ、肝心なことを決めましょうか」


そう切り出してきた。

どうでしたでしょうか?

アドバイスや意見、待ってます。

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