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感情のない俺に転機が訪れた日Ⅰ

初めまして!これから頑張っていきます!




少し文を加えました。








少し文を加えました。

神様は理不尽だ、世界は残酷だ。俺の中にはそんな思いしかなかった。

神を信じれば必ず報われる?確かに聞こえは良いが実際、報われる、つまり幸せになれるのはごく少数の人間だけであり、殆どの人間は普通の生活を送り、死ぬ。

何故は神は俺を生み出した?俺が生まれるぐらいなら他の奴が生まれた方が良かったに違いない。

そんなことを思いながらずっと生きてきた。


約100年前、地球上に幻想生物が居ることが判明した。更には妖怪、怪物、神さえもが人間の前に姿を現した。

人間も含む彼らは互いに武力介入をしない、襲わないと条約を結び、助け合って生きてきた。

50年後、人間に不思議な力を持つ者たちが生まれ始めた。

政府はこの力を異能(いのう)と名づけた。


俺、刹心(せつろ) 夏奏(かなで)には感情がない。名前の通り、心が死んでいる人間だ。

うちは俺と弟、バカ親父の三人で暮らしている。母さんは弟が生まれた後、癌で他界した。

俺は昔から感情というものを知らなかった。いや、もしかすると知っているのかもしれない。ただ、俺は昔から人の顔を伺って生きていた。そのせいで感情というものがわからなくなってしまったのかもしれない。

だからか、今、詩鳴ヶ丘しなりがおか学園高等部一年C組に進級した頃の俺にはもう友達という人がいなくなり、孤立するようになった。先生も俺がいるかどうかさえ忘れているだろう。


ついでにこの学園について話しておこうと思う。

此処、私立詩鳴ヶ(しなりがおか)学園は初等部から大学部までの一貫校であり、ある特定の条件を満たすと入学が出来る学校である。その条件は『異能』という特殊能力が備わっていること。異能とは百人に一人の割合で現れる特異な能力で、それは一人一人で違った能力がある。俺と弟もその異能があることがわかり、初等部の3年ぐらいからこの学園に入った。ついでにいうと、この学園では中等部から大学部までの間で《ランキング》というものがあり、異能の強さで決まる。まあ俺には関係のないことだけど。

もうひとつ付け足すなら、この学園ではクラスがA~Cまであり、異能の強いやつがA、弱いやつがCだ。


とりあえずこの話は置いといて、俺だ。感情がないから別に学校に来なくてもいいんだが、弟やバカ親父にいけいけ言われるので仕方なく行くことにしている。

ああ、また退屈な一日が始まるのか。教室の扉を前にして足がどっと重くなる。まず入ろう。扉を開け、窓側の一番前の席に向かう。


「おい、《最下位》が来たぞ」


「あいつって中学の時からずっとそうなんだろ?」


「あんなのでよく学校に来れるわよね」


五感蝶華(アナスタシア・ノア)とかいう五感強化の能力しかないんでしょ?そんなの今の幼稚園児でももっとマシなの持ってるわよ」


皆からの暴言と軽蔑の眼差しが刺さる。感情がない俺にはどうも感じないが。


「ホームルーム始めるぞ~。って刹心は来てるのか。別に来なくてもいいのに」


先生の言葉で皆が笑う。こうして今日も面倒な一日が始まるのだった。

























































だが、その日からの俺の生活は急に一変したんだ。




























































今日は理事長の孫の誕生日とかなんかで学校は昼から休みになった。

別に学校で何かをするということもないので普通に帰った。

俺の家は学園から見て東の方向にある住宅街にある。男三人だけにしては広い家に住んでいる。

とりあえず、荷物を自分の部屋に置いて隣の部屋に行く。まあ、俺の弟の部屋なんだが。


「あ、兄貴おかえり」


こいつは弟の刹心(せつろ)佑羽(ゆう)。一つの下で今は詩鳴ヶ丘学園中等部三年だ。


「お前、今日部活は?」


ついでに言うと、これでも陸上部のエース。なんかこの前も100mハードルで県大会一位だったはず。


「朝の親父の話聞いてなかったのか?なんか、重大発表があるとかなんかですぐ帰って来いとか言ってたろ」


「あのバカは騒がしいから無視ってた」


「一応あれでも親なんだから聞いとけよ」


「おい!聞こえてんぞ!お前らいつも俺にだけひどいな!?」


ドカドカと階段をのぼってきたいかにも暑苦しそうな奴は親父の刹心(せつろ) 相樂(さがら)。図体だけじゃなく、テンションも暑苦しい人だ。


「そんな事はどうでもいい、なんだよ重大発表って」


「なあ、夏奏。お前は何時も俺に対して冷たいよn「さっさと話せ」っち」


舌打ちしていかにも不満そうな顔をしたと思いきやすぐ真剣な表情になった。親父が真剣な顔になった時は本当に大事な事がある時だけだ。それを知っている俺と佑羽も真剣になる。


「実はな・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・再婚した。」


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・は?


「そんなんもっと早く言えよぉぉぉぉぉ!!」


ぽかんとしてしまった俺のかわりにすぐ理解した佑羽が突っ込んでくれた。


「佑羽の言うとおりだ。そんなの朝に言えよな」


「何言ってんの兄貴!?普通はもっと驚くでしょ!」


「いや、逆に冷静さを手に入れた」


「まあまあ。今から再婚相手の家族に会いに行くぞ。ついでに荷物まとめてこい。もうこの家売って新しい家買ったから」


「何当たり前に言ってるんだ。てか家売ってたのかよ」


真剣に聞いた俺たちが馬鹿みたいだ。佑羽なんか精神的ダメージで真っ白になってるぞ。


「つべこべ言うな。10分で支度しろ」


そんなことを言って自分の部屋に親父は向かった。




















・・・・・・・とりあえず、後ろから懐中電灯をぶん投げた。



























































10分後














































「よっしゃ、行くぞ!」


「会いに行くとか言ってたけどさ~、もしかして今日から一緒に住むの?」


「当たり前だろ。嫌ならどっかのホテルに泊まれ」


自分たちの荷物を持ち家を出る。今日からこの家ともおさらばか。

俺の場合は準備にあまり時間がかからなかった。持っていくものといっても着替えと携帯と財布ぐらいだし。

話しながら歩いていくと、親父がファミレスの前で止まった。


「いいか?今から会うのはお前たちの家族だ。いきなり仲良くなれとは言わない。だからといって毛嫌いはするなよ。特に夏奏」


「なんで俺なんだ」


「一応お前の事は伝えてある。だからと言ってそれに甘えるなよ」


つまり親父はもう向こうの人たちに俺の感情がないことを伝えているということか。

俺が頷くと親父が店の扉を開ける。





そこには意外な人物たちがいた。





















爛条(らんじょう)5姉妹








うちの学園では知らない人はいないほどの有名人がそこにいた。


長女の爛条 花楓(かえで)

大学部1年で大学部の生徒会長。

クールで優しいと有名。

腰まで伸ばしたストレートの銀髪。

スタイルはスレンダー的だがその容姿と性格がマッチしていいと話題。


次女の爛条 緋菜香(ひなか)

高等部三年であり、生徒会長。

長く伸ばした黒髪をポニーテールにまとめている天然系美人。

服越しからでもわかる豊満な双丘、きゅっと締まったくびれ、丸い安産型の臀部。

中等部から大学部にかけて大きいファンクラブがあるほどの人気。


三女の爛条 香緒莉(かおり)

高等部1年、つまり俺の同級生。

明るい性格で男女問わず友達が多く、面倒見のよさや、気配りなどができ、教師や初等部の子達に人気。

茶髪の髪をサイドテールにし、いつも腰に何かしらのストラップをつけている。


双子の四女の爛条らんじょう 優梨(ゆり)と五女の爛条 夕魅(ゆみ)

二人共、中等部三年、つまり、佑羽の同級生。

姉の憂梨はいつも明るく、妹の夕魅をひっぱているところを目撃されている。

妹の夕魅は内気で、自分からはあまり話さない。

いつも姉の誰かの後ろをついていのを目撃されている。


だが、驚くのはそれだけではない。

この5姉妹は全員ランキング30位ないに入るほどの異能を持った30の希志サーティ・ナイトであることだ。

30の希志サーティ・ナイトとは、《ランキング》30位以内に入っている者たちのことで、この人たちにはある程度の自由が与えられる。

そんな優秀姉妹を見て、俺は固まっていた。

隣を見ると佑羽も目を丸くして口をパクパクしている。

取り敢えずそうしよう、親父に言われるがまま、席に座った。


「じゃあまず自己紹介から始めましょうか。私は爛条 煉華(れんげ)です。この娘たちの母親です。どうぞよろしく」


花楓さんの隣にいた女性があいさつしてきた。俺もつられてお辞儀をした。


「・・・なあ、もしかして脅迫か?」


「ちげぇよ、馬鹿」


小声で親父に話しかけると否定された。


「次は私だな。私は爛条 花楓だ。よろしく」


「今度は私ねぇ。私はぁ、爛条 緋菜香って言いますぅ。どうぞよろしくぅ」


「私ね。私は爛条 香緒莉よ、よろしく」


「私は爛条 憂梨!気軽に憂梨って読んでね!」


「わ、私は、ら、爛条 ゆ、夕魅です・・・!」


一人ずつ挨拶をしてきた。てことは今度はこっちか。


「俺は刹心 相樂。こいつらの父親だ。よろしくな」


「オレは刹心 佑羽。よろしくお願いします」


「・・・俺は刹心 夏奏」


ぼそっと言う。あっちも俺のことは知ってると思うし。


「もしかして貴方があの最下位不能?」


「・・・ああ」


緋菜香さんが聞いてきたので答える。


「へぇ、貴方があの。別に普通じゃない」


「・・・?嫌がらないのか?俺は最下位不能だぞ?」


香緒莉の言葉に少し戸惑う。今までそんなこと、一度も言われなかったからだ。


「別に最下位不能でもお前はお前だろう?」


花楓さんが言う。


「それに、異能って自分たちが欲しいものと決まってるわけじゃないしぃ」


続いて緋菜香さんが言う。


「別に今は関係ないし。それに」


香緒莉が言って


「もう私たちは家族なんでしょ!」


「か、家族で、す」


憂梨と夕魅が言った。


それを聞いて少し胸の奥が熱くなるのを感じた。

もしかすると、これが嬉しいという感情なのかもしれないと思った。


「よかったね、兄貴」


「・・・ああ」


佑羽の言葉に返事をしながら思う



・・・・・・・もしかすると、この人たちといれば感情とはなんなのかわかるかも知れない、と。


この日から、俺の退屈な人生は、壮絶な人生に変貌を遂げた。

どうでしたでしょうか?誤字脱字や感想、アドバイス、待ってます!

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