4th
とても深い青空が木製の床一面に映り込む。
嵐は何時の間に去り嘘の様に晴れ渡った空を轟々と白く巨大な天候の渦がゆっくりと流されて行く。
バシャバシャと波紋をなびかせながらサクラちゃんが左舷デッキから飛び出して来ては。
4〜5m位のランチを西側に面した海岸に付ける為の船体から降ろす準備をするケイジくんとフェリアちゃんに向かい駆け寄る様が見る。
ブンブンと両手を振っては、二人に絡み軽くあしらわれているようだ。
やはり予想通りな展開にもう既に慣れたパターンに俺は少し苦笑していた。
そんな中、中央船室の見張り台にてリナちゃん。そしてこの某メ⚫︎ー号だかサ⚫︎ー号だか怪しげな船の責任者でもあるアスラのおっさんの、苦い表情で望遠鏡を眺めては密会中な様子が見える。
俺は嫌な胸騒ぎも手伝いアスラさん達に歩み寄り様子を伺う。
「あのー…」
「お宝探しの冒険所じゃないなこりゃ……かなり危険な事になって来たみたいだな。あの嵐で気付かなかったがあの国旗。海賊船でもなければ正式な」
「ええ、この天候図を含む海図は元々はクラスリアから齎した情報ですし。当たり前だけど大国の船が島探査に出張って来るのは予想どうりですし、彼方側は別の用事だと思えるわね」
「ええっと、密会中の所」
「しっ!静かに」
望遠鏡自体にある種の魔術を掛けているのだろか、一声かけようとしたままの状態で右手の平を向けられ待ったをかけられる。
「コルベット級二隻。大型の三本マストの軍艦だわ、人数にして260名って所かしら。あ、指導者はラクサスの?まさか!イッテル・イェーデ。あの成金公爵。噂じゃあまり良い話はなかったが…サクラちゃんがこの島に行く情報が漏れたのかしら。あまり関わりは厳禁だわね。あ、もう一人船室から出て来たわ
。真紅の民族衣装?やっぱりね」
コソリと五〜六百ヤード先の一部始終を刻々とリナちゃんが読み上げるように告げる。
それに合わせアスラさんが操舵担当にもなるカエルに手招きする。
未だ状況が分からず駆け寄るカエルに向かいアスラさんが小声で「ミズンマストのヤードを三分の一帆を」やら「両舷微速。取り舵28度。悟られないよう西側600ヤード先に見える岩山の影。波の色が違う浅瀬まで微速」やら、なんかかなり緊迫し始めたのか。
俺は、リナちゃんに上陸は一時取りやめを言われ、中央船室上のデッキから飛び降りケイジくん達に告げる。
そのままバラバラだったこの小さい船のパーティは、有事ことになれば一部を除き一団となる。
前回での大王イカ騒ぎやら、海域まがいなクラスリア小型軍艦との騒ぎ。更にあの突然吹き荒れた嵐と、 そんな経験が活かされているのかいないのか。
そっと海岸沿いに立ち並ぶ岩陰を経由し、逆側から軍艦に悟られないよいに航路を取る。
本来貴族や皇族関連の輩が出張る場所じゃなく。多分この島に生息する幻獣や精霊とかの密漁目的なのだろうか。アスラさんは俺を含み、本来護衛にもなるサクラちゃんには絶対にこの事は告げるなと。
そして、エルス島東側に面した岩に船は錨を下ろし渓流。
日が暮れる前に上陸するメンバー割り当てを済ませ、ランチを下ろし。俺を含むケイジくんとナビ担当のリナちゃん。そしてクーとカエルに続きフェリアちゃんを含むパーティーで禁断にもなるエルス島に足を踏み入れる。
禁断と言われる人が滅多に入る事を拒絶する精霊が居ると噂される島。
当然この島への観光は愚か、近づく事さえも禁止されている理由わけは少なからず謎が溶けて来たような気がする。
国家が裏側にて工作する様々な密漁。それを速やかに執り行えるようにする為当然民間旅行会社も協力し、グルになる。
しいて言うなら薄汚い貴族様の自らの多額過ぎる小遣い稼ぎにしてはあまりにもバカげている。
そんな嫌な物を思い出すように、薄汚れた愛用のアイマスクを懐から取り出しては見つめる。
遠い記憶。物心ついた頃唯一俺が持
っていた所有物。
泥水に打ち付けられるように庭師に叩きつけられながらの貧しい生活。
そうさ、あの地獄から手を忍べてくれた老夫婦。
そして貧しいながらも暖かい生活をしていた頃、その老夫婦は厳しい取り立てに……そんな中街外れで耳にしたトレジャーハント。
特にこんな生活をひっくり返すようなとびっきりなお宝。それがこの世界の何処かにあると言われた『世界の欠片』とかの伝説のお宝。
その噂を聞いた俺は身体中に何かが走った。それを絶対、どんな危険な事が待ち構えようが手に入れ。あの命の恩人の老夫婦を殴り殺した奴等。そして貧しい街の人々をあの鼻が高い貴族達を奈落の底に突き落とし。
――復讐?
「うん。”たい焼き”だな」
「え?」
そんな引き返しが効かない意識の暴走をそっと肩を叩かれ我に返る。
俺の暴走気味な思考をケイジくんは察知したかどうか知らないが、彼は確信したかのように「最高のたい焼きこそがお宝だ」と、真顔で告げる。
「だな」
「ああ」
「ねえ、二人してなにたい焼きでニヤニヤしてんだよ、気持ち悪い」
いや、さ、サクラちゃん?そんな怪訝そうな顔を向け。そんな嫌な表情は辞めて?たい焼きが大好きなのは俺じゃないからね?
未だうなづいてるケイジくんだから。
「ねえ、確か世界の欠片って、言い伝えによればアルカナ大陸の龍の巣とかにあるって聞いた事あるわ。でもその龍の巣自体無駄に広い大陸の何処を横断しても」
「ぶっちゃけその巣穴の話、スッゲームカつく?(なに?文句でも)いえ、辞めて頂ければなぁ〜です」
ありゃ〜、何か前方を地図を広げながら歩くリナちゃんに何故か喧嘩売ろうとしたカエルの奴。
速睨みをきかされビビりながら撃墜かよ。
無理もない、そのリナちゃんが聞いた噂の場所は昨年俺とカエルでやらかした場所でもある。
しかも、お宝自体は只の干からびたミイラのみ。
ま、昔の何処かの王様でもないお墓にいつの間に住み着いた翼竜の巣が人の噂を辿り負荷脂肪が付いたという事になる。
あん時は何故か翼竜の巣にカエルが自慢の水溶性スキルの魔術で洪水を作り当然そんな事をしたら。
『うん。忍法水攻めだってばよ!流石ガマガエルの!?忍jごぶぁ?』
「なぁ、この妖怪狐!そうか、そんなに水攻めが好きか、よしよし今から」
「許可する」
『んな?いきなり即答?意味分かってないよね?しかもソッポ向いて許可したよね?聞いてる?』
うわちゃぁ…又なんか、クーがカエルに突っ込み入れたみたいで賑やかに騒ぎ立ててるし。
しかも首根っこひったくりピチピチと陸揚げされた魚みたいに。この二人は何気に仲が良いというか?
「ねえ、ちょっとぉ!集中できないからこんな場所で遊ばないでよ」
何故か地図をマップスキル魔術を展開し、経路や位置を調べるリナちゃんの一言でカエル共々沈黙。
目の前に聳える小高い遺跡跡地が除く。多分それ自体が地図で言う目的地なのだが、その遺跡を遮るかのように抉られた断崖からざっと見て1500フィートはあろうか下から折り返し突風が折り返す。
「どうした?目的地は直ぐそこだぞ?行かないのか?」
「でもこれ、相当深い崖が見えないの?」
「吊り橋が何処かあるんじゃないのか?、だってほら」
『なあなあ、君達も早くこっちだよ』
「「「げェ…」」」
この絶壁を攻略すれば直ぐそこだが、何故?どんな裏技コードを使えば彼方側に行けるのか。
クーは、某人気ゲーのマ⚫︎オみたいに平然と彼方側でぴょんぴょんと元気良くジャンプしているように見えるけど。
なにやら怪しげなこの狐ちゃんにケイジくんにサクラちゃんまでもが目が点になり固まっている。
「あれは例外。ほら、吊り橋かなんかあるんでしょ?行くよ、それに」
フェリアちゃんは強気だなぁ。この某隠し通路ネタみたいな惨状を普通にスルーする所か、ライフルを持ち出しては背後から近づく気配にハニカムように笑顔を見せる。
「そうね。私達の気配を辿り、もうハイエナが嗅ぎつけて来たって事ね」
「まさか?」
「面倒くさい…あのツタを弓に巻きつけたからこいつを彼方側の岩に飛ばせるか?」
更に背後から俺達が通って来た茂みやうっそうと茂る森の中を複数の人影が見え隠れする。
それに気付く前にフェリアちゃんがケイジくんに渡されたツタを巻きつけた弓をライフルに突き刺し何かしらを始めるようだ。
「少し揺れるけど。ガマンして!」
その台詞後に距離にして500m先の突き出した岩目掛けショットをかます。
魔術的なスキルを浴び光明に輝くシュツルムファウストばりの弓が岩を貫く。カシリと軽い金属音を残しガチリと岩に固定。
同時に彼女の背後で用意したもう一方のツタをケイジくんがキツく結ぶ。
「よし、先ずは…先行してカエル」
「ありがたい。んじゃな流」
「ったく」
「で、次に……ふ」
「え?…ちょっと!正気な?(あきらめろ」
ケイジくんは先に先行させるサクラちゃんを臨時で用意したベアリングらしきものに固定。「ぎゃぁ」とまるで姫様とは思えない断末魔を後に半分楽しむように突き落とす。
シュルシュルと、ツタをベアリングがまるでロープウェイの容量で彼方側の崖まで聞き慣れた黄色い断末魔を残し、サクラちゃんが流され先行したカエルが無事にキャッチ。
更にこの後又もやフェリアちゃんに取られた俺の2丁拳銃を使い、パルパルと茂みに向かい牽制。
リナちゃんも同時に氷スキル魔術を発動し、24本もの鋭い槍が容姿無く森林事粉砕する。
あ、因みに二人共かなりケイジくんを含め”ドS顔”だったのは、言うまでもいが。
そして、最後の仕上げとばかり森林から追撃戦に持ち込もうと俺達が残したツタを渡り始めるラクサス兵士数名を妨害する為ツタを切断。
モブキャラに良く有りがちな。悲惨な悲鳴を上げ谷底に真っ逆さまになる様子を皮切りに、戦闘はなんなく終了。
あー…しかも俺は、あの三人を敵に回した相手側が谷底に流れる川から罵声を浴びせていたのがかなり気の毒に感じていたのも。
先行するカエルとクー。そしてサクラちゃんの後を追うようにケイジくんや俺達はあの小高い遺跡の中へ突入した。




