◇一日目◇
『「バ革命」世界』
作者…左傘蕨
原作…『バ革命』
原作者…天嶺
誰かの必死な声が聞こえた気がして、目を開ければいきなり目の前によくわからないファンタジーな光の塊が迫ってきていた場合どうすれば良いだろう?
次に目覚めた時目の前には真っ白な天井があった。
無機質で冷たい病院のもののようなソレに白い光を放つ蛍光灯らしきものが張り付いていてこの上なく眩しい。もう一度目を閉じようにも白い光が目の裏にも張り付きどうにも眠れないような気がして困る。
こういう時の心強い味方の筈だった愛用のアイマスクを下げようとしてその手は空を切った。
寝る時は勿論、風呂でもトイレでも食事でも決して手放さなかったソレがない。
流石に何か可笑しい気がした。家で寝てたはずなのに。
顔を横に向ければ見知らぬ顔が二つ。
申し訳なさそうな怪訝そうな、不思議な顔をしている。
片方は普通に普通を謳歌している俺からすればお関わりになることはなさそうなこと違いなしの、目付きが……その、素敵な、金髪の。
片方は俺とよく似た雰囲気を醸し出す普通の。
何方も恐らく高校生くらいだと思う。制服着てるし。
「……誰だ?」
「それはこっちの台詞なんだが」
お関わりになりたくないような金髪が口を開く。
でも少し心配そうな顔をしているから案外悪いやつでもないのかもしれない。いや、でも見た目が……。
「……どうでも良いけど眠いから寝て良い?俺のアイマスク知らない?」
「俺たちに興味なしかよ!五時間も寝っぱなしだった癖にまだ寝るのか!」
「なんだ、まだ五時間か。ならあと十九時間くらい足りてないな」
「一日中寝てるつもりかよ!」
「本当なら今こうして起きていたくもないんだ……」
「切実そうに言わないでくれ!お前が起きるまでずっと待ってたオレらが報われねぇよ!」
ノリが良かったのは普通の方だった。おそらく彼は突っ込まずにはいられない体質なんだろう。多分。
とりあえずずっと待っていたらしい彼らを労わなくてはならないのだろうか。そうしなくては寝れない雰囲気なら仕方があるまい。
ふと、ベットの横の小さな机の上に見慣れたアイマスクを発見。
奪取、装着。
「とりあえず、ご苦労様。俺はもうちょい寝るから暫く寝る。用があるなら十……数時間後によろしく」
「ちょ、待てよ!」
労ったし、寝ても構わないだろう。
いつも通り暗く閉ざされた視界の隅に白がちらつく。
「あ、それと電気消すのを頼む」
電気はきちんと消さなくては。
電気代の節約はとっても大事。
ーーー
ふと、珍しく目が覚めた。
もう一度眠ろうにも遠退いた眠気はどうにも戻って来ないらしい。
仕方が無いとアイマスクを上げる。
天井は暗く、閉ざされた白いカーテンもほのかに青白い色を帯びて閉ざされたまま。
よし、ちゃんと電気は消して行ってくれたらしい。
思い出すのは白くて丸いきらきら光って、偉そうな口調でわけのわからんことをまくし立てる光の球と、さっきまで隣で心配そうな顔をしていた、ような気もする知らない二人。
前者は夢だと思っていたのだがどうなんだろう。
現に今、俺は知らないところにいるけれど。だからと言ってなんだ。
もしかしたら道を歩いていたらすんごい速さで突っ込んで来た高校生の自転車に跳ねられて頭を打って病院に来ただけかもしれない。
寧ろその可能性のほうが高いか。
それなら全部説明はつく。
取り敢えず、現状確認はこんなものか。詳しい話は多分また来るであろう彼らにでも聞けば良い。
一通り考えて、そして考えることを止めればすぐに眠気は帰って来た。




