人国の王子様
「よく来た、ユーリアよ。」
そう言ったのは王様、つまり私のお祖父ちゃん。
で、
「きみがユーリア姫?噂以上に美しいね!ぜひ僕の妃にならないかい?」
「おいおい何言ってるんだ、ユーリア姫このような者は捨て置いてぜひ私の妃に。」
「お前達やめろ、このように美しい姫ならばこの私にこそ相応しい!どうぞユーリア姫我が手をおとりください。」
「ふんっ、なるほど確かに美しいな。我が妃にしてやっても良いぞ。」
・・・以下略
目の前にずらりと並ぶ煌びやかな男性達。そう、煌びやかな衣装の男性達・・・。
「紹介しようユーリア、人国の王子達だ。そなたとは従兄弟になる。」
や、やっぱり〜!!随分身なりが良さげな若者達かつ今日は近しい者しかいない顔合わせだ〜とか何とか言ってたもんね。
これが王子、王子達・・・
目を閉じてセリフだけ聞けば逆ハー築いたかのようですが、目を開けば・・・ふっ、さすが我が従兄弟達!!
異世界のくせに金髪碧眼イケメン王子出てこんのかーい!!異世界、王子、でイケメンじゃないなんて詐欺だ!!
地球で言うフツメンもしくはややブサメン王子達がイケてますオーラ全開で並んでいる。自分の平凡顔を棚に上げて言うのも何だけど、異世界でくらい夢を見させて欲しかった・・・。
しかも何が辛いって
「見てみろよ、あの大きくもなく小さくもない目。」
「それに高くもない低くもない鼻筋」
「細くもない太くもない身体つき」
「まさに神がつくりだした平均だよ」
「「「「あぁなんと美しい!」」」」
いや、それ悪口ですからねっ!!!!
全然っ嬉しくない!こっちはぱっちりお目目にすっきり鼻筋、細〜っい女の子に生まれたかったわ!!
しかも、
「でも、胸は大きい方がいいな?」
「「「・・・まぁな〜」」」」
そこは平均サイズがベストじゃないんかいーーーーーーっ!!!!!!!そこの小声聞こえてますからーーーー!!!
異世界フツメン王子達のせいでガリガリとメンタルポイントが削られ項垂れる。
「まぁお兄様ったらほんとに随分子沢山だったのね。流石、人国一の色男だった兄様ね」
呆れたように呟くママの声。
その声に改めて見回すと確かに多い。いち、にぃ、さん・・・うん、いっぱい。まだ小学生くらいの子もいる。えっ十歳から三十歳までの王子が四十人もいるの?どんだけ子沢山ってか・・やり・・仕方ないよね!揺らぎのせいで直系が少ないって話だったもんね!王族も大変だ・・・。ママのお兄様ちゃんって種付け上手・・・なんて下世話なことは考えてない。うん。
「どうだユーリア、皆なかなか見目良いだろう。我が王家は美形で有名だからな。何だったらこの中からそなたの夫を選んでも良いぞ。」
価値観の違いって怖いですね。隣のお姉さんが旦那の美的センスが許せないの!なんて愚痴ってたけどちょっと分かった気がするよ。あれはインテリアの話だったけども。
「何言ってんのくそジジイ!そうやってユーリアちゃんをこの世界に留めるつもりでしょう!いくら相手がお兄様の御子達といえ無理矢理結婚なんてさせたら許さないからね!」
「シェザール陛下、ユーリア姫様はイシュトゥール様より託宣を受けた御使い様であり失われし王の選択者です。恐れながら陛下といえども強制することはできません。」
ママとセリファさんがすかさず反論の声をあげる。助かります。イケてるぜオーラ全開のイケてない王子達とかほんと無理です。
「やれやれシルヴィアもセリファも煩いな。そのぐらい心得ておるわ。」
「ふんっ!どうだか!」
「御無礼を申し上げました。」
「良い。それよりセリファ、この場は身内しかおらぬのだ。そなたは我が妹の娘、そのように畏まらずとももっと気楽に過ごせ。」
おぉセリファさん親戚だったんですね。そっか数少ない力ある王族の姫ってセリファさんも含まれてたんだね。
「有難うございます。ですが第一巫女である以上務めでございますので。」
「そうか。そなたは相変わらず真面目だな。セリファには長い間負担を強いた。ユーリアが無事務めを果たせばそなたの願いも叶えてやれるだろう。」
「っっ!!ありがとうございます!」
「良かったわね〜セリファ!お父様、約束ですからね!!」
「分かっておる。セリファ、ユーリアの指導宜しく頼むぞ。」
「はい!お任せ下さい!残念ながら私は神殿を離れることができませんが旅の間も最高の者を供につけさせますのでご安心下さい。ユーリア姫様なら御立派に御使い様の使命を果たされるでしょう。」
そう言って此方を向くセリファさんに合わせて皆が一斉に此方を見る。
はいはい頑張ります!頑張りますから!いい加減このパターンにも慣れてきたけどやっぱり大勢に注目されるのって苦手なんでそんなに見ないで〜!!
「ユーリア。長きに渡りそなたの存在を知らず申し訳なかったな。女神様のおかげでそなたに会えたのを感謝しなければ。こちらの世界はまだ慣れぬだろうが宜しく頼むぞ。」
注目のなか王様に話しかけられ緊張してしまう。
「いえ・・・えっと正直まだ慣れないんですけど頑張ります。」
「そんなに畏まらずとも良いぞ。儂のことはお祖父ちゃんって呼んでもいいからな!」
そう言って笑う王様・・・お祖父ちゃん。笑うとちょっとママに似てるかも?そう思えば初めて親近感がわく。
「ありがとう・・・お祖父ちゃん。」
そう言ってお祖父ちゃんに微笑むと、
「ぐふっっ!女神様の微笑みだ!」
「あぁ美しい!やはり我が妃に!」
従兄弟達が五月蝿いです。
お祖父ちゃんは目を開いて固まっている。
「そなたはアイリアの面影があるな。シルヴィアには・・・似てないな」
アイリアってのはお祖母ちゃんらしいね。とっても美人で有名だったらしいけど、私はどうせならママに似たかったんだけどね!
「余計なお世話よ!どうせ私はお母様と似てないわよ!それよりも今日は何なの?まさか本当に王子達の顔見せだけじゃないんでしょ?」
「そうだな。それもあったが、リュシアス、前へ。」
途端、従兄弟達がざわつき出した。
「あいつ来てたのか?珍しい。」
「なぜあいつが呼ばれてるんだ?」
「さあ?」
リュシアスって誰だろ?従兄弟ではあるようだが何だか訳あり?
「お久しぶりでございます。陛下。」
そう言って礼をしたのは、麗しボイス様もとい紫の仮面の人だった。




