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たんぽぽとどんぐり
あくる朝、ものずきのセシルは、たくさんのたんぽぼを庭でつみました。
『これで、あやかしもこころを開いてくれる。』
セシルは、大きな森に行ってくちぶえであやかしを呼びました。
『なんだ。またきたのか。くちぶえなんかで呼びやがって。』
あやかしは、めたらめっぽうたんぽぽの入ったカゴをセシルから奪うと、こういいました。
『たのむから、もうこないでくれ。』
『あなたのびょうきを楽にしてあげたいの。』
『なんだ。おまえはいしゃなのか。いしゃはとくにきらいなんだ。もうくるなよ。』
ほんとうは、あやかしは、来てくれるセシルがすきになっていましたが、セシルが帰るときのこころのいたみが、ぎゅうぎゅうとして、つらかったのです。
あやかしは、こころがいたむままに、たんぽぽでたべものをかいました。
セシルのまちのはずれで、セシルに気づかれないようにかいました。
『ふん。パンが3つかえるだけか。オレのどんぐりのほうがたくさんあらあ。』
あやかしは、真っ暗な森にノスノス帰っていきました。




