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第9話 救われたレベル1

休みの日、リエラは、チェルシーとアイリーンと王都に来ていた。1回だけ買い物に来た事はあるけど、護衛がいたのもあり最低限の買い物しかしなかった。だから今日は2人が案内してくれるというので楽しみだ。雑貨屋さんや洋服屋さんなどかわいいお店がたくさんあった。歩き疲れたのでカフェでお茶する事にした。

「リエラ、正式に総務課に配属だってね、おめでとう」

「一緒に働けるね、嬉しい」

チェルシーとアイリーンが喜んでくれた。

そう、来月から正式に採用される事になった。

「でも、1週間に1回は魔法研究所に研究補助で行く事も決まったの」

「それは忙しくなりそうだよね」

「忙しい時期はそっちは休みにして貰えるからって部長が言ってた」

「そうじゃないと総務課が無理。リエラ、頼りにしてるよー」

「明日からまた忙しくなるからね、今日はゆっくり楽しもうね。次は何見たい?」


「だーかーらー、何で割れるんですか」

今日は魔法研究所で研究補助に来ている。

属性を入れた魔石に魔法で上書きをして2属性持たせるというのを試している。

何故か魔石が割れてしまい成功しない。何回やっても同じ。

「教えてもらった通りにやってます」

「やってたら割れません」

「私にだって分かりません。もう2属性入れるならこれでいいですよね?」

と2属性の魔力を入れた魔石を渡した。

さっきまで周りで笑っていた研究員達がざわめいた。「えっ、何あの子本当はすごいの?」て呟いた人にみんながうなずいている。またその反応…。

「それならこっちは?」

と別の属性を組み合わせた魔石を作った。

「すごいですね、他にはどの組み合わせが出来ますか?」

デリーさん興奮しすぎです。あ、周りもだ。

結果、色々な組み合わせの魔石を作らされて大変な目にあった。

そして、魔力測定器も出てきて私の魔力を測定する。なんか私が研究されてませんか?


次の週、研究所に行ったらデリーさん以外にも何人かいた。

「実は先週から考えていたのですが、この研究には闇属性が関係しているんじゃないかと推測しました」

デリーさんは今日も興奮している。

「リエラさんに作ってもらった2属性の魔石。闇属性との組み合わせだけは出来ませんでした。実は僕の研究でも闇属性は上書き出来なかったんです。ちなみに闇属性と光属性は単体でも属性を入れられないのは知っていますか?」

「いえ、知りませんでした」

リエラは考えてみたらやった事ないと思い、魔石を手に持ってみた。

「本当だ、出来ません」 

「光属性も他の属性と組み合わせが出来ませんでした。それはリエラさんで実証済です」

こないだ色々作らされた時か・・・。

「という事で、闇属性を含む複数属性持ちの研究員に実験に協力してもらいました」

「そうすると上書きは全員成功しました。闇属性を持っている事が重要だったんです。これで

上書きの2属性魔石の研究は完成です。リエラさんありがとうございます」

「おめでとうございます。じゃあ私もお役御免ですね」

「いえ、次はあなたの研究をします」

えー、逃げたいです。

「上書きできた研究員は2属性の魔力を一度に入れられなかったんですよね」

「他に条件必要あるのでしょうか」

さっき渡された資料を見ていたが何も分からない。

(それにしても研究員の人はみんなレベル高いんだな)とうらやましくなった。

「みんなレベル高いから作れないとか?」

なんて負け惜しみにしかならない事を言ってみた。

「なるほど、そういう事もあるかもしれないですね」

デリーさんの目が光った。あ、余計な事言ったかも。


総務課が忙しい時期になったので、しばらく研究所はお休みしていた。

そこに魔物が大量発生したとかで騎士団が遠征に出ることになった。

その遠征の準備に加えて、魔石が足りないとかで魔力を入れる手伝いにアデルさんといった。

火属性の魔石を大量に欲しいと言われ魔力を入れていたら、そこに騎士の人が

「火属性よりも氷属性の魔石も必要になった。今回の魔物には氷属性の方が効果があるそうだ」

と飛び込んできた。

ほとんど火属性を入れてしまったので、属性なしの魔石が残り少ない。倉庫に取りに行ってくれることになった。

「この魔石、氷属性に変えられたらいいのに」

とリエラが言うと

「1回魔力を入れてしまったら無理だな」

とアデルさんに言われてしまった。

リエラは魔石を眺めながら、闇属性が上書きに関係しているなら属性を消すことができる属性もありそうだけど・・・。そういえば光属性ってどんな事が出来るんだろうと思った時、魔石が熱くなった。

あれ?と思い、他の火属性の魔石を手に取って光属性の魔力をいれてみた。そうしたら魔石が熱くなった。

「アデルさん、これ見てください」

「属性のない魔石だな」

「そうですよね。でもこれ、元は火属性の魔石です」

「は?勘違いじゃないのか」

リエラは火属性の魔石を手に取り、光属性の魔力を入れた。そしてそれをアデルさんに渡した。

渡された魔石を見ながらアデルさんは

「これ、また大騒ぎになるぞ」

と言う。

「何でですか?属性消えただけですよ」

「今まで出来ないと言われてきてたんだ。それをひっくり返したんだから大騒ぎになるだろう」

「あー、私やっちゃいましたかね」

「間違いないな」

とりあえず属性無しの魔石がくるまで、魔石の属性を火属性を氷属性に変えておいた。


次の日、やっぱり魔法研究所から所長とデリーさんが来て大騒ぎになった。

もう報告が言ったようだ。

「何で光属性で魔石の属性が消せたのかのか分かりません」

デリーさんにしつこく質問されたけど私だって分からない。

「なぜ属性を消そうと思ったんですか?」

「だって、上書きできるなら、削除も出来るかなぁと思って」

「普通はそんな事思いませんよ」

元の世界では仕事でパソコンを使ってたから上書きも削除も当たり前に使っていたんだ。でも、それは言えない。

「なんとなくです。それより総務が忙しいので仕事に戻っていいですか?」

デリーさんの勢いに耐えられずリエラは逃げ出した。


しばらくして魔法研究所から2属性を持つ魔石とその作成条件についての発表があり、世の中を驚かせた。隣国のスパイの事もあり、早々と発表してしまおうという事になったようだ。

魔石に2属性を一度に入れるのは、闇属性を含む複数の属性持ちで、持っている属性がレベル1の人しかできないと分かった。また、属性を消すのは、闇属性と光属性を持っているレベル1の人ならできると分かった。この発表で1つの魔石に2属性入れられるのと同じ位注目されたのがレベル1の人じゃないと出来ないという事だ。今まで馬鹿にされる事の多かったのに役に立つレベルとなったのだから。


リエラは、魔法研究所に行った時にデリーさんに

「ドライヤーに、風と火の属性を持った魔石を入れたのを作ってみたいんですけど」

と相談をしてみた。

「ドライヤーには風の魔石を使っているので交換すればいいので簡単にできますよ」

と交換してくれた。

予想通り温風がでた。これは髪を乾かすのが楽になりそうだ。

それを見たデリーさんはどこかに走っていってしまった。


しばらくして、2属性の魔石を作る条件を持っている人が通える学校が魔法研究所内にできた。ここで学んでもらって、魔石に関係した仕事を紹介するそうだ。近いうちに寮を用意して、色々な町からも受け入れる予定になっているようだ。

全部レベル1の人は、複数属性持ちでも、かなり肩身の狭い思いをしながら生活をしていたので応募者が殺到していると担当者がこぼしていた。

「あなたのせいですよ」

リエラは、魔法研究所の所長に会った時に言われたので、何の事だろうと思ったら

「ドライヤーに2属性の魔石を入れた事が広まってしまい、予想以上に魔石が足りなくなってしまったんですよ。

他にも2属性の魔石を使ったら便利になりそうな物の研究も始まっているので研究所も手が足りていません。責任を取って研究手伝ってもらいますよ」

「あー、そういう事ですか・・・。」

「リエラさんには感謝していますよ。私の娘は、4属性のスキルがあるのですが、レベル1なんですよ。

友だちの中にはからかってくる子もいたので、自分の属性を嫌がっていたのですが、今は明るくなりました。あなたのおかげです。」

「少しは誰かの役にたてたならよかったです」

少しは研究に貢献できたのかもと思うと嬉しい。


リエラは、全部レベル1と聞いて神様を恨んだ事もあったけど、今はこれはこれでよかったのかもと思っている。

チートどころか人に残念と言われるスキルだったけど、自分のスキルを研究に生かしてくれた人のおかげで救われた。そしてたくさんの人を救ってくれた。

働く場所ができて友達もできた。この世界で生きていけそうって、やっと思えるようになった。

次は・・・、やっぱり恋人欲しいな。


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