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第6話 危険なお守り

早いもので騎士団に来てから1ヶ月がすぎた。

最近はチェルシーやアイリーンに教えてもらって資料作成の仕事をしている。そして、たまに属性入りの魔石作り。討伐の前や後に魔石が必要になり呼ばれる事が多い。


そして、今日は待ちに待ったポーション実習の日。実は騎士団ではポーションを結構な量必要なので、騎士団に入ったら必ずポーション実習というのがあり練習をするそうだ。

「おい、どうやったら焦がせるんだよ」

「え、教えてもらった通りにやってます」

教えてくれるのはケインさん。総務課にもっとポーション得意としているジャンさんがいるけど忙しすぎてあまり事務所にいないんだ。私も1回しか会ったことない。

「ポーション焦がす人間初めて見た」 

「それは最初だから…」

「最初から上手にできる人の方が少ない。だけど下手すぎる」

その後、何回も試したけど全部焦げた。

作り方はガラスの容器に水と薬草を入れるだけという簡単な作業。どの薬草を入れるかによって出来るポーションが違ってくる。うん、作り方は本当に簡単。水が入ってるのになぜ焦げるのか謎。

「おまえ、適正ゼロだな」

「えー、ポーション作れるようになりたいんですけど」

「いや、絶対無理だ」

こうして、ポーションを作れるようになりたいという夢は崩れ去った。

「おまえ、本当にすごいのか残念なのか…」

「それ、ひどくないですか」

「全属性持ちなのにレベル1。魔石は出来るけどポーションは壊滅的とか。極端すぎるだろう」

「まあ、そうですね。それ言われると確かに」

「いやいや、魔石に魔力を入れられるんだから残念じゃないし、すごい事だよ。人には向き不向きがあるんだよ。まあ、ここまで酷いとは想像してなかったけど」

アデルさん、それ助けてくれたんですよね??

そして、みんな笑いすぎ。

「だってー。焦がす人多分初めてよ」

「ほとんどの人は1回は成功してるよね」

そうですか、分かったからいい加減笑うのやめて下さい。

「まあ、事件の関係者が見習でくるって言うから警戒してたけど、初日から想像超えてきたよな」

「えっ?それはどういう事ですか?」

「お前、要監視者だろう。見習とはなってるけど、仕事なんてしないでのんびりしてるだけだろうと思ってたんだよ。だけど初日からしっかり仕事していたからな」

みんな、うんうんとうなずいている。

「あの量をすごいスピードで片付けてた。みんなどういう態度で接したらいい悩んでたんだけど、そんな考え吹き飛んじゃった」

と、チェルシー。

「うん、仕事もどんどん覚えてるしな。頼もしいよ」

と、ジョージさん。

「事件解決してもずっと一緒に働こうね、でも2度とポーション作っちゃ駄目よ」

アイリーンはまだ笑ってる。

みんなが認めてくれてた、それが嬉しくて私も一緒になって笑ってしまった。


「総長、ご足労いただきまして申し訳ありません」

ある日の夕方、王立魔法研究所の所長リチャード

・イーガルに、騎士団総長と第二騎士団長が内密に呼ばれた。

「結果がでたとか」

リエラが薬屋からもらったプレゼントが気になった第二騎士団長はリエラから預かり、魔法研究所に分析を依頼していた。プレゼントは小さなお守り袋で直径7ミリほどの球体が2個入っていた。

「はい、あれは超小型の時限爆弾でした」

「あんな小さい物が?すごい技術だな」

「なぜそんな物をあの薬屋は渡したんだ」

「そして、もう1つ。来月の1日に爆発するようタイマーがセットされていました」

「何、あの大きさでタイマーまで?すごい技術だな」

総長は技術の方が気になるようだ。

「1つは火薬玉にかわいいコーティングがされていました。もう1月は火属性の魔石でこちらにタイマーがセットされていました」

「ほう、火属性のタイマーが発動するとその熱で爆発するのか」

「それを分析した所、爆発予定は来月の1日でした」

「その日は確か騎士団の練習開放日ですよね?」

第二騎士団長が気づいた。

「はい、恐らくその日に何か仕掛けてくるのでしょう」と魔法研究所所長が返事をした。

「やはり、薬屋は隣国のスパイなのでしょうか?」

「間違いなさそうだ。それより、これは大掛かりな対策が必要ですね。魔法研究所の力も借りたいのですが」

騎士団だけで対応するのは危険と判断した総長は、魔法研究所所長に頭を下げた。

「もちろんですよ。国王にもそろそろ報告が上がっている頃と思いますので、そちらとも協議をしましょう」

「隣国は何が目的だと思う?」

と総長は所長に質問をした。

「そうですね…、実は最近、魔石に魔法を上書きして1つの魔石に2属性持たせるという研究が始まっていて、かなり完成には近づいています。少し前にその研究員が狙われたので、それではないかと私個人的には考えています。

「なるほど。それだとリエラ・ベルマンは関係ないよな?」

「全属性持ちで魔石に魔力を入れられるのですから利用価値は高いでしょう。うちの研究員も興味を持っているのが何人かいますよ」

「そうか、確かにそうだな。しかし、彼女は要監視者だ」

「わかっていますよ。監視対象から外れたら研究所に来てもらいたいと思っています」

「私はどちらでも構わない。本人次第だな」

「とりあえずは騎士団開放日の事を考えましょう」

第二騎士団長は頭を抱えた。 そして警備体制について他の団長と相談すると部屋を出て行った。

「見学者を制限する訳には行きませんか?」

所長は、中止にしてもいいのではないかと考えていた。

「一応、国主催だからな。我々ではなんとも」

「彼女が騎士団預かりというのは、薬屋は知っているのですか?」

「町に出る時に話していると思う」

「そうですか。では爆発に乗じて何かを計画していると思った方が良さそうですね」

「時間までは分からないのか?」

「今の所は…。解析進めますよ」

「しかし、2属性持ちの魔石なら魔法研究所が狙われるのではないか?騎士団は関係ないだろう」

「魔法の研究場所として騎士団の空いている倉庫を借りている事はご存知ですよね?」

「ああ、建て直しが決まっている倉庫だろう。爆発の可能性があるから貸して欲しいと…。もしかしてそこで?」 

「はい、最初の頃は失敗して爆発ばかり起こしてたので、研究所では危なくて。それで倉庫を借りたんですよ。爆発しても構わないと言ってたし」

「機密事項扱いだからこちらには研究内容は知らされていなかった。じゃあ、騎士団が狙われるのは当然か。だったら協力してもらうぞ、こっちは巻き込まれた側だからな」

「まあそうですね。最近は爆発する事もないので念の為、大切な資料は全て研究所に移動させますよ」

「そうだな、それがいい。

後は、薬屋も捕まえたいな。これは騎士団で対応しよう」

報告だけの予定が大変な事になったと、騎士団総長と魔法研究所所長もため息をついた。

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