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あきらかなだまし絵  作者: 喜多河 済
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車内での事件

 明子は都会のある高層ビルに住む若い女子社員であった。なかなか大きい企業の事務を勤め、業務成績もなかなかのものだった。単調でも規則正しい毎日を過ごし、性格もまあまあ明るいほうだったろう。周囲の評判も悪くはなかった。しかし、やはりどうも飛びぬけた才能というものがない。明子は明子で、その現状にうんざりしている節もあった。

 ある日明子が電車に乗って通勤をしている最中、突然車内に銃声がひびいた。明子は慣れぬことにあわて、隠れながら周囲を見回したが、周りにいる人物たちはみな平然としていた。明子はふしぎに思いながらも恐怖は収まらず、自分の勤める会社のある駅に着くまでは人の間に隠れていた。だが、それ以上の異常は起きず、明子は何とも言えぬ、きつねにつままれたような気持で出勤することとなった。

 明子が会社に入ると、いきなり同じ課の人がおどろいたような顔をした。明子はわけがわからず、とりあえず友人に聞いてみることにする。すると、友人はこう答えた。

「あなたってあの線を使っているでしょう。今朝、いつもあなたが乗っている時間の車両が、電車を乗っ取ろうとした男の銃声のせいで横転してしまったの。だからかわいそうにねえ、って話していたところにあなたが来たのよ。いつもと違う電車に乗るなんて、あなたも運がいいわね」

 明子はとりあえず笑って済ませたが、まだ心が晴れないどころか、余計に深刻な問題となってしまった。一体あれはどういうことなのだろうか…。

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