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俺の君への鎮魂歌  作者: 136君
7/49

♪7

 桜花が死んでから7日後。俺は思ったよりもいつも通りの自分に驚いていた。


「まさか、ここまでとはな―」


これに続くのは、「あいつが軽い存在だった」とか、「あいつの事をそこまで大切に思っていなかった」とかではない。ただ、「あいつは俺の中に生きている」。それだけ。


 なんとなくカッコつけた言葉になっちゃったけど、それ以外の言い方を俺は知らない。


 「もうちょっと喋りたかった」とかそんなことを思うときもある。そんなときはいつも歌詞が降ってきて、それを桜花に宛てて文字にする。そんな1週間だった。


 これで桜花が辿り着くまで1/7かと思うと、結構長いのかなって思う。これは俺が勝手にやってること。桜花に言えば「そんなことより、学校行きなよ」なんて言われそうだけど、残念ながら、こっちの方が楽しいんだよな。


 さてと、降ってきたことだし、今日も書くか。


『結局君は僕の中の僕を

ちょっとしか齧ってないんだろうし

折角君に教えてもらったことも

ちょっとしか覚えてないんだろうし


使いもんにならないこの頭

なかなか動かないこの体

周りを凍てさせるほどの言葉が

この身体に突き刺さる

深く深く 僕を壊してって

やがて塵になるでしょう


0.1428571429ぐらいの君は

1と0の僕のプログラムに虫を仕込んで

1/7ぐらいに小さなビックバンを起こし

僕の元を去っていった

僕は呼び止めなかった



結局僕は君の中の僕を

ちょっとしか分かってないんだろうし

だからって僕はその僕の像を

一切見ようと思わなかったし


何にも動かないこの頭

理想像だけの君の影

周りの視線なんか気にしないが

この身体に突き刺さる

赤く赤く それは染まっていって

やがて地に堕ちるでしょう


0.1428571429ぐらいの君は

0か100かより何故か50を求めていて

7/7くらいに大きく光り輝き

僕の元を去っていった

僕は呼び止めなかった



理想論なんて物足んない

優柔不断って言われてもいい

君のこと 君の影しか

目に映らなかったから

1でも0でもなくて たった1/2しか

嗚呼 残念な生き物だ


0.1428571429くらいの君は

顔を隠しながら僅かに涙を見せて

1/7の闇に消えてなくなって行くだけ

嗚呼届かなかったんだ

僕は手を伸ばさなかった』

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