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俺の君への鎮魂歌  作者: 136君
45/49

♪45

 久しぶりに食卓を囲んで食べるご飯は美味しかった。いつもは部屋で食べていたから、誰かと食べる美味しさを忘れていたようだ。


「ごちそうさまでした。」

「ふふっ」

「どしたの母さん。」


母さんは頬杖をついて、微笑みながら俺のことを見ている。何か面白いことでもあったのだろうか。


「引きこもってる間に、随分と大きくなったね。」

「そうかな?身長はあんまり変わってないと思うけど。」

「んーん。人として。」


そのまま母さんは俺の頭を撫でてくる。避けようとするが、撫でられておきなさいって圧がして諦めた。


「落ち着いたの?」

「どうやろうね。玄関のドア開けようとしたら発作出るかもしれんけど、とりあえず、部屋のドアはどうにかなりそう。」

「よかった。どうする?このまま家の中にいてもいいと思うけど。」


母さんは俺の心を見透かしたように訊いてくる。やっぱり敵わないな。


 外に出たい。けど外が怖い。だって、色んな人がいるから。根からいい人もいれば、いい人の仮面を被っている人もいる。そんな人のことを信じられなくなって引きこもったんだから。


「いつか、ね。」


いつか、信じられる人に出会えたときにそうしよう。そう思った。


『揺れる鉛筆の先に 隠しているDestiny

 偽りである証明を 書いてみたくてさ

 忘れ去った日常に 隠しているHistory

 目の前の光景も 信じられなくなって


 積まれた空き缶 僕のことだけを

 考えていた

 傷つけた左腕も 痛くなくなった


 いつかきっと 僕のことを

 許せるようになったら

 もっと 愛されたいと

 願えるのかな

 ずっと 思い描いてる

 365日の設計図を

 組み立てて 君に届くように

 僕は僕なりの日々を描いていこう



 破り捨てた紙切れは どこにあるのか知らない

 切り捨てたことばかりを 考えてばっかさ

 弄れちゃった心の中 巻き戻したMemories

 現実なんて嘘っぱち 信じられなくなって


 脳内フィルム 君のことだけを

 映してきた

 締め付けられた心も 痛くなくなった


 もう一度 あの青空に

 踏み出せるようになるまで

 僕のことを

 見てて欲しい

 ずっと 流せなかった

 涙も過去もエゴさえも

 流しちゃって 君のところまで

 僕は僕なりの何かを作っていこう



 いつかきっと 僕のことを

 許せるようになったら

 君を 抱きしめたいと

 思えるのかな

 未来 過去 全て変えられたら

 僕は正直になれるかな


 いつかきっと 人のことを

 信じられるように

 なりたくて 心の奥が

 痛くなるんだ

 ずっと 許せなかった

 108個分の設計図を

 組み立てて 君に届くように

 僕は僕なりの日々を描いていこう』

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