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俺の君への鎮魂歌  作者: 136君
38/49

♪38

 幼い頃って、我ながら恥ずかしいことばっかしてたような気がする。


 その1つが、俺と桜花の間だけのおまじない。クラス替えの度に、違うクラスになるのが嫌だからってやってきたおまじないだ。


 クラス替え当日の日の登校のときに小指を繋いで登校する。いたってシンプルなものだが、やっぱり周りの目もあるので、少し恥ずかしさもあった。そのお陰で、1回も別クラスになったことはないけど。


 そのおまじない、なんと中学生でもやっていた。さすがに登校時ずっとでは無いけど、人が多くなってくる表の道に出るまでは繋いでいた。我ながら危ないことをしていたと思う。でも、桜花はそんなの関係なしに小指を出してくるので、繋がざるを得なかった。嬉しかったけど。


 昔のことを思い出したからか、ふと小指を見てみる。今まで何回も繋いだ小指。恥ずかしさと嬉しさと寂しさが織り交じったこの感情の名前はなんだろうか。俺には分からないままだ。


『アスファルトの上

 繋いだ指先を

 強く握りしめてみた

 君の体温で

 溶かされそうなほど

 僕の心は凍ってた


 見えないものは見えなくて

 知りたいことは知らないままで

 正面から向き合おうとしないままで

 君を知っているフリをした


 愛とか恋とか分からんしさ

 この心の奥底に震える

 僅かな揺れの名前は

 きっと一言では表せない

 泣きそうなほどに切ない感情が

 押し寄せてくる

 君の小指の隙間から



 アスファルトの上

 繋いだ小指の分

 消えない感情があって

 全て忘れても

 どこかに残ってるもの

 それを君だと感じた


 やるせないこの悲しさも

 許せそうにないこの弱さも

 正面から向き合おうとしないままで

 僕を知っているフリをした


 愛とか恋とか分からんしさ

 この心の奥底に生まれる

 僅かな痛みの名前は

 きっと夢の中じゃないよね?

 頬っぺたつねったらちゃんと痛いしさ

 だからそうだろう?

 縁もゆかりも無いことだろ?



 人のつながりは綻んで

 いつか忘れて消えてしまう

 それでもある繋がりを

 本当の友情だと思う

 明日は明日と夢を見て

 希望探して眠りにつく

 そんなの戯言だって知っている


 愛とか恋とか分からんしさ

 この心の奥底に震える

 僅かな揺れの名前は

 きっと一言では表せない

 泣きそうなほどに切ない感情が

 押し寄せてくる

 君の小指の隙間から』

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