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俺の君への鎮魂歌  作者: 136君
36/49

♪36

 桜花との日々を思い出していたときに思い出したことがある。


「たしか、ここら辺に、あったはず…おっ!あったあった!」


それは桜花が幼い頃に書いた歌詞。まだひらがなもぐちゃぐちゃで、『く』とか『ん』が逆になってる頃のものだ。


「懐かしいなぁ〜」


おそらく、桜花も覚えていないだろう。こんな紙切れ1枚のことなんて。


「この歌詞渡された時、何かが分からんくて『すご』しか言ってなかった気がする。」


改めて思えば、この頃から桜花は音楽に興味があったのかもしれない。いつも、俺が「これ聴いて」って言われる側で、だんだん同じようなジャンルが好きになっていったっけ。それで、部屋で音楽かけ始めたら、「これ好き」って。あの時の目は綺麗だった。


「桜花には悪いけど、今日はこの歌詞をアレンジしてみますか。」


そう言って作詞ノートを開く。何曲書いたか分からないけど、『NO.』の横に『35』って書かれてるから、ここ1ヶ月でそれだけ書いたことになる。


「飽きっぽい俺がこんなに続くなんて、奇跡だな。」


こんな趣味を教えてくれたのも、桜花のお陰だ。


『君の声に僕の声が混ざり合うとき

 幼かった頃の日々が重なっていった


 目を瞑りそうになるくらいに

 眩しいメロディが

 僕の心を貫いた

 It's a critical hit.

 危ない遊びはおままごと

 夜まで騒いで

 待ちに待ったお泊まり会

 事件は起きないや


 期待して眠ったあの日の夜は

 脳内メモリがはち切れそうでも色褪せない


 君の青に僕の春が混ざり合うとき

 理想だった毎日が始まる気がした

 「ずっと一緒」って不確定な仮定を集めて

 誓い合った「孤独な溝、埋め合おう」ってね



 隠し通せやしないほどに

 溢れた感情が

 僕の心を満たしてった

 It's a critical hit.

 危ない遊びは禁止だと

 ママに言われたけど

 僕らはそんなの知らんしさ

 勝手に飛び出した


 期待して眠ったあの日の夜は

 脳内メモリがはち切れそうでも色褪せない


 君の影と僕の影が並んで歩けば

 通り過ぎた足跡は光って見えるの?

 言葉なんて薄っぺらい誓いはいらない

 紙とペンで紡ぎ合おう 僕らのカタチを



 君の青が僕の影に隠れてしまえば

 きっと君は出ていこうとしてくれないから

 過去も未来も今でさえも見つめて気づけば

 (消しゴムで消した跡)


 君の青に僕の春が混ざり合うとき

 夢の中で思い描いた日々がやってきて

 傷つけあって笑いあって そんな日々だから

 他の何にも縛られない 僕らのカタチは

 君とのリズムで 描けるはずだよ』

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