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俺の君への鎮魂歌  作者: 136君
34/49

♪34

 今日も今日とて俺の部屋。いつもなら学校から直で俺の部屋に来るのに、今日は自分家に寄ってから来たらしい。珍しく私服姿だった。


「今日からは彪河に筋トレしてもらいます。」

「はぁ?」


勉強道具を持ってくるにしては大きな鞄だと思っていたが、まさか、ダンベルを入れているとは。


「彪河は何kgなら持てるかな?」


そう言って俺の前に置かれたのは500g、1kg、2kg、3kgのダンベル。これが2つずつあるから、家から13kg持ってきたのかこいつ。


「お前スゲェわ。」

「何が?」

「いや、何も。」


 とりあえず、500gから。これは余裕そうだ。まぁ、そうだろうなとは思ってたけど。


 次に1kg。これも大丈夫っぽい。ちょっと力がいるが。


 2kg。持てんことはない。ちょっと力がいるが。


 3kg。まぁ、ギリ持てる。ギリな、ギリ。


 少し休憩していると、横で桜花が作業し始めた。


「じゃあ、5kg持ってみようか。」


桜花は2kgのダンベルと3kgのダンベルを紐で結びつけて、5kgのダンベルを作った。


「まさか、このためにこんなけ持ってきたんか?」


こうやって繋げていけば、500g刻みで13kgまでのダンベルを作ることができる。


「じゃあ、持ってみようか。」


気づくなっていう圧がすごい。俺は考えるのをやめて、ただ、渡されたダンベルを持つだけだった。


『くだらないくらいに

 膨れ上がった想いが

 深く深く 沈む前に

 無理しがちな君は

 いつかは離れていくんだと

 怖く 思ってしまった


 ずっと蓋をしてきた

 自分の気持ちには

 嘘をつけそうにないや、嫌、嫌


 君には僕よりいい人が

 いると思うから傍で見ているよ

 こんなのただの自己満だよね

 それでも僕は思う

 ただ君に幸あれ



 苦しまないように

 選び抜いた選択が

 痛く痛く 僕を蝕む

 君の方こそ

 変わらないままで

 辛く辛く なってしまった


 みっともない笑顔だったり

 ヨダレ垂らした寝顔

 全部見せてきた、これまで


 前借りしてた幸せは

 返せそうにないからそこだけは許して

 こんなのただの欺瞞だよね

 それでも僕は思う

 君は幸せになってくれ


 染み付いた甘いこの匂い

 いつまでも僕の心を溶かすの

 こんなのただの言い訳だよね

 それでも僕は願う

 君に幸あれ』

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