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俺の君への鎮魂歌  作者: 136君
21/49

♪21

「私、告られた。」


その言葉に1度ピクッとしてしまったが、すぐに平静を取り戻して、ベッドの上にいる桜花に話しかけた。


「へぇ〜、随分な物好きもいるもんだな。」

「どういう意味よ、それ。」


げしっと背中を蹴られる。いつもの事だから痛くも痒くもない。むしろ気持ちいいくらいだ。


「それで桜花さんや。どう答えるつもりかね?」


幼馴染の俺から見て、桜花は結構変わってる。俺くらいずっと一緒にいたら癖になってくるが、初めての人からしたらだいぶキツいだろう。


「まず、フるのは確定。」

「可哀想に…んで、まずってことは他に何かする気か?」

「もちろん!そいつに都合の悪い噂を流す。」

「………」


桜花さんや。やめておくんなし。あまりにも可哀想でやんす。


 てか、そこまでする理由ってなんなんだ?別に彼氏がいるわけでもないだろうに。彼氏がいるんなら、俺にこんな感じやったら、彼氏も困るやろ。


「私には彪河がいればいいんやもん!」

「じゃあ、その大事な彪河くんからのお願いね。そいつが可哀想すぎるから、噂を流すのはやめようか。」

「えぇ〜〜〜〜。」


ぷく〜と頬を膨らませた桜花はそのまま俺の方にコロリ。ふぅーと俺に耳に息を吹きかけて、その距離で呟く。


「しょうがないなぁ〜。大事な彪河からのお願いだから、そうしてあげる!」


色々キャパオーバーだった。


『いつもの部屋でさ

 ちょっとだけ夢を見て

 ごろごろしててさ

 なんか…なんてないよな


 ずっといつも通りのまんまで

 変わったことなんかひとつもなくて

 勘違いすんなって言いたげな目を

 向けられていたんだ


 いつもの距離感は

 きっとほかより近くて

 それでも何かが

 邪魔をしてる気がした


 このまま

 距離感バグって

 間違いなんかしたくないのが本当

 疲れた理性くんには

 労いをちょうだいな

 このまま

 距離感バグって

 夜遊びなんかしたくないのが本当

 甘い匂いを醸しがちな口

 塞いでしまえたらな



 いつものことだから

 ちゃんと保ってられて

 転がりそうな心

 ちゃんと受け止めていた


 このまま

 続けばいいって

 僕の心を表す言葉は“喧騒”

 いい加減慣れてくれよな

 あぁそれは無理だな

 このまま

 続けばいいって

 甘えがちなこの気持ち本当

 ちょっとだけ喜んでいる僕

 あぁ単純すぎるなぁ



 きっとこれより近くなればなるほど

 だんだん気まずくなってって

 2人このままこの部屋で

 ずっといられたらなんて

 甘いなぁ


 このまま

 バグったまんまで

 間違いなんかしたくないから本当

 疲れた理性くんには

 ドーピングをちょうだいな

 このまま

 バグった心で

 君の言葉に癒されてただずっと

 甘い言葉を吐く君の口を

 そっと塞いでしまえば

 いや、それは甘いなぁ』

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