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俺の君への鎮魂歌  作者: 136君
2/49

♪2

 朝、目が覚める。何回見ても変わらない未読のメッセージ、


『いい曲書けた。今から見に来て。』


まだ信じられないが、いつまで経っても鳴らない俺のスマホの通知音のことを考えると、やはりそうなのかもしれない。


「いや、これは夢だ。」


そうだ!これはいつか来るであろう夢。だいたい70年くらい先の夢だ。まったく、ヒヤヒヤさせやがって。


 ほっぺたをつねってみる。痛かった。


「本当なのか…」


窓を開けて、隣の部屋を見てみる。明かりはついていない。家にすら人の気配を感じなかった。そのとき、やっと理解した。眠ったんだと。


「いい夢見ろよ。」


そうとだけ、誰もいない隣の部屋に伝えて、窓を閉める。真っ暗になった部屋で白く映える、テーブルの上の白紙のメモ帳を眺める。「何か書かないの?」と問いかけられているようだった。仕方なくペンを手に取って、歌詞を書こうとする。でもなかなか思いつかない。


「はぁ、桜花ならどうやって書いてるんかな?」


なんだかセンチメンタルな気持ちになってくる。幼馴染1人失うだけで、こんなにも心にポッカリと穴が空くのか。もうちょっと一緒にいたかったな。


「あっ、そうか。今なら…」


『おばんです

 あなたの夢を喰らいに来ました

 私の名前はバクです

 以後お見知り置きお願いします


 不安です

 なんてことばっか言ってないでさ

 私に心を開いてよ

 痛くはしないからさ


 眠れない夜には

 君の枕の下で きっと…


 喰らいます喰らいます

 あなたの夢を喰らいます

 いいとこだったらごめんね だけど

 喰らいます喰らいます

 悲しい思い出喰らいます

 あなたが前向けるように



 寂しい夜にはcry cry cry

 そんなときには会いたいな

 過去と嘘の涙の湖に溺れてさ

 悲しい夜にはBye-Byeだい

 嬉しい夜こそhigh high high

 心のままに生きていれば きっと…


 喰らいます喰らいます

 あなたの罪を喰らいます

 泣きそうだからいいよね もう

 喰らいます喰らいます

 独りの真夜中喰らいます

 あなたが寂しくないように


 眠れない夜には

 あなたの夢に飛び込んで きっと…



 喰らいます喰らいます

 あなたの思い出喰らいます

 いいとこだったらごめんね  だけど

 喰らいます喰らいます

 とっても優しく喰らいます

 私は甘噛みのバクです』


俺がバクになったらって、そんなのは儚い夢だけど、あと少しだけは一緒にいれるのかな?

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