表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
俺の君への鎮魂歌  作者: 136君
19/49

♪19

「ねぇ彪河、外行かない?」

「やだ。寒い。凍る。」


今日もまた、隣でくっついている桜花が話しかけてくる。


「雪やで雪!こんなん久しぶりやん!」

「降ってるだけで積もってねぇし。」

「おぉ!ちゃんと外見てたんだ!」


桜花がニヤニヤしながら俺の顔を覗き込む。鼻と鼻が当たりそうな距離にあることを気づいてるんだろうか。いや、気づいてないな。


「あぁ、そうだよ。悪かったか?」

「んーん。でも彪河もそういうこと気にするんだと思って。」

「あんまり雪が積もらない大阪平野の人間やからな。こんなんでも。」

「そうだった!廃人じゃなかったんだった!」

「よぉーし離れようか。」


桜花が興奮して近づいてきたので、肩を持って引き剥がす。さすがにこれより近づかれると俺の身がもたない。


「ちぇっ。きゃーたすけてーw」

「はいはい。残念ながら家の周りには誰もいないから。」


行動パターン的にはの話だが、ほぼ100%そうだろう。少しは効いたのか、桜花はしゅんとなってしまった。こうなったら早めに手をつけないとあとからの対処の方が面倒くさくなる。


 ちょうどいいところにチョコブラウニーがあったのでそれを桜花の口の中に突っ込む。


「ん〜甘ぁい♡」


安上がりな女だなw


『共鳴する 孤独の音

まだ残ってる 記憶の音

本当のこと 知らないけど

僕はそこで息をしてた


桜までは まだ早いし

赤く染まるの もう過ぎてたし

赤くした頬 つついてみて

僕はそっと目を閉じた


雪の舞う季節に

僕ら緩い空気に

あてられていたんだ

まだ未熟なままでさ


everything for you いつまでも

夢を見てた

たかが初めてのことだけど

心躍らせていた

置き忘れた 軌跡を

言葉にして

それに何と名前をつける?



こんな僕に何色を付ける?

こんな僕に何を言う?

こんな僕になぜ話してくれる?

なぜ僕にそこまでする?


everything for you 君に贈る

薄氷の歌

消えそうで崩れそうな

言葉紡いだ

終わりかけた 思い出の

続きを描く

それを君に見せたい』

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ