♪14
この1週間、出来るだけ明るい曲に挑戦してみたが、やっぱり難しい。今まで少し寂しい曲しか書いてこなかったから尚更だ。
そういえば、桜花が初めて見せてくれたのは明るい曲だった。キャピキャピした明るさではなくて、夢がある明るさ。凡人だからこそ、その明るさがより伝わるような感じだった。そうだな、俺に見せた時、
「どう?どう?」
ってずっと言ってたな。「そんな早くは読めねぇよ」と言っていたが、実際、ただその歌詞に魅せられてただけだった。同時にものすごく遠く感じた。その笑顔は近くにあるのに、とても遠かった。
『その唇の向こう側に響くのは何?
その笑顔の向こう側に笑ってるのは誰?
遥か遠く見える雲はこんなにも
掴めそうなのに 逃げていくから
遥か遠く忘れていた思い出と言う
雨を降らしてく
最終列車には間に合ったよね
傘はここにあるけれど
泣き腫らした君の顔が過ぎってく
笑って 笑って 笑って
強がりで 泣き虫な 君のことを
ずっと隣で見てきた
その呼吸が その鼓動が 止まる時だけ
僕は目を逸らしてた
遥か遠く見える空はこんなにも
掴めそうなのに 暗くなるから
手の届きそうな桜の花でさえ
見えなくなってしまう
咲き誇る頃の煌めきと
散っていく頃の寂しさが
泣き腫らした君の顔を隠していく
笑って 笑って 笑って
嘘つきで 怖がりな 僕のことを
ずっと見ていてくれた
その呼吸が その鼓動が 止まる時に
目に映ってたのは誰?
ずっと感じていた その視線に
僕は答えられなかった
目から分かるメッセージ
感じていた
365日 ずっと知っていた
笑って 笑って 笑ってよ
弱いままの僕に 幻滅するだろう
だから見せられない
その時間に その気持ちに 僕にかける
そんなのもったいないから
強がりで 泣き虫な 君のことを
ずっと知っているから
今だけは これからも 迷わずいたい
ずっと友達だよ』




