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俺の君への鎮魂歌  作者: 136君
13/49

♪13

 たまになんの予兆もなく曲が降ってくることがある。そう、今日とか。


 朝起きて、朝ごはんを食べる。昼前まではWeb小説を嗜み、昼飯を食べる。夕方まで軽く運動をしてまた1食。そして思いついたときに歌詞を書いて、寝る。この引きこもっている間も、そんな規則正しい生活は続けるようにしていた。


 だが、今日は真夜中に目が覚めた。スマホで確認すれば3時15分。いつもなら爆睡しているのに、目を覚まさずにはいられなかった。詞が降ってきたのだ。


 俺は机の電気をつけ、ルーズリーフにフレーズを書き込んでいく。寝ぼけているからか、変なフレーズも入るが、それもそれでいい。まだまともなフレーズを紡いで、俺は作詞ノートに歌詞を書き始めた。


『君の視線が僕を穿つ

曖昧な感情も見透かされそうで

君の声が僕を震わす

耳にあたる吐息 まだ冷めない夜


言葉で紡ぐより 感情のメロディーを

言葉で紡ぐより 単純な心臓を


In the midnight 今夜だけ

響かせてよ 甘いレスポンス

In the midnight 忘れられない

この高なる感情を

名前は知ってるけど言いたくないし

言葉にするのも難しくないし

だから君から言ってほしい

僕は絶対に言えないから



君の視線が僕を穿つ

このトキメキも見透かされそうで

君の言葉に翻弄されてる

知らんぷりした 午前2時半


完璧な姿より 脆弱な心を

完璧な道筋に 聳え立つ絶壁を


In the midnight 今夜だけ

響かせてよ 脳内ガムシロップ

In the midnight 苦味も消して

この迸る熱を

名前は知ってるけど言いたくないし

言葉にするのも難しくないし

だから君から見つけてほしい

僕には絶対に伝えられないから


Why 手を繋ぐよりも

Why 視線を交わすよりも

Why 言葉にするのが難しいのはなぜ?

如何せん僕には語彙力がないし

渡したくても渡せない


In the midnight 今夜だけ

響かせてよ 記憶が無くなるまで

In the midnight 1度だけでも

この身体に記憶を

名前は知ってるけど恥ずかしいし

言葉にすると落ち着かないし

だから君から言ってほしい

僕は絶対断らないから』


書き終えたところで俺はまたベッドに入る。そして眠りに就いた。


 朝、目覚めると、書いたはずの歌詞が消えていた。

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