先生ふたり、仲良くよろしく
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「仕事?」
「ああ」
「研究熱心ね」
「あんまり要領がよくないから、俺は大変だ。君みたいになりたいよ」
「ただの割り切りだけ」
「それは」
「バカにしてないわよ」
「可愛いよ。おめかしして、どちらまで」
「ばか」
「学生が好きなのかい?」
「そんなわけないでしょ」
「年齢は関係ないよ」
「そんなこと言ってないでしょ。だいたい気にしてないんだからね」
「その昔。ジュラ紀の再来と恐れられた女がね」
「あんたね。そんなんだったら。ここにいないわよ」
「どうかな。みんなそう言ってたぜ」
「あなただけよ」
「まともに話してくれたのは・・・か?どうかな。内心初心だからな」
「初心な男が、あんなこと・・・」
「信じるのかい」
「信じてないわよ。あなたここにいるじゃない」
「腰掛だけどね」
「取り入ってどうこうじゃない実力だから」
「君だって」
「敵は多いよね」
「でも味方が少ないわけでもない」
「で何やってるの?」
「小休止」
「大人の余裕なのか」
「焦るあまり何していいかわからない、というのもあるよ」
「確かに。焦ってるの」
「ある学生の論文がね」
「見どころがあるの」
「たいへんね。でも、あまり見かけない」
「ふーん。どんなこ」
「いればわかる奴」
「ああ、あのこか」
「君も気にしてたりするの?」
「まあ、ね」
「傷ついた」
「ごめんごめん。でもさ、いつごろ遊びではないって気づくんだろうね」
「何か大きな転機だろうね」
「彼は、難しいと思うよ」
「君や俺だって難しかったじゃないか」
「彼ほどではない」
「自信ありげだね」
「でも、落ちていくタイプではないよね」
「えっ、落ちるところまで落ちてるでしょう」
「今?」
「たぶんね。論文見る?」
「見ない。私は基本的にノータッチ」
「女だからか?」
「そう。私のような女がとやかく言う相手ではないわね」
「女から見てどうなの?完結してるのかね彼は?」
「さあ。悩みなさいよ」
「あのさ」
「先行って飲んでる」
「帰り。背負うのは嫌だからね」
「飲みすぎシールはる?」
「リアルタイムで知らないくせに」
「どうだったかな?」
「我々はデータベースではいけないんだった。でもさ」
「ありがとう。優しいね」
「救いの手か?そこまでやる?学問にたけてるだけなのに?」
「一人で言ってなさい」
「マスターによろしく」




