そこまでしても戦争したい
とある国では出生率が下がり若者人口が減りつつあるのでした。そんな国で何故か徴兵制度が復活したのです。
「我が国は四方八方敵だらけだ。もう既に志願兵制度では持たない。そこで徴兵制度を復活させる」
「ですが大統領、若者人口はわずかしかいません」
「お前はアホか!ここを使えここを」
「と申しますと」
「徴兵期間を長くする。二十歳から三十歳の間だ」
「それは乱暴すぎます。三十歳が二十歳の動きができますか」
「四十代五十代よりマシだろう」
「ですが勤労者が減り国の経済が成り立ちません」
「その分は六十代七十代のお年寄りが働いてくれる」
「無理でしょう」
「無理なもんか。長寿化で人生は長い。これからはお年寄りに戦力になってもらおう」
というわけで悲しい事に高齢者が若者の代わりに職場の第一線で働くことになりました。当然賃金は安いです。ですが年を取り目もかすみ、耳も遠くなった高齢者たちがまともに働けるわけがありません。当然職場の能率はガタ落ちです。
「ふはははは、高齢者社員の代わりなどいくらでもおるわい」
こうして役に立たない高齢者はどんどん解雇されて無職になりました。すると職場は人手不足でますます余裕がなくなりました。
「なんでこんなに残業が多いんだろう」
「人が少ないからしょうがないよ」
「しかし、きちーわ。なんとかならんのか」
こうして働く人は疲弊して、身体や精神を病む人が沢山出てきてますます国は成り立たなくなりました。
「よし、最後の手段だ。高齢者を徴兵しよう」
「大統領気は確かですか」
「数は多いし弾よけになるだろう」
こういった状況はいくら秘密にしていても漏れ出します。世界中からなめられたその国の軍隊。たちまち攻め込まれて敗戦しました。