友情物語~由美と春助の頑張り~
朝が来ました。わたしは学校に行きました。いつものように春助がみんなに気遣いをしています。
わたしの名前は高橋由美。よく、明るいけどおっとりしていると言われる。小学三年生の素直な女の子でーす。
それで、今言っていたのが、橋本春助。みんなは、優しく、積極的な人だと思っていて、モテている。わたしの幼なじみの男の子。
―あんなやつ、好きになれるもんか―
そう思っていたら、急に春助が、
「おはよう、由美ちゃん」
春助は幼稚園のころからわたしのことを由美ちゃんと呼んでいる。今もそのままだ。
春助とは席がとなり同士。本当に嫌。
家に帰ってお母さんに春助のことを話してみた。
「あら、いいじゃない春ちゃん。優しくて、なかなかいいじゃない」
お母さんはいつもこうだ。
次の日、休み時間に春助とぶつかった。急にだったからおどろいて、もう頭がこんがらがってよく分からなくなった。
「由美ちゃん、由美ちゃん!!」
目を開けたらぼんやりとした世界だった。
「春助!!どうしてここにいるのよ」
「僕も分からない」
「ここはどこなの?」
「分からない」
とその時
「フォッフォッフォー」
「だ、だれ!?」
わたしはすごくびっくりした。
「私は旅人だ」
「はっ?」
「どこ?」
「ここだよここ。ここ」
「なかなかのおばちゃんだな」
「こらっやめなさいよっ」
「うそうそ、私は魔女だ」
「魔女さん、ここはどこですか」
すかさず、わたしが言う。
「ここはトリックワールド…じゃなくて、マジックワールドだ。戦ったものだ…ああ違う。協力していろんなことをした者だけが先に進み、元の世界に戻れる」
「よっぽど冗談ばかり言う頼りないおばさんだな」
「あっだからやめなさいよっ」
「それはよく言われる」
「えっ?」
「ああいや、なんでもない。それでは、この問題に正解したら進むドアの色がわかる。問題
Q:信号機の一番右の色は?
さあ解けるかね」
「う~ん僕はこういうのよくわからないや」
「信号機は木にかくれてもいいように、赤が右ときいたことがあるわ」
「じゃあ赤で行ってみよう」
「じゃあ魔女さんさようなら」
「ちょっとまて、これをもっていけ。これはコンパスマップだ。二人の位置がわかる。こっちは砂杖だ砂を盛ることができる分担して持て」
ということで、春助がコンパスマップ、わたしが砂杖をもつことになった。
「ありがとう、魔女さん」
「関東、弁当、健闘を祈る」
早く行きたくて、思わず走っていった。
こうして、奥に進み、砂杖で砂を盛って。上がったり、時々コンパスマップを見て確認したりした。だけど、もう春助のことが何か嫌になって、
「もう嫌だ。一人で行く!!」
そう言ってわたしは駆けだしてしまった。必死に走ったが、どうやってもゴールにたどり着けず、迷ってしまった。もうだめだ、と、泣き出しそうになったその時―
「由美ちゃーん」
「えっ?」
「どうしてこんな所まで行っちゃうのさ」
「春助!!どうしてわたしの居場所が分かったの?」
「こっちにはコンパスマップがあったからだよ」
「あっそっか」
「これで元の世界に戻ろう」
「うん?」
―とその時、わたしは春助のことが好きになってきて、胸にジーンときた。こんなにも優しくていい人だったんだ。
最後の扉を開けたとき、目の前がすごく明るかった。
「まっまぶしい…」
気づいたら、学校のろう下で倒れていた。目の前には春助がいた。
「そうか、わたしたちろう下でぶつかっていたんだ!!」
それからの毎日は、春助とも仲良くなり、しゃべれるようになった。だから毎日の学校が楽しくなった。
―魔女さん、ありがとう―