第二話 継承と狂笑
キャメロット見てきました。普通に楽しめたよ?楽しめたけどあれFGO民御用達でしょ。予備知識ないと絶対内容わかんないって………とりあえず坂本真綾さんの「独白」最高でした。ベディの心情がめちゃくちゃうまく表現されててクッソエモかった。あとパッケージのマシュ可愛い
「………いや、すまん」
「いえ、こちらこそお見苦しい声を聞かせてしまって申し訳ありません」
あれだな、今日のヘカテは三割り増しで人間味が多い。
この感じがずっと続けばいいと思うどうもルキアです。
しかしお嬢が戻ってきたということはキースも戻ってきているのか。
そう思い改めて感知網を広げると、
「シャアアアア!!」
「クソッ!おいローレライ!どうなってんだ!?なんで全員制圧されてんだよ!?転移してからそんなに経ってないだろうが!」
今の状況に困惑しながらも突然斬り掛かったシオンの猛攻をなんとか凌いでいるキースの姿が。
アイツは狂犬か何かか?強敵を前にすると挑まなければらない病気なんだろうか(ブーメラン)。
「その辺にしておけ、シオン」
「チッ、しゃあねえ」
「で、お前はとっとと撤退した方が身のためだと思うぞ?キース。私もシオンをいつまでも抑えておけるわけではないし、何よりそこの二人は神官に見せた方がいいのではないか?」
ふ、と万里の堅鎖で縛り上げられたヒューゴとエマを見ると、目立った外傷はあまり無いが、長い時間〝蠱毒〟と〝園〟に晒されていたためか、あまり状態は良くないように見える。
顔色はお世辞にもいいとは言えず、呼吸は少しばかり荒い。
「っ!………ならさっさと二人をこちらによこせ」
『はいよ、きちんと受け取れよー』
ひょいっ、と万里の堅鎖を振り回してキースの下へと二人を放り投げる。
「んなっ、丁寧によこせ!」
『あっはっはっは、対して傷つけてないだけでも相当丁寧に扱ってるつもりだぞ?それこそこっちの実験台にされなかっただけでもありがたいと思え?』
まあ、ハナからやるつもりはなかったが、ここぞとばかりに恩に着せることができるのは優位に立っている者の特権だろう。
「ほれ、さっさと帰れ」
「………ああ、ただその前にそこの蛇。名前を教えろ」
あ、俺?俺っすか?
いやまあ、あんだけ煽ればムカつくか。
仕方ねえなあ、名乗ってやるか。
『オーフェン、オーフェンだ』
「オーフェンだな、覚えたぞ」
誰が真面目に答えてやるかバーカ!
◇◆◇◆◇◆
「お前本当にゴミみたいな性格してるな………」
『あっははっ、褒めるな褒めるな』
「褒めてないが」
それはそうとお嬢にゴミと言われるのは不覚にもゾクっときました。
「で?これからどうするんだ?」
『俺らの役割はここの守衛だろう?なら後はここでのんべんだらりとしていればいいんじゃないか?』
というかぶっちゃけ俺は裏門の戦いが見たい、あと似非聖女と顔を合わせたくないし。
お、黒鎧の守護者が一気に畳みかけた。
いや、連携すごいな。
互いの立ち位置を正確に把握して、間断なく攻め続けることで騎士さん………ブレイズと言ったか、彼の反攻を許していない。
「ふむ………ルキア、遺跡内は探れるか?」
『いや、無理。多分遺跡外周に沿って相当高度な結界が張られてる。俺の探知能力じゃ結界付近までしか探れない』
「へえ、なら裏門は探れるのか?」
『ああ、今黒鎧の守護者たちと騎士さんが絶賛戦闘中だ。中々見応えのある戦いだぞ?シオンも見る?』
「いやどうやってだよ………」
「おまえ「鷹の眼」持ってなかったっけ?」
「障害物あるから無理」
ああ、そっか。
俺は「熱源感知」やら「魔力感知」を総動員して裏門を見ることができるけどシオンの場合は基本的に視覚に頼るしかないのか。
「鷹の眼」は純粋な視力強化だし「気配感知」はあくまで居場所を探るくらいしか出来ないしな。
「………ルキア、裏門で戦ってるのはその騎士とやらだけか?」
『ん?そうっぽいが………いや待て、妙だな』
「そう、ですね。正門には十人以上来たのに裏門が一人だけというのはいささか不自然かと」
ヘカテの言う通りだ。
神聖騎士団は100人弱いるんだ、それを相手に一人だけってのはあまりにも無謀すぎる。
まあ、100人相手に10人で行くのもかなり無謀ではあると思うが、そこは少数精鋭の暗殺者たちということなのだろう。
それにしちゃあお粗末なものだとは思わなくもないが………
話が逸れた。
要するに裏門で戦っている人数が一人ってことは、
「もう既に何人かが聖遺跡内に侵入しているということだろう」
「ま、だろうな」
「だがどうする?もし仮に遺跡内に加勢しに行くとしても正門の守りは疎かにできまい。それに中は騎士団の連中に任せておけばいいんじゃないか?」
たしかにランデルの言うことはもっともだ。
俺たちの役目はあくまで正門の守衛。
ぶっちゃけ裏門がどうなろうとどうだっていいし、神聖騎士団はあっちで何とかするだろう。
こっちが単なる陽動で、襲撃者たちの本命が裏門からの侵入だとしても襲撃に割ける人員はそう多くはないはずだ。
「確かにそうだろうが………嫌な予感がする」
虫の知らせ、というやつだろうか。
正直な話、お嬢は結構理詰めで動くタイプだから勘だなんだってのとは結構無縁の存在なんだが………そんなお嬢が言う〝予感〟ならばむしろやばいのかもしれん。
「だが向こうの増援に行くとしても全員は無理だろう?」
「ああ、だから行くとしたら一人か二人くらいだな」
「なら、私とルキアで行こう。構わないか?ルキア」
『はいよお、お嬢の居るところが俺の居場所だ。構わんともさ。ヘカテ、なんかあったらそこのバカ頼れ。なんなら肉壁にしてしまえ』
「え、いやその、頼りになるのは否定しませんが肉壁にするのは………」
「はっはっは、ルキア、テメエ殺す」
おうおう、目隠しに手掛けるとかガチじゃねえか。
『いやーん、怖ーい。お嬢助けてー』
「…………はあ。ほら、遊んでないで行くぞ。金ズルが死んだら元も子もない」
一番ひどいこと言ってるのお嬢じゃない?
◇◆◇◆◇◆
カトリス聖遺跡。
神代から存在するとされ、かつては神が降臨したともされる三神教にとっては聖地であり、信仰の根差す場所。
だがその実、この遺跡はただ信仰を集めるために建設されたのではない。
この聖遺跡は神代末期に建設されたものであり、二つの用途を目的とした建設物である。
一つは格納庫。
神代において神々が叡智をふんだんに詰め込んだ対外星神話生命体撃滅機関として製造された機巧の殺戮者、その格納庫の一つとしてカトリス聖遺跡は機能している。
聖遺跡最奥に秘された無慈悲なる討滅者たちは幾重の厳重な封印を施されて、己の戦場を待ちわびている。
そして二つ目の用途が〝継承〟の確立地として用途である。
この世界、もといこの大陸中で唯一、星の意思へと直接コンタクトを取れるカトリス聖遺跡はとある権能の継承の地として機能する。
星を守護する幻想の獣たちが有する権能ではなく、かつて神が有していた権能を継承する素質のあるモノに引き継がせる、あるいはその選定と継承の準備をする聖域。
それがカトリス聖遺跡だ。
石造りの神殿内部は壮麗と言って差し支えなく、内外至る所に名工たちが施した装飾が神殿内を豪華に仕立て上げている。
煉瓦積みに積み上げられた石壁はさながら白亜の城のようでもあり、中央に屹立し、結界の発動地点である石柱には、柱全体に魔方陣が刻まれている。
現代の魔法使いでは解明できていない魔法であり、現在でも魔法の教育、研究における最高機関である王立魔法学院で研究が進められている。
石柱の前には百人はゆうに収容できるであろう礼拝堂があり、さらにそこから先に進むと回廊に出る。
そこに華やかさは微塵もなく、ひたすらに荘厳。
立ち並ぶ武装した天使の石像が圧迫感を与え、進む者の足を鈍らせる。
巨人サイズの天使像の重圧を押し除けて進むと、そこには礼拝堂とは打って変わって質素な祭壇がある。
回廊まで敷かれていた絨毯すらなく、石でできた床がひんやりと空気を冷やし、壁につけられた松明だけがこの空間を照らしている。
そしてその祭壇で、一人の少女が跪き、祈っていた。
それは継承の儀。
この世界で唯一、神と呼べるものに己が資格を見定めてもらうための儀である。
『エクストラスキルの規定数所持を確認』
『■■■の許容適合率、規定値の突破を確認』
『第一原初認可、第二原初認可、第三原初認可、第四原初認可、及び最終認可、確認。未確認認可として第五原初認可。過半数の認可を確認。プロセスを続行』
『■■■特例継承プロセス第3フェーズへの移行を開始。完了までに時間がかかります。完了宣告までそのままでお待ちください』
聖女アナスタシア・ブーゲンビリアが継承の儀式を勧めている最中、神聖騎士団は襲撃者たちに備えて油断を怠らず、警戒をしていた。
五番隊が礼拝堂から繋がる長い回廊への入り口を警戒しており、三番隊は回廊に詰めている。
「アーネスト三番隊隊長、ヨハンナ五番隊隊長。賊が数名侵入した模様です」
「ええ、魔道具の方からも連絡が入りました」
「己の勤めも満足に果たせないのですか、あの冒険者たちは」
苛立ったようにヨハンナ・フローレンスが悪態をつく。
門番とはいえ、今代最高とも称される聖女の護衛役ともなれば信者たちからすれば栄えある任務だ。
それを全うできていない冒険者たちに不服の念を抱くのはある意味当然とも言える。
たとえ相手がどれだけ強大な力を有していたとしても。
「まあ、落ち着いてくださいヨハンナ。向こうに不足の事態があったのかもしれません」
「………貴方がそう言うのであれば」
そう言うヨハンナの頬は僅かに紅潮している。
それに気づいていないのか、アーネストは裏門から礼拝堂へと続く扉に目を向けて警戒している。
本来ならアーネストは三番隊の指揮を執るために回廊に居なければいけないのだが、今回に限っては副隊長に指揮を任せて自分は礼拝堂に来ている。
というのもアーネストの戦闘能力を考えた際に回廊という閉ざされた場所では戦力をふるえないのだ。
超高速起動による連続攻撃がアーネスト・ディートリヒの強みであり、それが人間相手ともなればなおのこと。
これが不死者相手であればまた話は違ってくるのだが………今は置いておこう。
三番隊自体は如何な戦場であっても対応できるように訓練されているために回廊を守護しており、アーネストが全力をふるえるようにするために礼拝堂にて警戒している。
なお、この状況に内心歓喜している五番隊隊長が居るとか居ないとか。
「全員、警戒態勢に入りなさい。何が来てもいいように──」
ドオォォン!!
ヨハンナが自分の気を引き締めるようにと警戒を促したときに、突如、轟音を立てて裏門から礼拝堂へと繋がる扉が爆発した。
「総員!戦闘態勢!!」
「「「ハッ!」」」
神聖騎士団五番隊、総勢46名全員が剣を抜き放つ音が礼拝堂に響く。
朦々と立ち込める煙を睨みがらヨハンナは盾と十字剣を、アーネストは槍を構える。
「【真名解放】──」
「っ!まずい!ヨハンナ!!」
「総員!攻性魔法準備!!」
煙の中の人影が口にする言葉を耳にして、ヨハンナは防御ではなく攻撃による相手の【真名解放】の妨害を試みる。
もしこれがブレイズ・ケーニッヒの持つクラレントであればその判断は間違いではなかった。
強大な力を放出するクラレントは【真名解放】時に大きな溜めを必要とする。
ヨハンナもかつての同僚としてその姿を見てきたが故の判断。
だが今回に限ってはそれは愚策だった。
「──「千刀躙喰」」
嘲笑うような声とともに聖剣の名が告げられる。
煙のカーテンを切り裂いて飛来するのは悍ましいほどの赤で塗りたくられた刀。
それが夥しいほどの数射出される。
「カッ!?」
「ゴフッ」
「うぉおお──おぎゅっ!?」
ただ射出されているだけではない。
意思を持っているかのように蛇行し、回転し、そのたびに神聖騎士を串刺しにして斬り刻んでいく。
とはいえ彼らも一騎当千に及ばないまでも歴戦の騎士。
いかに呪詛を纏った刀が数千飛来しようとも各々が培った剣技、槍技、盾術、魔法の全てを駆使して凌いでいく。
だが、それだけでは終わらない。
薄れた煙の中から十ほどの黒装束の人影が躍り出て、
「キヒッ、キヒャハハハハハハハハ!!」
「っ!?チィッ!」
奇声を上げながら一人の女がヨハンナ目掛けて血刀を振り下ろした。
一応言っとくと認可を下すのは魔王じゃないです。いや魔王も数体いるけど
第一原初認可「オッケー!頑張ってね我が子!!」
第二原初認可「別にいいんじゃない?」
第三原初認可「ダルい。却下するのに理由つけるのが面倒くさいからとりあえずオッケーで」
第四原初認可「その人なら別にいい。それより俺の仕事減らしてくんない?」
第五原初認可「儂に寄越せやぁああー!!!」
第一と第三は毎回オッケー出す。第五は毎回NG。第二はその日の気分。実質真面目に考えてるのが第四だけって明らかに人選ミスってるでしょ………
ちなみに巨人サイズの天使像は一応動くけどそこまで強くない。つってもBランクの魔物レベルの強さはあるけど




