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魔女の使い魔  作者: 自動機械鮎
第二章 戦火舞い散るは古の神殿
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第三十一話 襲撃に備えて

お爺ちゃあああん!!(fgo後期オープニングを見た時の叫び声)

アーミヤかっっっっっっっわ!!(アクナイ公式放送見た時の呻き声)

 王都観光を終えて、後は護衛に備えて各自準備をするだけの二週間が過ぎて、いよいよ出立の日となった。

 クソ聖女に相応しき、どんよりとした曇り空が天を覆い、日は陰っている。


『ハッ、モドキ風情の門出にはお似合いの空模様だ』


「お前、それ神聖騎士の前で言うなよ?」


 流石にそのぐらいの分別はある、と言う意味を込めてお嬢を見ると「どうだか」みたいな感じで肩を竦められた。

 解せぬ。

 

 ちなみにお嬢とシオンはいつもとは少し装いが違う。

 お嬢はいつものローブではあるが、中には鎖帷子とその上に爬虫類と思しき皮(もしかして龍)からできた革鎧を纏い、足も鉄板仕込みのブーツに加え、脚甲を着けている。

 杖に関してもいつもの先端の太い方を蓮で象った木製のものではない。

 先端の太い方には九体の龍が象られ、その口には魔玉が咥えられた明らかにヤバそうな雰囲気と魔力を漂わせた金属製の杖だ。


 ちなみに魔玉とは、魔物から取れる魔石を加工したもので、魔石が単なる燃料として使われるのに対し、魔玉は魔道具の心臓部、いわゆるコアのような役目を果たすのだとか。

 勿論、単純魔法陣のみで済ますことが一般的ではあるものの、魔玉を使った方が複雑な術式を使用する際にはいいのだとか。

 お嬢がこの杖に使っている魔石は全てAランク以上のものであり、中にはSランクのものもあるらしい。

 その魔玉の中には球体のような魔法陣が内包されており、明らかに高位の魔法だとわかる。


 ところでSランクと言えば、Sランクの魔物と言ってもその中でも区分分けがされるらしい。

 なんでもSランクだけで見ると、実力差がありすぎるのだとか。

 Sランクの区分けは下から順に、災害級(カラミティ)伝承級(フォークロア)神話級(マイソロジー)となる。

 ぶっちゃけ、今の俺からしたら雲の上の話でしかないのだが。


 閑話休題


 シオンの装備もいつもとはいささか違う、というかいつもの格好がダンジョンをなめているとしか思えない格好ではあるのだが。

 着物に袴とその上に羽織一枚ってどう考えても戦いの装いじゃないでしょ。

 でもそれで俺たちより圧倒的に強いからなんも言えねえ………。

 基本的にいつものと変わらないが、羽織の下に手甲と脚甲、中には鎖帷子と、頭に鉢金を巻いている。

 黒鎧の守護者のセドリックやエドワーズと比べると軽装な気がするが、まあそれでいいのだろう。


 目に包帯をしているのはいつもと変わらんが………いつも思うんだがよくそれで見えるな。

 対外的には失明したと言っているらしい。

 絶対嘘だろとは思うが。

 知ってんだぞ、お前もの見る時に目で追ってるの。

 「空間把握」のスキル覚えてからより明確に周りがよく()()()ようになったから、人間の眼球の動きやほのかな息遣い、果ては心臓の鼓動すらも大体分かるようになった。

 今は無理だが、そのうち嘘をついていることも心音から分かるようになるかもしれない。


 それはそれとして、バケモノ二人が所謂ガチ装備なのに対し、俺とヘカテはいつも通りだ。

 いや、だってそういう特別な装備とか持ってないし。

 強いて言うならヘカテは暗器を宝物庫の中だけでなく、腰につけたポーチの中にも入れることで、突発時にも対応できるようにしていると言うことだろうか。

 あとは「吸魔の小太刀」をいつでも抜けるように後ろに差している。

 俺に関しては、せいぜい虚空庫の「呪術」の触媒を入れていると言うことぐらいか。

 

 さて、今更ではあるがステータスを確認しておこうか。

 最後にダンジョン潜ったのが秋手前ごろで、それ以来ダンジョンには潜っていなかったため、大きなレベル変動はなかったものの、日々の鍛錬や研究で手数は増えたし、元あった手札も強くなったのだ。



 Name :ルキア

 Level:6 (5up) (Total Level:91)

 Phylum :魔物

 Species :グローツラング

 HP :1,363/1,363 (200up)

 MP:1,778/1,778 (250up)

 Strength :683 (100up)

 Vitality :749 (125up)

 Dexterity :636 (75up)

 Agility :701 (100up)

 Stamina:710 (100up)

 Luck :25 (1up)

 Skill:

 【耐性系】

    精神苦痛耐性Lv.100

    毒耐性Lv.60 (30up)

    麻痺耐性Lv.21 (new)

    呪詛耐性Lv.57 (new)

 【魔法系】

    毒魔法Lv.59 (9up)

    呪術Lv.63 (44up)

    流水魔法Lv.48 (10up)

    魔力操作Lv.62 (21up)

    魔法調整Lv.46 (14up)

    並列詠唱Lv.47 (13up)

    刻印魔法Lv.40 (new)

 【感知系】

    暗視Lv.51 (24up)

    熱源感知Lv.60 (15up)

    魔力感知Lv.61 (15up)

    気配感知Lv.59 (47up)

    危険感知Lv.60 (46up)

    心眼Lv.58 (18up)

    五感強化Lv.37 (new)

    空間把握Lv.55(new)

 【身体系】

    尾撃Lv.50 (11up)

    魔力強化Lv.51 (10up)

    剛体Lv.48 (12up)

    縮地Lv.40 (21up)

 【その他】

    念話Lv.59 (20up)

    硫毒生成Lv.60 (59up)

    霊体化Lv.48 (47up)



 レベルは5上がったのはちょくちょくシオンとアルフの森周辺で狩りをしていたからだ。

 お嬢のように論文書いてあとは何もしなくても金が入ってくるという方が稀なのであって、普通の冒険者はそこそこのペースで魔物を狩りにダンジョンなり、森なりに行く。

 シオン場合は後に聖女サマの護衛があったので、万が一を避けるためにダンジョンには入らなかったのだ。

 そのため、ギリギリの戦いをするということもなく、格下の魔物しか狩っていなかったため、5しか上がらなかったのだ。

 

 それでも、普段の生活でフルでスキルを活用していたため、スキルレベルは上がったし、新しいスキルも覚えた。

 新しく覚えたスキルは「麻痺耐性」「呪詛耐性」「五感強化」「空間把握」の四つ。

 

 耐性系のスキルに関しては、蠱毒やらの呪術の触媒作りなんかをしてたらいつの間にか覚えていた。

 まあ、呪術の触媒に使ってるのって主に毒薬の類だったから、それがどのくらい効くかなんかを試してみたら覚えていたのである。

 シェロプという真っ黒な小さめの蜘蛛の魔物が生成する毒に関しては結構やばかった。

 普通に泡吹いたからね、本気で死ぬかと思ったわ…………。


 「五感強化」と「空間把握」に関しては多分、シオンとの稽古が効いてると思う。

 だってアイツ最近めっちゃフェイントかけてくるんだもん………ちょっとした体の動き違いとか見分けなきゃ普通に引っかかるから。

 今となっては半径500m以内であれば地形、気候、温度、空気の微細な流れも感知できるようになった。

 まあ、()()()()()というのも、それはそれで考えものではあるんだが。


『そういや今更なんだが………お嬢、聖女サマ(笑)に襲撃かけようってのは誰なんだ?』


 いや、お嬢の許しさえ出れば向こうに寝返ってやろうとか、分が悪くなったら敵方の印象が良くなる感じで加勢してやろうとか考えてませんよ、ホントホント。

 だから神聖騎士さん?その目を止めよう?

 神聖騎士団が聖女サマの周囲を守っていて、俺たちはその外周を索敵しているにだから結構離れているはずなのに、すげえこっち見てくるんだよあの女騎士………ヨハンナとか言ったか?五番隊の隊長の。


「本当に今更だな………というか今、変なの混ざらなかったか?まあ、キース・ファロンテッサが来るということだから、十中八九、エルデア帝国だろう」


「ウチのラニア王国とエルデア帝国とは昔から仲が悪くてな。一年に一度、国境付近で戦争やってる程度には仲が悪い」


『年に一度のお楽しみってか?』


 お祭りじゃねえんだからさ………もうちょっとスパン減らすとかできないの?いや、見てる分には愉しいからいいんだけどさ?


「いや、別に楽しくはないが………」


『にしても毎年戦争やるとか殺伐としすぎでしょ…………嫌よ嫌よも好きのうちみたいな感じにならない?』


「男女間でならともかく、国家間ではそうはならんだろう」


 まあ、自分で言っててもそれはねえわ、とは思ったけどね?


「ま、襲撃者がキースだけということはないだろう。国の暗部か暗殺専門の組織あたりは来るかもな。もしかしたら………」


『もしかしたら?』


「いや、何でもない」


 ………絶対何かあるやつでしょ!それぇ!




◇◆◇◆◇◆




 意外や意外と言うべきか、道中で襲ってくると言うことはなかった。

 正義感に囚われたのか、折角なのだから神殿という場所を墓場にしてやろうという慈悲の念か、或いは神殿に()()()()のか。

 最後だったら面倒臭えなあ、と思いつつも、少し魔物が襲ってきたということ以外は何事もなく、カトリス聖遺跡の最寄りの街であるエルキアに辿り着いた。


「それでは明日のカトリス聖遺跡の巡礼、最後の段取りとしてカトリス聖遺跡への参拝、その最終確認を始めます」


 エルキアに着いた翌日、中々に豪華な宿屋に泊まった一行は、一番広い部屋である聖女サマ(笑)の部屋に集められた。

 一行と言っても全員ではなく、三番隊隊長のアーネスト、五番隊隊長のヨハンナとその傍付きが各二名づつ。

 冒険者側からは代表のランデルにフレデリカ、そして何故かお嬢と俺。


 ……場違い過ぎん?お嬢はともかくとして特に俺。

 というか似非聖女と同じ空間とか普通に嫌なんだが。

 あと、全長10m越えの俺からしたら、いくら一番大きい部屋と言ってもお嬢の家のような大豪邸でもないからかなり狭い。

 一応、トグロを巻いて占有面積を減らしてはいるものの、そもそもが移動砲台たる俺なので、狭いものは狭い。


 ちなみにこの街エルキアは、カトリス聖遺跡に最も近い街という触れ込みの観光地兼宿泊地として中々に産業に盛んである。

 歩くとこそこかしこに宿と教会が建っており、聖女サマが歩くとこ煩いのなんの。

 テメエらは蛍光灯に群がる蛾か何かかと言いたくなるぐらいに。

 むしろ似非聖女に群がるゴミどもにはお似合いの評価か………?


 それはともかくとして、そんなそこそこ繁栄した街一番大きくお値段も高い宿であるから内装も中々豪華なのだが………いささか華美に過ぎる。

 好きな人はとことん好きなんだろうが、元はと言え質素堅実を重んじる日本人としてはこう………目に痛い。

 どっかの金箔貼ったお寺やお城みたいにギンギラギンではないんだが………全体的に()()()()()

 田舎の人間が「取り敢えず豪華って言ったらこんな感じでしょ!」みたいな感じノリで装飾品を備えたような内装なのだ。


 …………はあ、懐かしき日本よ、せめてシオンの和装を見て気休めに………ならねえな。

 野郎の服装なんぞ見て何が楽しいものか。

 今度お嬢に和服を着てもらうように頼んで………いや、ヘカテの方が適任か?

 お嬢はどちらかと言うと北欧人系の顔立ちだからな………勿論、似合わないと言うことはないのだが。


 閑話休題(無駄話が過ぎた)


「聖女様がカトリス聖遺跡に参拝している間、我等、神聖騎士団がその周囲、および聖遺跡内の防衛を固める。冒険者の方々は聖遺跡外周を索敵、および防衛し、襲撃者が出てきた場合は我等への伝達を。聖遺跡への入り口は全部で2箇所、正門と裏門がありますが、正門はランデル殿、アリシア殿、シオン殿、ヘカテ殿、ルキア殿が。裏門はフレデリカ殿、セドリック殿、リチャード殿、リゼット殿、ミカエラ殿が受け持って頂きたい」


 アーネストが淀みなく告げる。


「異論はない」


「こっちも特にないよー」


「私も特にない」


『…………』


「………」


「………」


「…………」


『え、これ俺もなんか言うの?』


「そりゃそうよ」


「でなければ何故呼んだのかと言うことになるからな」


『賑やかしとか?』


「喧しいわ」


 それともオブジェか何か?

 蛇の彫刻って割とどこの文化にでもあるものだし。


『ま、俺としても特にはないかな。強いて言うなら連絡手段をどうするのかというぐらいか?』


「それに関してはこちらで魔道具を準備してあります。ランデル殿とフレデリカ殿に。こちらはヨハンナと私が持っています。折角ですし、今ここで渡しておきましょう」


 そう言って二人に渡したのはイヤホンとインカムが一つになったような……コレ、転生者か転移者の作ったものか?

 ダンジョン製のものとは()()()()()()()

 あと、全体的な構造の()()も。

 

「それでは皆さま、明日は宜しくお願いします」

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