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魔女の使い魔  作者: 自動機械鮎
第二章 戦火舞い散るは古の神殿
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第二十八話 次回!次回はそこそこ喋るから!!

かぐや様を一期から通しで見直しました。何回見ても体育祭で泣いてしまう………石上お前ェ………普通に陰キャかと思ったらめっちゃ泣けるじゃねえかよチクショウ………バカ、お前こんなん泣くわ!

 いや、昨日は大変だった。

 なにが大変だったかと言うと、宿屋の店主俺を見て宿の入室を断ったのだ。

 もし、入室するなら俺を馬小屋に入れろと。


 正直な話、俺とシオンは「そらそうだ」と思った。

 むしろ体長10mオーバーかつ黒い鱗体を持つ大蛇を好き好んで部屋の中に入れたいヤツは珍しい部類だろう。

 いっそいるならこの目で見てみたい。


 ………いや、目の前に居ましたわ。

 まあ、お嬢みたいなトンチキな精神構造をしているならともかく、普通の人なら大蛇の入室なんぞ断るわけで。

 加えて言うなら従魔は普通、そこらの馬なんかと同じ扱いを受けるのが普通だ。

 むしろイージアの街みたいに俺を準人間扱いしてくれる場所の方が珍しい。


 というか改めて考えてもあの街おかしいでしょ。

 何で魔物と人間が共存してるん?

 いや、そう仕向けたり下準備したのは俺だけどさあ………にしたって順応性良すぎじゃない?


 閑話休題


 まあ、俺は寛大かつ慈愛に満ち溢れたような男なので、その要望にも甘んじて受け入れようと思ったのだが、それを見事台無しにしてくれやがったのが我が主人。

 いや、まあお嬢からすれば、俺を一個の人間として見ているからなんだろうがなあ。

 それを他の人間に押し付けるには無理がある。


 そも、イージアの街の人間だって、俺が白蛇だった頃からの信頼と実績をもって、今の対応が出来上がっているわけだ。

 でなければ好き好んで魔物と共存する人間などそうおるまい。


 人を縛り付ける一番の鎖は信頼というがまったくもってその通りだ。

 自分の心が鎖を生み出しているのだから。

 故に王都の人間にはイージアの街の人間のような「鎖」はない。


 だからこそこういう対応は予想できていたし、お嬢もそこらへんはわかっていると思ったのだが………俺の認識が甘かったか。

 加えてそこに拍車をかけたのがヘカテだ。

 ヘカテからすれば仕えている相手が馬小屋に入れられるというのは耐えがたい侮辱だったらしく、珍しく激怒していた。


 美人は怒っても絵になると思いましたねえ、うん。

 そんなことを考えているとシオンが


「美人ってのは怒っててもいいもんだなあ、実に目の保養になる」

 

 などとほざきやがったので『黙れファッキン野郎、(竿)引きちぎってやろうか?』と言っておいた。

 え、ブーメラン?知らない子ですね。


 つーかウチの女性陣アク強すぎない?

 お嬢はお嬢だし、ヘカテは今は人間に紛れてはいるけど魔物だし、フレデリカはアレだし……まともなのは黒鎧の守護者の女性陣と男性陣だけか。

 まったく、社会の模範たるこの俺を見習って欲しいものだ!


 なに、酒クズ?

 はっはっは、酒を樽単位で開けるなんざ普通だろう?

 少なくともイージアの街の男連中では樽一個開けて漢と認められるのだ。

 よって、俺が樽の四つや五つ開けたとしてもそれは至って普通のことだ。

 つまり逆説的に俺は社会のモラルを重んじる模範的な一般人(蛇?)というわけだ、Q.E.D照明終了。


 さて、今日は護衛対象の聖女サマとの面会だ。

 話し合う内容は主に道中の隊列の組み方や、聖女サマが聖遺跡内にいるときの護衛配置などについてだ。


 そのために三神教の本拠地であるロンメン大聖堂に来ている。

 概形はラクダと言えば分かりやすいだろうか?

 こちらから見て最左に立つ塔が最も大きく、台形の上に三角形を載せたような形の大聖堂の本殿であろう建物がラクダの背中のコブのように見える。

 装飾はそれなりにあるが下品というわけではなく、華美という程度に収まっている。

 いやしかし、これがまたバカでかい。


『アレか?王都ってのは何でもかんでも大きくしなきゃいけない法律でもあんのか?』


 遠目から見える王城もバカ高いし。


「まあ、仮にもこの大陸最大を誇る宗教の本拠地だからな。それ相応の大きさは求められるというものだ」


「………?大きいと何かあるのですか?」


 ああ、ヘカテの純真さに少しだけ癒されるぅーー。

 デカイ宗教関連の建築物とか建てさせた人間の思考が透けて見えるもんね。

 まあ、その汚れたメンタルは見ていてとても愉しいものではありますがねえ、うん。


「大きさってのは権威の象徴だ。財力、権力といった類のものをこれ以上ないほどに誇示できるのが巨大建築物ってことだ」


「なるほど……」


 いつの世も人間の考えることは変わらんということだ。

 わかりやすい例で行けば古墳だろうか。

 アレは自分の墓を大きくすることで、自分がどれだけ権力を持った豪族だったかを周囲や後世に示すためのものだ。

 身も蓋もない言い方をすればただの財力自慢であるが、効果的ではある。

 そしてそれをこの宗教団体もやっているというわけだ。


 うーん、金の匂いがする。

 個人的には、一部の枢機卿あたりが酒池肉林を陰で繰り広げていたらすごい面白いんだが………まあ、そんなことは多分ないのだろう。

 黒鎧の守護者の神官ミカエラ・エドワーズもそうだが、三神教の信徒は敬虔な者が多く、清貧をこそ尊ぶという。


 大聖堂に入っていく信者たちを見た限り、豪奢な身なりの人間はほとんど居ないように見えるし、引き連れている護衛なんかから察して身分の高いであろうおっさんも、その場に適した簡素な服を着ている。

 

「さて、それでは神殿内に入るんだが………ルキア」


『分かってるさ、ランデル。外で待ってるよ。ヘカテ、付き合え』


「はい」


「理解が早くて助かる」


 小さい蛇だった頃ならともかく、流石に神殿内に大型の魔物を入れるわけにはいかないだろう。

 お嬢が若干ムスッとした顔をしているが無視。

 ヘカテから若干納得行かなそうな視線が送られてくるが、無視!

 ………割り切れないもんかねえ。




◇◆◇◆◇◆




 アリシア達が聖堂内をランデルが用件を話した神官の案内のもと進む。

 建物内は外見よりも少しだけ豪華ではあるものに、高貴な人物が来たときに失礼に当たらない程度の装丁として置物などが配置されている。


「いい加減機嫌なおせ、アリシア」


「…………分かってる」


 シオンが苦笑しながらアリシアを嗜める。

 仏頂面ではあるものの情はあるようで、ルキアが蔑ろにされたとき、大抵アリシアは不機嫌になる。

 本人もそれが意味のないことだとは分かっているようだから、なおのことタチが悪い。


 結局、ルキアかシオンが機嫌をとるハメになるのだ。

 それを言えば、ルキアは命令すればある程度手綱が握れるヘカテの方へとうまい具合に逃げたわけで。

 「あの野郎絶対許さねえ」という思いと「ヘカテとアリシア二人も相手せずに済んだのだから喜ぶべきか?」という思いが同時に浮かび、0.2秒後に前者が勝った。


 仕返しとしてヤツに高い酒を奢らせようなどと考えていると、一際華麗な装飾の部屋に着く。


「こちらで掛けてお待ちください。じきにヴーゲンビリア様がお見えになります」


 そう言って長テーブルを勧める神官に、目礼をして全員が椅子に座る。

 上座はあけ、ランデルがその対面の位置に、その両脇を埋めるようにして他の面々が腰掛けていく。

 ここにいるほとんどが高位の冒険者だ、礼儀作法は一通り学んである。


 唯一の例外のシオンにしたって生家は結構な名家だ。

 そこらの貴族に引けを取らないほどに礼儀作法の類は会得している。

 全員がテーブルに着席したのを見計らったように、ドアが開き、見目麗しい女性とそれに付き従うように純白の騎士達が入ってくる。

 

「初めまして。アナスタシア・ヴーゲンビリアです。本日は遠いところ足を運んでくださりありがとうございます」

 

 お辞儀とともにプラチナの髪が揺れ、その間から覗く青い瞳が美しく輝く。

 壮麗、という言葉がよく似合うその少女は聖女の名に相応しい立ち振る舞いを見せた。


「お会いできて光栄です。この護衛の代表を務めるランデル・セリディアと申します。以後、お見知り置きを」


「はい、よろしくお願い致します。早速ですが、護衛の話を進めていきたいと思います。アーネスト、宜しくお願いします」


 アナスタシアがそばに控えている騎士に声かけると、アーネストと呼ばれた青年が一歩前に出る。

 一見、ただの好青年に見えるがその足運びは洗練されたものであり、眼光は戦士のそれだ。

 白銀の鎧と、背には蒼穹のマントを羽織った姿は、まさしく聖騎士のそれだ。


「神聖騎士団三番隊隊長アーネスト・ディートリヒです。今回、アナスタシア様の護衛の指揮を取らせていただきます」


 反論は出ない。

 元より冒険者はあくまで護衛()()()()()()()()()側だ。

 三神教からではなくギルドマスターからの依頼を受けて着ている以上、下手にでざるを得ない。

 ……まあもっとも、大陸中でも信徒の数で随一を誇る宗教団体に、上から掛かろうという人間が何人いるのかは分からないが。


「今回、アナスタシア様の護衛に出動する神聖騎士団は三番隊と五番隊です。三番隊がアナスタシア様の周りを固め、付近を五番隊が警戒するという形を取ろうと思っています。皆様方には五番隊よりさらに外側の警戒と、魔物が出た際魔物の討伐をお願いしたいと思います。ここまでで何か不明瞭な点はありますか?」


「神聖騎士団の一個隊は大体5、60名と聞いています。二個隊が展開されている周囲を警戒するのには明らかに人手が足りませんが……」


 黒鎧の守護者のリーダーであるセドリック・ライゼンが唸るように疑問を呈する。


「周囲の警戒と言ってもカトリス聖遺跡までは街道に沿って進んでいく予定です。そのため街道の左右のみ警戒していれば問題はないかと」


「盗賊などの類は………」


「神聖騎士団100人に仕掛ける盗賊がいれば一周回って見ものだな」


 アリシアが苦笑しながら言う。

 神聖騎士団は数こそ多いとは言えないものの、一人一人の力量が一騎当千のそれであり、隊長クラスともなればSランクの冒険者にも届くと言われているほどだ。


 とりわけ一、二、三番隊の隊長は腕が立つと評判で、一番隊の隊長であり神聖騎士団の団長を務めるリリアーナ・アイゼンシュタインは王から「剣聖」の名を賜った王国騎士団前団長の数少ない直弟子である。

 そのリリアーナには及ばずとも、同格と見做されるアーネストが率いる三番隊とそれに追随する五番隊に盗賊崩れが仕掛けるのであれば結果は知れたものであろう。


「ほかに何かある方はいらっしゃいますか?…………居ないようですね。それでは街道のルートや宿泊場所などの細部を詰めていきましょうか」

Wiki見てみたんだけど藤原書記がヒロインってマ?原作読んでないからなんとも言えないけどアレがヒロインって嘘でしょ?


なお、ロンメン大聖堂はケルン大聖堂って言えば大体合ってます

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