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魔女の使い魔  作者: 自動機械鮎
第一章 白蛇と魔女
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第十八話 牧羊犬に追われる羊のような

アクナイ楽しすぎかぁ…?

ちなみに作者が一番好きなのはテキサス。

広範囲スタンとかナーフ案件では?

 鳴り響く地響き。

 甲高い悲鳴と野太い悲鳴が人影を伴ってこちらに向かってくる。


「だから言ったでしょ!!あんなに多くのオークなんて相手にできるわけないってぇ!!」


「リク、責任を取って肉壁になってきて下さい」

 

「ふっざけんな!!エイン!魔法で足止め出来ないのか!?」


「無茶言わないでください!僕は魔法士でまだまだ駆け出しなんです。あんなのの足止めなんてそれこそ魔法師でないと…」


 軽装のおそらく格闘家であろう女、会話の内容とローブを見に纏い杖を持っていることから魔法士であろう男、全身鎧ではないものの、十分に重装と呼べる鎧に盾と片手剣を持った男の3人組がこちらに50以上のオークを引き連れて走ってくる。


『……どうやったらあれだけのオークを連れてこれるんだ?闘牛士の才能でもあるんじゃないか?』


『その発想はともかく…おそらく何匹かから逃げているところに新しく加わったんじゃないか?後は女がいるのも拙いだろうな。オークは人間の女性の肉を好んで食べるというし』


 うわぁ、趣味悪いな。

 そんなこと言ってるうちに大分近づいてきたようで。

 こう、近くになるとその重量がより大きく感じる。

 それから必死になって逃げている様はとても愉し…哀れである。


『それで、どうする?』


『練習台にはちょうどいいだろう。混戦の中での連携もやっておきたいしな』


 練習台と言うには数が大分多いようですが…まあ、何を言っても無駄だろう。

 それにこの量を今から相手取ると言うのはかなり興奮する。


「そ、そこのあなた!!危ないから逃げて下さい!!」


 格闘家と思しき女性が叫ぶ。

 声には大分申し訳なさがあり、巻き込んでしまったと悔やんでいるのが伺える。

 それに対してお嬢はと言うと…


「………」


 MU・SHI!

 視線はオーク達の方にしか向いていなく、一瞥すらしない。

 いや、あのお嬢?

 声ぐらい掛けてもいいんじゃないかなっておじさん思うんですけど…。

 そんな事は知らねえ、と言わんばかりにオークに向かって歩いていく我が主。

 もうちょっと他人に興味持とう?ね?


『私が1発そこそこな威力で最前列に穴を開ける。おまえはそこに入り込んで鏖殺しろ』


 やだ、鏖殺しろとか怖ーい。

 無表情で言うもんだからさらに怖さに磨きがかかってやがるぜ……。

 

『承知。指示は任せる』


『任せろ』


 言葉少なにそう言うと、豚共に気取られないように進み始めた。

 ところで契約魔法というのは便利なもので、契約した相手同士で大体の位置がわかる。

 何が言いたいかって?

 お嬢がミスって俺に被弾させる確率が下がるって事だ。

 お嬢にとってはそこそこな威力でも俺は消し飛びかねん。

 て言うか穴を開けるとか言ってる時点で、俺直撃したら消し炭になるよね?


「消し飛べ、『ブラスター・マイン』」

 

 ほら、消し飛べとか詠唱に入っちゃってるし。

 魔法名を述べると共に、オーク達の前方に半径5m程の緑色の魔法陣が浮かび上がり、オークがそれを踏んだ瞬間、下から上へ突風が噴き上がった。


 たまやー、とでも言えばいいんだろうか。

 オークが()()()()

 それも五体も。

 あの巨体を飛ばすとか威力相当やばいぞ?

 しかも腕とか足とかヤバイ方向に折れ曲がったりもげたりしてるし。

 個体によっては顔が消し飛んでる奴もいる。


 冒険者3人組も口開けちゃってるよ。

 まあびっくりするよね、オーク達も足止めて呆然と見上げてるもの。

 だが好機だ。

 豚共の足は止まり、今は油断しきっている。

 「魔力強化」で身体能力を高めて一気に接近する。


『『ポイズンショット』、続けて『ポイズンエッジ』!』


 フハハハハ!

 止まっている豚など絶好のカモだ!

 皆須く夕飯の食卓に並ぶがいい!!

 『ポイズンショット』1発で1匹目を仕留め、続く『ポイズンエッジ』付きの万里の堅鎖で2匹目を仕留める。


 万里の堅鎖を巻き戻して一気に接近する間に『ポイズンショット』を撃ちまくる。

 豚共の群れの中に入ったところで、飛んできた勢いをそのまま使って『斬尾』で喉を斬り裂き万里の堅鎖を放って接近しながら『ポイズンショット』を撃ちまくってを繰り返す。


 間間にお嬢からの援護の魔法が来るので当たらないように「魔力感知」で魔法のルートを見定めて次のオーク(足場)に万里の堅鎖を放つ。

 やばい、めっちゃ楽だ。

 こちらの距離から対応が面倒な相手はお嬢がすかさず倒してくれるおかげで凄い戦いやすい。


 というか俺の勘違いじゃなければ魔法が複数同時に飛んできてるのは気のせいかしらん?

 スキルの同時使用は頭と心と体が疲れることに目を瞑ればできるが、魔法の同時使用は出来ないというのがお嬢の解説だ。

 どんなに詠唱を簡略化しても魔法名だけは必ず唱えなきゃならないから同時使用をしたいなら腹話術でも身につけろと言ってたのはアナタございますですわよね!?


 どんなカラクリがあるのかは知らんが、これで手を抜いているんだから本気を出した日にはどうなることやら。

 どこぞの立体起動装置みたいな動きをして豚共を屠り続けること数十分。

 気づけば50体ほどもいたオークは全て狩られ尽くしていた。

 

「あ、あの!ありがとうございました!…ってあれ?」


 お礼なんぞ無視してスタスタと歩いていくお嬢を呆然と見送る軽装の女の子、哀れ(訳:愉悦)。

 しかし、そこはあのオークの大群から逃げてきただけあってガッツがある、無視されても諦めずに追いかけてくる様は非常に好感が持てる。

 プラス50ポイント


「ま、待ってください!て言うかなんで魔物に近づいて行ってるんですか!?危ないですよ!」

 

 しかし、ここで流れるように地雷を踏むのはやっぱりあれだけの群勢を連れてくるのに思わず納得してしまう。

 と言うか俺、あなた達を助けたんですけどね?

 それはそれとしてプラス100ポイント。

 だって滑稽なんだもの。


「……コイツは私の使い魔だ。まともな礼もできないなら私の前に立つな」


 それは静かながらもマグマのような熱をはらんだ声だった。

 ていうかお嬢、女の子がやっちゃいけない顔していらっしゃるんだが。

 怖いよ?

 何なら3人組怯えちゃってるじゃん。

 なんなら俺もちびりそう。


『お嬢、そこまでにしとけ。すんごい顔してるぞ、今』


「え、今………」


 ん?何やら3人組の反応がおかしい。

 と言うかこっちを凝視している。

 何だ、私の美しくも気高いこの純白の鱗に見惚れてしまったのか?

 いや、それも仕方ないだろう。

 何故なら私の鱗は見るもの全てを魅了し、その鱗のためならば各国が血で血を洗う様な戦いが繰り広げられる程に美しい鱗なのだから…!

 なんてくっだらないお芝居はともかくとして、俺を凝視してくる理由がわからないのでちょいとお嬢に尋ねてみる。


『お嬢、アイツらは何でアホみたいに惚けてるんだ?』


「あ、また喋った!て、アホみたいにって何だよ!!」


 重装の男が犬みたく吠える。

 ………これってもしかしなくても言葉が通じてる?

 

『よしズッコケ三人組、ちょっと待ってろ』


「「「誰がズッコケ三人組だ!!」」」


 お、ハモった。

 3人でアイドルでも目指したら?

 全員顔はそこそこいいし。

 そんなことを考えてギャーギャー騒いでる三人組を無視してステータスを開く。

 つかお嬢、嫌そうな顔もう少し隠そうとする努力はしよう?

 煩いのは分かるけど。



 Name:ルキア

 Level:35

 Phylum :魔物

 Species :ホワイトスネーク(進化が可能です)

 HP:209/217

 MP:31/121

 Strength :70

 Vitality :68

 Dexterity :72

 Agility :74

 Stamina :72

 Luck :15

 Skill:

  【耐性系】

    精神苦痛耐性Lv.100  

    毒耐性Lv.1

  【魔法系】

    毒魔法Lv.30

    魔力操作Lv.23

  【感知系】

    暗視Lv.14

    熱源感知Lv.21   

    魔力感知Lv.28

    心眼Lv.13

  【身体系】

    尾撃Lv.19  

    魔力強化Lv.17

  【その他】

    念話Lv.20


 ………。

 言いたい事はいろいろあるが、とりあえず今は「念話」だ。

 そう、種族の隣になんか凄い重大なことが表記されていたとしても、とりあえず今は「念話」だ。

 そう自分に言い聞かせて「念話」のスキルレベルを見ると、きっかり20になっていた。

 おそらくこのせいだろう。


 「念話」を発動して集中してみれば、何となくどこまで「念話」の効果が及ぶのか大凡わかった。

 お嬢以外であれば半径5m程とかなり狭め。

 対してお嬢はお嬢は相当離れていても届く。

 限界は大体700mぐらい先だろうか。

 ……差がありすぎじゃない?

 多分魔力のパスがつながっていることが原因なんだろうが。


『お嬢、「念話」のスキルレベルが20まで上がっていた。多分そのせいだろう』


「成る程。なら、私も魔法を使って喋る必要もないか」

 

 いや、そうなんだけど魔法切るの早くない?

 お嬢曰く、魔法で会話するのはあんまり好きじゃないんだと。


「へ、へ、へ、蛇が喋った………」


「おい、コレット。抱きついてくれるのは嬉しいんだが、首!首しまってるから!放せ!!馬鹿コレット!」


「使い魔ですか。それにしても喋れるほどの知性を保有しているとは…。凄いですね、どこで捕まえたんですか?」


「ここの第一階層だ。とは言え、ホワイトスネークの出現条件は明らかなっていない。私の場合は単に運が良かっただけだ」


 格闘家の女は重装の男の首を締めながら狼狽え、我が主と魔法使いは俺への興味からホワイトスネークについての考察に移ってる。

 ……何このカオス。

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